はっと気づいたら秋が終わって冬になっていた。気温も10度を超えない日々が続き、クリスマスまで加速度的なカウントダウンが始まっている。濡れ落ち葉が歩道に積もり、清掃も追いつかない11月のロンドンだ。
私が秋を夢うつつのうちに暮らしているうちに、オールド・ストリートに変化が起きていた。10月に日本企業によるギャラリー&和雑貨の店、Sway Gallery がオープンしていたのだ。
以前、花屋だった頃は一歩も足を踏み入れたことはなかったのだが、ギャラリーに生まれ変わってみると、はて、相当に楽しげな空間ではないか♪
真ん中のエントランス・ステップをのぼると左手が雑貨ショップ、右手にギャラリーが広がっている。雑貨ショップには日本からやってきた厳選されたお茶や茶筒、筆ペン、手帳や風呂敷などなど、日本文化に興味ある現地の皆さんはもちろん、在英日本人が見ても心踊るような品々がたくさん並んでいる。プレゼントにすると喜ばれそう ^^
一方、ギャラリーでは日本のマルチ・アーティスト、寺井ルイ理氏の展覧会を開催中。11月18日(木)まで、ロンドン育ちでセント・マーチンで学ばれた氏の独特の作品世界を堪能することができる。
寺井氏はファッションの世界で数多くのコラボを実現しておられる方。カラフルな作風がとても愉快だが、東京、パリと巡回してきた今回の展覧会「In Between」はファッション作品とはちょっと違うようだった。確かに彼らしいカラフルなイラスト・ピースや着物のはぎれが使われているようなのだが、それらは薄い和紙で覆われ……まるで日本を代表する「間合い」文化そのものを表現しているようだ。「ちょっとだけよ」(笑)という「ちら見」カルチャーと、障子や襖に代表される仕切りのあいまいさ、ぼぉっと浮かび上がる陰翳……。見えるようで見えない、その境にあるのは、あの世とこの世の狭間、なのかもしれない。
10月のオープン直後には京都の風呂敷メーカー山田繊維のブランド「むす美」とのコラボレーション企画展をしていたらしい。むす美シリーズは日本の伝統的な風呂敷にコンテンポラリーな風合いを添えたさわやか風呂敷で、ショップのほうでも購入可能だ。商品には風呂敷の結び方を英語で解説してくれている冊子が付くので日本人でなくても活用できるのがいい。
ロケーションはオールド・ストリート駅とバービカンの中間あたり。Old Street 沿いなのでとても分かりやすく、とにかく目立つ!! こんな素敵空間でこれから日本カルチャーがどんどん紹介されていくなんて、本当に嬉しいし、心強い。運営されているのは日本とヨーロッパの商品の輸出入を手がけている貿易会社さんで、今回、オフィス移転にともなってギャラリー・スペースを設けたのだとか。こんな元気のいい日本の会社がロンドンで活躍しているなんて素晴らしすぎる。これから定期的に楽しい企画がアップされていくそうなので、お見逃しなく。皆さんも機会あればぜひ立ち寄ってみてください♪
Sway Gallery
70-72 Old Street, London EC1V 9AN
そして!!
なんとこの素敵なSway Galleryさんで、当サイトでも大活躍中の絵本作家・イラストレーターの島田カオルさんが、来年早々に個展を開催されます! 開催期間は2017年1月6日(金)〜20日(金)までの2週間。この展覧会のために多くの作品を創作するというカオルさんのロンドン初個展、どうかお楽しみに!! あぶそる〜とロンドンも協賛させていただきます♪ 詳細はまた追ってご報告します!
2件のコメント
MASAYOさま☆こういう場所って、ロンドンにあるようでないんですよね〜。とくに民間でされている場所は少ないです。そう、ご名答、というか・・・ココ、バス通りに面していて、ダブルデッカーから丸見えの場所です・・・!! ^^ なのでたくさんの方に日々、見ていただけるロケーションでもあるんですよね。次回のロンドンではぜひ訪れてみてくださいね。
ロンドンで日本のものが集約されているって、なんだか不思議ですね。ムックなどは本当に最近、よく目につくようになり、それも手伝って、英国好きが加速したのかもしれません(影響されやすいのですね^^;)
ダブルデッカーバスを見ながら日本のものを眺めるなんて、ワクワクしてきますね。
また1つ、ロンドンを訪れる楽しみと口実が増えました!