ネブワース・ハウス:ガーデン・お屋敷・プレイグラウンドから野外ライブまで!

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Uk☆エコ・ガーデニング格闘記


スクールホリデーも始まり、夏真っ盛りの8月。今日は先日行ってきたネブワース・ハウスがよかったのでご紹介しますね!こちらは非常に長い歴史を誇る素晴らしいお屋敷なのですが、70年代からは名立たるブリティッシュ・ロックバンドが野外ライブを行ったエリアが敷地内にあるんです。記録的にはちょうど20年前に行われたOASISやProdigy、Chemical Brothersなどが出演した時がすごかったそうで2日間で25万人が来たそうです。ロビー・ウィリアムスが出演した年は3日間で37万5千人きたんだとか。ガーデンやお屋敷の横にある公園のエリアの一部が使われたそうなんですが、現在も毎年ライブやDJイベントなどが行われています。あと、映画などでも使われていて、英国王のスピーチもこちらで撮影された場面があるとか。

IMG_5036_convert_20160807002959お屋敷の起源は15世紀くらいまでさかのぼることができるそう

リットン家は15世紀にこちらのお屋敷を購入し、その後増改築を経て現在に至るそう。小説家として有名なエドワード・ブルワー=リットン男爵やリットン調査団(吉本興業の芸人さんじゃないですよ)の団長をつめとたヴィクター・ブルワー=リットン伯爵はこちらのご出身だとか。現在もリットン家のご子孫のお住まいになっています(メインの建物ではないそうですが)。お屋敷とガーデンは20世紀初頭にエドウィン・ラッチェンス卿によってデザインが変えられ現在に至ります。こちらのハーブ・ガーデンはラッチェンス卿と共に多くの庭の植栽デザインを手がけたガートルード・ジーキル女史によるデザインということでいつか見に行きたいなぁと思っていたんですよ^^。

2016July_Knebworth_1お屋敷前のサンクンガーデンの奥にはローズガーデン

ローズガーデンには’Warm Wishes’、’Champagne Moment’、’Blue Moon’、’Mountbatten’、’Nostalgia’、’Super Trouper’、’Tickled Pink’、’Harry Wheatcroft’などが植えられていました。バラの開花状況はなかなかのものでした。ローズ・ガーデンは小さいスペースですが、満開の時期はやっぱり見ごたえがあります。

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ネブワース・ハウスには遅くとも17世紀にはガーデンが造園されていた記録がありますが、現存しているデザインの多くはビクトリア朝およびエドワード朝時代に手がけられたものだそうです。ラッチェンス卿はビクトリア朝時代になされたデザインを簡素化したり背の高い木を植えてヘッジを作ったりしたんだとか。ローズ・ガーデンとお屋敷の間にあるサンクン・ガーデンもラッチェンス卿によるもの。芝生を敷いたり、刈り込まれたライム・ツリーの並木を植栽したそう。ローズ・ガーデン両脇のボーダーは開花してるものもあれば、これから秋にかけて開花しそうなお花もあって長く楽しめそうです。

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ガートルード・ジーキル女史の協力のもとラッチェンス卿が1907年にデザインしたハーブ・ガーデン。実際に作られたのは1982年だそうです。真夏になると小さなハーブ・ガーデンは咲き誇るハーブの香りとかわいいバンブル・ビー達でいっぱいになることでしょう。ラッチェンス卿によって新たに加えられた箇所の一つにウォールド・ガーデンもあり、オーガニック・キッチン・ガーデンとして現在も使われています。
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ガーデンを見回る途中、お屋敷に寄って中の見学に参加しました。時間が足りないかなと思ってガーデンのみのチケットを購入していたのですが、入り口で3ポンド50ペンス払って入ることができました。屋敷内もラッチェンス卿によって20世紀初頭に大きくデザインを変更されたそうですが、チューダー朝からのそれぞれの時代の様式があちこちに見られます。部屋の装飾や調度品や美術品の美しさもさることながら、一番の見所はThe Queen Elizabeth Roomかもしれません。16世紀後期にエリザベス一世がスペインの無敵艦隊との戦いにおけるリットン家の貢献に感謝の意を表するため4日間滞在したという記録があるそう。実際に女王が宿泊した部屋は火事か何かで消失したらしいのですが、記念にこの部屋が作られたんだとか。非常に美しく見ごたえのある部屋でした。他の部屋もそれぞれ素晴らしいので時間のある方にはぜひお屋敷内の見学もおすすめします。

