エコロジカル・プランティングを実践してみよう

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Uk☆エコ・ガーデニング格闘記


秋が近づきクローズするガーデンも多くなり少し寂しい季節になりました。今日はガーデンの紹介ではなく、近年主流になっているエコロジカル・プランティングについて少し書いてみようかなと思います。

ほとんどの庭は多かれ少なかれ人の手によってコントロールされる人工的な物、自然とアートの間でバランスを保って存在するものではないかと思います。近年の異常気象などで嫌でも意識せざるを得ない環境の事。ガーデニングをやっている人なら誰しも、植物の成長がいかに自然に左右されるかを日々感じていると思います。庭仕事をやればやるほど、環境に配慮することが庭づくりの大事なポイントであると実感するのではないでしょうか。憧れのスタイルの庭を作ったり、大好きな花を育てたりする事はガーデニングの楽しみですが、もしそれが自分の住んでいる環境と全く合わないものだとしたら・・・。

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今回取り上げる「エコロジカル・プランティング」は日本語では「環境に優しい植栽」と直訳できます。環境に優しいガーデニングをするために特に難しいことをする必要はなく、基本はとってもシンプル、Right plant, Right Place(環境に適した植物を植える)、この一言に尽きるのではないかと思います。要は、植物を植えるために庭の環境を変えるのではなく、環境に合った植物を選んで植えるという事です。エコロジカル・プランティングという言葉を知らずとも、自然とそのような手法でガーデニングを行っていらっしゃる方が多いかと思います。庭のコンデイションに適した植物は特に手をかけなくても自分の力で元気に育ってくれるため、環境に負荷をかけない庭づくりができます。

例えばイギリスでは一部の地域を除き、アルカリ性、中性の土壌のエリアが多く、酸性土壌が好きな植物を植える場合は土壌を酸性にするためにピート(泥炭)を加えるなどの土壌改良が昔は広く行われていました。ピートは沼地で植物の遺骸が十分分解されずに堆積したもので、これを採取することは沼地の生態系破壊につながるのでイギリスではもはや一般的な手法ではありません。RHS(王立園芸協会)や環境保護団体などの組織や多くのガーデナーがピートを使用しないように呼び掛けていますし、コンポストの袋には「ピートフリー(ピートは入っていません)」と明記されているものが大多数で、ピートフリーはもはやガーデナーの常識と言えるかと思います。もし自分の庭が酸性土壌でない場合、エコロジカル・プランティングを取り入れるのであれば、酸性土壌でないとうまく育たない植物(ツツジや石楠花、ブルーベリーなど)は避け、土壌にあった植物を選ぶことが一番手っ取り早い解決手段になります。あるいは大規模なエリアを土壌改良する代わりに、コンパクトなタイプの植物を選びピートフリーの酸性土を入れた鉢などで育てる代替策を取る方も多いです(厳密に言えばエコロジカル・プランティングとは言えないかもしれませんが)。

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さて、このエコロジカル・プランティングを実践するには、自分の庭の環境をよく知ることが必要になります。植物の成長に影響を及ぼす重要なファクターは主に下記があげられます。

1:土壌の性質(砂、粘土や有機物の割合など)やPH(酸性~アルカリ性)、排水性の良さと保水性

2:庭の方角、日当たり

3:風(風によるダメージは植物の成長に大きく影響します)

4:降水量

5:霜(イギリスでは5月くらいまで霜が振る可能性があり、特に春の霜は大きなダメージを与えます)

6:マイクロクライメイト(狭い範囲における環境の差異、同じ庭の中でもフェンスや高い木によって日や雨水の当たらない所もあれば、南側のフェンス前は日が当たり暖かいといった差がある)

細かく調べようとするとややこしい事になりそうですが、難しく考える必要は全くありません。わかる範囲で庭の状態(砂っぽくていつも乾燥してるな、いつも湿っていて土団子作れそうな土だなー、この辺は一日日が当たってる、風がダイレクトに当たってるなーなど)が理解できれば十分ヒントとなります。自分の庭の環境を知った後は、その条件にあう植物を探せばよいだけです。いろんな環境に適した植物があるので、よほど難しい場所でない限り、大抵何らかの適した植物が見つかります。

