027 | 長寿のサイエンス#4 実践編-ライフスタイル

0

holistic


前号で長寿に関係する食品を紹介しましたが、わかめや魚などは、以前から定期的に食べている人が少なくないはず。すでにテロメアやFOXOをサポートしていると思えば、何だか気分もいいですよね。長寿のサイエンス最終回の今号では、再びDr.レオに戻って、昨秋彼から学んだことを中心に、ライフスタイルやアクティビティを網羅します。

 基本的なこと

規則正しく適切な睡眠、健康的で安全な食事に加え、適度な運動、健康な脳とポジティブ思考、などが基本中の基本といえるでしょう。さらには、環境汚染による毒素や心的ストレスからくるからだへのダメージを最小限に抑えて、日頃からミニ・デトックスを取り入れるのが理想的です。ちなみに、前号で紹介したターメリックは本当に万能薬で、肝臓デトックスにも働きも助ける優れもの。炎症時にはペースト状にして塗布するという使い方もあるので(ただし肌が黄色く染まりますが)、キッチンに常備していただきたいもののひとつです。

精神的な効果

年齢に関するアンケートをもとに統計をとったレポートを見つけました。それによると、精神的な年齢は、個人の気持ちの持ち方と同時に、社会的なポジションやステレオタイプによる精神的な影響が大きいとしています (1) 。また、からだの不自由が特になければ、気持ちを若く保つ精神的効果が見られ、逆に、身体的機能の衰えなどを理由に年寄り扱いされると(その思い込みから)老け込む原因になるようです。個人差はあるものの30代あたりから老化のサインが現れ始めます。できればその前から、積極的に心身とものメンテナンスに取り組むことが、最良の状態を長く保つ秘訣なのかも…!?(わたしは「時すでに遅し?」ですが、ダメージの挽回を試みるべく、いろいろとチャレンジしております。苦笑)

脳の健康

脳には、からだの機能をコントロールする指令センターの役割があるため、脳の健康は腸の健康とともに、かなり大切な要素だと思います。その脳は、外界で起きていることを翻訳して体内にどう対処するか指令を出すため、自分に合うストレス対処法を見つけて使いこなすことも大いに有効です。(詳しくは015号をご覧ください。)ストレスによるからだの酸化が防げれば、老化防止のアクションになります。仕事では、自律神経や右脳と左脳のバランスを整えるためのアクティビティとして、クライアントにヨガや瞑想を勧めていますが、これらもテロメアの長さを維持するのに有効なようです(2)。

瞑想もテロメアを長く保つのに有効。

瞑想もテロメアを長く保つのに有効。

 究極は、自然回帰?

023号ではファースティングやカロリー制限で代謝を刺激する方法を紹介しましたが、Dr.レオは、ファースティングに止まらず「インターミッテント・ライフスタイル」が、わたしたちの目指すべきところだと強調していました。この説は、Dr.レオが長年研究してきたことに加えて、本人自らが彼の研究チームと一緒に、アフリカで狩猟民族と生活を共有/体験するとともに、その内容を分析したデータが元になっています。まさに究極の「インターミッテント・ライフスタイル」…。わたしたちは、様々な環境の変化に対応できる機能を持ち備えているにもかかわらず、極度の変化にさらされることがなくなってきているため、代謝や免疫力が低下してきているとのこと(3)。特に、テレビやコンピュータの前で数時間ほとんど動かないでいるのは、大きな問題だと指摘。長時間座ったままが健康に悪影響というデータ(4)の各種が数年前に出て話題になり、その頃を境目にスタンディング・デスク(イスなしで立って仕事)を取り入れ始めたオフィスの話も聞くようになりましたが、人間のからだは基本的には動くようにデザインされているので、根本的な問題の改善には程遠いかも!?

近年、すぐには命の危険に繋がらない慢性の炎症を患う人が増えています。加えて、自己免疫疾患が急激に増加していることや、一昨年人類の歴史上初めてヒトの平均寿命が短くなると推測されたことなども、現代人のライススタイルや環境と深い関係があります。これらの詳細をここに紹介すると、とてつもなく長い記事になるので省略しますが、要約すると、心地よい便利な生活がからだを弱くしてしまうということ。逆に変化を取り入れれば、からだの機能を支配する脳は活性化され、老化防止にもつながるようです。寒い日でも、暑い日でも、冷暖房で温度が一定に調整された屋内にこもらずに、外の空気に触れて体温調整機能を刺激したり、代謝を上げるよう運動したりするよう心がけましょう。もちろん、運動にもテロメア刺激の効果あり(6)。前号で紹介した沖縄長寿研究でも、長寿の人たちが、毎日畑や海に出て仕事をしていたことを、長寿の秘訣リストに加えています。エアコンのきいたジムでトレーニングというよりは、緑のある公園など屋外に出て運動する方が効果的といえるでしょう。

一連のことをまとめると、環境の変化や食事の不定期性を取り入れた「インターミッテント・ライフスタイル」が代謝を促し長寿遺伝子を刺激して健康促進ということになります。またDr.レオは、睡眠不足や寝すぎなど、睡眠の不定期性はかえって逆効果なため、ほぼ毎日同じ就寝時間と睡眠時間を維持するよう勧めていました。

生命にまつわるサイエンスは、その未知の部分を解明するために日々研究が進んでいます。まだまだ謎だらけの興味深い分野なので、新たな情報が入れば追ってレポートしますね。
できることを実践して、来年には「去年より若返った感じ!」になりますように…。

 

参照:

  1. Stephan Y, Sutin AR, Terracciano A. (2015). How old Do You Feel? The Role of Age Discrimination and Biological Ageing in Subjectie Age. PLoS ONE. 10(3): e0119293. doi:10.1371/journal.pone.0119293.
  2. Tolahunase M, Sagar R, Dada R. (2017). Impact of Yoga and Meditation on Cellular Aging in Apparently Healthy Individuals: A Prospective, Open-Label Single-Arm Exploratory Study. Oxidative Medicine and Cellular Longevity. vol.2017. doi:10.1155/2017/7928981.
  3. Pruimboom, L. (2017). Intermittent Living: the vaccine against the deleterious, ageing effects of modern life. [IHCAN conference: Ageing] 18 November.
  4. Owen N, Healy G, Matthews C, Dunstan D. (2010). Too Much Sitting: The Population of Sedentary Behavior. Exerc Sport Sci Rev, July;38(3):105-113. doi: 10.1097/JES.0b013e3181e373a2.
  5. Tucker, L.A. (2017). Physical activity and telomere length in U.S. men and women: An NHANES investigation. Prev Med. Jul;100:145-151. doi: 10.1016/j.ypmed.2017.04.027.
Share.

About Author

徳永 ゆり子

大阪府出身、1996年よりロンドン在住。京都で8年、ロンドンで7年間グラフィック・デザイナーとして働いたのち、2004年に転職。ナチュロパス、ニュートリショナル・セラピスト、ホリスティック・プラクティショナー。CThA、BANT正規会員。ハックニー地区にあるコンプリメンタリー・ヘルス・クリニックを拠点に、ロンドン内で活動中。好きなこと:健康的でおいしいものを作って食べること、ナチュラル・ヘルス・フード・ストアでヒット商品を探すこと。好きな色:ピンク紫(夕暮れ時の空の色とか)。好きな言葉:(実現の状態を)見る前に信じること(”You’ll see it when you believe it.” by Wayne Dyer)。

コメントを残す