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お屋敷見学後にまたガーデンの散策へ。レンガによるペイビングと芝生のコントラストが美しいブリック・ガーデン。こちらは元々あったエドワード朝時代のデザインに基づいて2000年に復元されたお庭です。シルバーリーフとブルーやパープル系のお花にピンクのバラとアジサイが色を添えてとても素敵な色合いでした。つるバラのほとんどが開花を終えていたみたいでしたが、満開のところも見てみたいものです。品種名が見つけられたなかったので、返り咲きするタイプのものかどうかは不明です。

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ブリック・ガーデンの隣はゴールド・ガーデン。黄色のお花や葉っぱをもつ植物が植えられています。春には水仙が咲くそうですが、真夏の今は黄色のヘメロカリス(デイリリー)が丸い池の周りを縁取るようにこれでもか!とわんさか咲いてました。クリーム色のバラや黄色いアキレア、デイジーも開花中。お花の間にそよぐ背の高いグラス類も黄金色。エドワード・ブルワー=リットン男爵の詩が刻まれた胸像も黄金葉の植物に囲まれています。

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子供にとって魅力的なアトラクションもいっぱい。特に等身大の恐竜が72体も置かれているダイナソー・トレイルはなかなか楽しそうでしたよ。プレイグラウンドや垣根で作られた迷路もあるし、私はいかなかったのですが同じ敷地内の少し離れたエリアにはもっと充実したプレイエリアがあるそうです。園内全体にポケモンGOのポケ・ストップがたくさんあるのですが、ダイナソー・トレイルの近くにはなんとジムまでありました。夫がポケモンGOをガーデン内でやっていたので見せてもらったら、ジムのレベルは3。きっとプレイグラウンドで遊んでる子供を待ってる親御さんがジムでポケモンをバトルさせてるのかな?なんて思いましたが、夫はリットン家の人が閉園後にここまできてやってんじゃないの?と。そんなわけないやーんって、本当のところはどうかな?

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ガーデン名 Knebworth House
住所 Knebworth, Hertfordshire, SG3 6PY
車のナビゲーションシステムを使う場合はSG1 2AXで来園者用エントランスに到着します。
電話番号 01438 812661
営業時間 時期によって異なるので詳細はこちらをご覧ください
URL http://www.knebworthhouse.com/

★情報は2016年8月時点のものです。事前に必ず公式サイトで詳細を確認してからお出かけ下さい。

 

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About Author

在英20年、ロンドン郊外の自宅の庭で節約とリサイクル・無農薬をテーマに土いじりに奮闘、花や木、ハーブ、野菜や果樹などいろいろ挑戦中。3年間のカレッジ生活を経て園芸とガーデンデザインの資格を取得。フラワーショーや造園現場の通訳・コーディネイト、デザインや園芸相談、メンテナンスサービス、ガーデンガイド等10年ほどやってます。庭と旅とお笑いをこよなく愛する植物オタク。ここ数年家族の闘病等でガーデニングもブログもサボってました(;^ω^)ぼちぼち復活できるかな?ブログ「イギリスの片隅で庭仕事」http://gardenuk.blog.fc2.com/もそのうち復活する予定。

2件のコメント

  1. ちょしっち on

    そうなんですよ、維持費が大変なんですよね!ナショナルトラストなどの保護団体がありますが、個人でやっているところも自身の慈善団体を作ったり、結婚式やコーポレート・エンターテインメント系のイベントに敷地を貸してるケースがほとんどみたいですね。おかげでこんな立派なお庭や建物が見れるのがありがたいです。一般公開されずにやりくりできていた昔の貧富の差にも愕然としますが^^;

  2. アバター画像

    素敵なところですね! こういうお屋敷のメンテはすごくお金がかかると思うんだけど、敷地を開放してイベント用に貸し出せばそういう資金調達ができるのかしらんと、リットン家のやり方に拍手送りたくなりました ^^ もっとも、そんなの関係なく他所からの資金で維持できているのかもしれないですが・・・

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