例えば砂状の土壌の場合、水はけが良いかわりに養分も流れやすく痩せた土であることが多いため、乾燥や痩せた土地に強い植物に向いています。さらに日当たりが良ければ、メディタレイニアン・プラント(南欧、アフリカ北部や南部、アメリカ西海岸などの地中海気候のエリアで自生する植物)が最適です。非常に魅力的でローメンテナンスで育てられる植物が沢山あります。

逆に粘土質の場合、水はけが悪く土壌の空気が少ないですが、保水性は高く養分も保たれるため、この条件にあう植物も沢山あります。排水性が大変悪い場合は水回りなどに自生する植物が、排水性は良くても日陰の場合は山や林で育つウッドランドタイプの植物が最適です。

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植物が自生するエリアの気候や、自然界でどんな風に育っているのかを知ることができれば、植物が好むコンディションを知ることができます。例えばメディタレイニアン・プラントが自生するエリアは、強い日差しと乾燥する長い夏と寒く雨の降る短い冬が特徴的です。森林に自生する植物は周りを高い木に囲まれているため日陰に適したものが多くあります。常緑の木の下で育つものはいつも葉の陰になるためさらに日陰に強く、落葉樹の下で育つものは春に葉が出る前の木々の隙間から日に当たるため、完全な日陰ではなく半日陰や木漏れ日を好む傾向があります。おおまかな分類ですが。

極端なことを言えばイギリスに自生する植物だけで庭を造れば一番簡単なんでしょうが、イギリスに自生する植物の数は大変少ないそうです。氷河期の時代に沢山の植物が消えてしまったんだとか。イングリッシュガーデンでおなじみの植物の多くが実は違う国から持ち込まれたものだったりするわけで、我々になじみの深い日本の植物も本当に沢山持ち込まれていますよね。日本と同じく四季があり気候に恵まれているイギリスでは世界中の多くの植物を育てることができます。

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長々と書きましたが、簡単にまとめると・・・

エコロジカル・プランティング(自分の庭にあった植物を植えること)で、環境に優しいサスティナブルな庭づくりをローコスト&ローメンテナンスで実現できる
そのためには自分の庭のコンディションを知り、それにあった植物を選びましょう

とは言っても、これを育ててみたい!という植物があれば我慢して諦めなくてもいいと思います。大好きな植物を育てるために時間と労力は要するかもしれないですが、環境に負荷の少ない手法で庭のコンディションを改善することは可能ですから。私も庭の土壌の状態がよくないため、自宅から出た落ち葉、剪定ゴミや家庭ごみを堆肥化して定期的に庭の土壌改良に利用しています。植物や虫は死んだあと土に帰りその養分を自然に返します。そのサイクルを真似て活用すれば環境に負荷をかけることを避けることができます。環境に配慮しながら楽しく無理なくガーデニングを続けていきたいですね!

PS.先日行われたガイドブック『ロンドンでしたい100のこと 大好きな街を暮らすように楽しむ旅』(「あぶそる〜とロンドン」の編集長まゆさんと写真家のネモ・ロバーツさん共著!)の出版記念パーティで沢山の素敵な方にお会いできて本当に楽しかったです!受付をさせて頂いていたのでお話しすることはなかなか難しかったですが、皆さんキラキラしてて私もがんばらねばーとエネルギーをいっぱい頂きました。ありがとうございました!またどこかでお会い出来たら嬉しいです♪

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About Author

ちょしっち

在英16年、ロンドン郊外の自宅の庭で節約とリサイクル・無農薬をテーマに土いじりに奮闘、花や木、ハーブ、野菜や果樹などいろいろ挑戦中。ロビンなどの小鳥に癒されつつも、庭を荒らす狐やリスに頭を悩ます日々。フラワーショーやガーデン巡り、ガーデンセンターでの底値チェックに余念がない、植物オタク。庭と旅とお笑いをこよなく愛し中年生活を満喫中。ブログ「イギリスの片隅で庭仕事」http://gardenuk.blog.fc2.com/もよろしくお願いします!

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