「世の中に存在しているもの全てが、全部つながって相互作用しているんだなぁ」という当たり前のことを、改めて考えさせられる映画を見た。
一つは、今月4日にあった映画上映会である。
『宇宙(そら)の約束』、『僕のうしろに道はできる』という2つのドキュメンタリー映画で(いずれも岩崎靖子監督)、二つとも特別支援学校で障害のある子ども達の先生をしておられた作家の山元加津子さんという女性の活動を紹介したもの。
加津子さんの愛称は「かっこちゃん」。子ども達みんなに真っ正面から魂でぶつかっていくので、先生というよりも友達として心から慕われている。加津子さんには、どんな子どもも、どんなに時間がかかっても、いつかは心をひらく。心をひらいた時、子どもたちは本来持っている素晴らしい才能や本質を、包み隠さず見せてくれるのだそうだ。
『宇宙の約束』は、そんな加津子さんが体験し、発見したことを綴ったドキュメンタリーである。
加津子さん自身、子どもの頃から「世界の成り立ちの不思議」について考える風変わりな子どもだったそうだ。どうしてサクラは春に咲くのか。どうしてコスモスの種はコスモスの花を咲かせるのか。どうしてサナギはチョウになるのか。そこには自然科学の法則が働いているのだが、それを当たり前と捉えずに、自身で「どうして? なぜ?」と子どもの頃からずっと問い続けたことが、「宇宙には約束がある」という気づきに、加津子さんを導く。
その「宇宙の約束」とは、「すべては無駄なく必要なだけ、ちゃんと作られている」ということ。その約束はすべてのものの中にあり、それが花を咲かせ、雪を降らせ、石に苔を生し、人を作っている。つまり皆、同じ約束に貫かれているということ。
「宇宙の約束」とはつまり、宇宙をつくっている完璧な約束なのだ。
ということは、すべてはそのままで完璧ということ。
すべては、あるがままでよいということ。
だから100パーセント自由意志を持った自分のままでいい。
存在すべてが宇宙の約束の下に完璧、なのだから。
そんなメッセージを受け取った。
そして最も重要なメッセージは、私たちがみな、同じ宇宙の中でつながっている、ということだろう。
ひとつだけ、疑問に思ったことがある。この「約束」は、加津子さんによる「般若心経」の解釈として語られるのだが、その中で繰り返し出てくる「すべてのことは、いつかのいい日のためにある」というフレーズである。
動画の中にも出てくるように、「現れているすべてのことがいつかいい日のためにある」というフレーズがある。
「いつかのいい日」っていつなんだろう? 素朴な疑問を感じた。
「こうすれば<いつか>悟れる」という仏教的な涅槃の考えに基づいているのかもしれないが、精神世界の定石と言えば「今こそ最高♪」(笑)。ちょっとばかりひっかかったのだ。未来に幸せを求めている限り、永遠に幸せはやってこない。つまり、「今、自分がいる場所で」幸せを感じ、感謝することが、とっても大切なのだから。
とはいえ。
現れているすべてのことがいつかいい日のためにある
というのは、つまり
現れているすべてのことは、宇宙の根源に戻っていくいい日を迎える
という意味なのかな、と解釈することにしてみた。違ってたらごめんなさい ^^;
こんな素晴らしいことに気づいてしまった加津子さんの活動は、その愛とともに多方面に渡っていく。次回は私にとって号泣と気づきの連続だった『僕の後ろに道はできる』についてご紹介したい。