第39回 『言い訳』をミニマイズ 

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minimalist


Chapter 5.8
『言い訳』をミニマイズ  

ミニマリズムを生活に取り込んでみて、個人的にとても大きかった変化があります。

それは、自分に対して「○○だからできない」という言い訳をしなくなったこと。

もちろん世間話として「いまちょっと立て込んでいて、ごめんね。」「貧乏で無理だわ〜」「えー、ムリムリ」といったフレーズを使う事はありますが、自分に対してはこんな風に思うようになりました。

「いま、優先ランキングが低いのです」

お誘いを断ってしまったのは、その時は仕事や創作、家族との時間が最優先事項だったから。ある事にお金を使わなかったのは、買ったり、参加すること自体に乗り気ではないか、ほかの用途に使いたかったから。
もちろん会いたい、行きたいランキングが高ければ二つ返事で飛んでいったりこちらからデートにお誘いするし、買いたい、使いたいと思ったらあまり迷わずどーんと使う。
休むのが優先なら休む。いまは保留だと思うなら保留。

「○○だからできない」から「優先順位と照らし合わせて決める」という風に自然と変わってきたのです。しかもこれは「やるべき」順位ではなくて「やりたい」方の優先順位のこと。以前であれば「そんなのありえない!」という状況ですが、それで上手くまわるようになっています。

「できるかどうか自信がないなあ」というお誘いやチャンスは、上手くできたシーンやその後の展開のことを考えてドキドキするようならゴーサイン。何も感じなかったり暗い気分になるなら興味がないか、順位はかなり低いと判断しています。この場合、結果は二の次。

自分の置かれた状況や損得ではなくて、何よりも気持ち優先で決めるようになってきたということです。

ミニマリズムを知って、最初は自分とモノの関係を探っていたはずが、こんな風に「自分への言い訳」まで自然とミニマイズされてしまったのはとても不思議。自分には実は必要がなかった、ということだったんですね。

やりたいからやるだけ。そして、できないのではなくやらないだけ。罪悪感&ストレスフリー。

「そんなの言葉のアヤでしょう、できないという現実は一緒でしょ」と思われる方もいるかもしれませんが、いえいえ大違いなのです。

周りに対して「○○だからできない」と言っているのはまだいい。相手に「興味がない」というのは失礼だから「こういう事情がありできません」とお断りしたり、単に謙遜して言う場合もあります。

でも自分への言い訳はとてもダメージが大きい。「やりたいけど○○だからできない」と恨めしく感じたり、自分には不可能と思い込んで行動すら起こさなくなってしまっていることって多いのではないかしら。

〜〜〜次回コラムに続きます〜〜〜

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About Author

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写真家&ライター。東京で広告制作・編集と撮影の仕事を経て2003年渡英。フリーランスで活動中のアーティスト。ロンドンをベースにアーティストや作家をモデルにした絵画的なテイストを持つポートレート制作などを行う。英国をベースとしたエキシビションを開催。日常系ミニマリズム研究家。「あぶそる〜とロンドン」編集長、江國まゆ氏と共に2018年に『ロンドンでしたい100のこと(自由国民社)』(執筆&撮影)、そして2020年には『レス・イズ・モア 夢見るミニマリストでいこう。』を出版。

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