世界が日本酒に出あうとき。

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イギリスはすっかり初秋といった風情になってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか ^^

今日はちょっと粋なお話を・・・近年、イギリスでもトレンドとして注目されてきた日本酒が、いよいよ定着しているのかな〜♡という、嬉しい気づきのレポートです。

私自身はお酒は量が飲めないのですが、食事と一緒に少しずついただくのは大好きです。ビールならエール。食事に合わせるならワイン。でも、もしも選択肢に日本酒を加えられるなら・・・絶対に日本酒です!

たぶん、味が好きなんだと思います^^ それに製造工程をさまざまなメディアで見るにつけ、米の精がわっせわっせと仕事をしている酒造の風景が、やはり好きだなぁと思うわけです。(ワインの製造工程を見てもブドウの精はあまり感じないんですけどねw)

そんな私の日本酒好きを知ってか知らずか、日本酒をイギリスに紹介することを生業としておられるお酒のエキスパート、Honamiさんが、現在のロンドンにおける日本酒事情を、さらりとカッコよく教えてくれました。

事始めに・・・と誘ってくださったのが、ピカデリー沿いにある高級レストラン、Hide。しかも集合時間は午前中です。「Hideの朝食は本当に美味しいんですよ〜 ^^」と微笑む彼女と優雅な平日ブランチをいただきながら、Hideにも素晴らしい日本酒セレクションがあることを知らされたのです。

朝からオイスター&キャビア、いっちゃいました。この生牡蠣は、私がこれまで食べた中で、誇張ではなくいちばん美味しかったです。大吟醸と合いそうと思ったけど、意外や純米酒がいいのかも・・・

この日いただいたブランチは人生最強でした。スクランブル・エッグ&トリュフのトーストは「ロンドンでもっともデカダンな朝食」と名付けたい。右上にちらっとHonamiさんが♪  彼女はコルドン・ブルーでお料理を習った方であり、ワイン/日本酒ソムリエでもある食のエキスパートです。

ミシュランの星を持っているようなロンドンのレストランでは、日本酒をドリンク・メニューに加える通な店が増えてきました。Hideもその一つであり、ある意味もっとも日本酒をよく理解する英国料理レストランであるとも言えるのかもしれません。なぜならHideの母体が、その規模とクオリティからロンドン最高峰とも言えるリカー・ショップ、Hedonism Winesだからなのです。

Hedonismのスタッフはトップ・ソムリエの目利き集団であることでも知られます。以前からHedonismの品揃えには圧倒されていた私ですが、まさか・・・

メイフェアの特上地にある店舗は半端なく広いです。

地下には年代物のワインやマグナム、いや、それより大きな巨大ボトルがゴロゴロ。そして見えない場所にお宝用のセラーがあるんですよね〜

日本のウイスキー・ブームを反映して軽井沢のヴィンテージがズラリ。値段に驚愕。

お! やっぱりありました、日本酒の冷蔵庫棚♪ しかもかなり充実しています。

価格帯は幅広く、手が出るお値段のものもいっぱい。

土佐鶴、なつかしーー! 岡山では土佐鶴はかなり一般的なお酒で、よく見かけていました。土佐のお酒はえいね ^^

銘酒どころとして知られる土佐のお酒が目立ちますね〜。そしてリーズナブルな価格帯のものも数多く取り揃えているようです。とっても好印象!

ロンドンの日本酒ブームに引っ掛け、今年5月にはインディペンデント紙でこちらの記事が書かれました。読むと「米を使ったお酒の独特の風味に戸惑う西洋人もいるもかもしれないが」と前置きした上で、こう続けています。

That is almost unrivalled in its food pairing abilities.

つまり、食べ物とのペアリングという面では、ほぼ最強であると。こう言い切ってしまう記者が理由にあげるのは、驚くほど幅広いフレーバー域。確かに、将来的に日本外で日本酒をもっと入手しやすい環境になったとき、あらゆる種類の日本酒を試せるようになったとき、このステートメントはあながち間違ってはいないのかもしれない。そう思うと思わず目尻が下がりましたね ^^  ふふふふふ。

日本酒の勉強にと、またしてもHonamiさんが連れてきてくださった先は・・・今度は日本食レストラン。和建築の大家である隈研吾さんによるインテリアと、稀代のレストラン事業家アラン・ヤウさんの哲学が花ひらく「酒の花」です!

「日本酒と和食の黄金ペアリングを試してみて」と勧めてくださったのが、3種の味をお試しできる「The Keigetsu Flight」。土佐の銘酒造、桂月でつくられている「桂月にごり 純米吟醸」「相川譽 山廃純米酒」「 吟之夢 純米大吟醸」を味わったのですが・・・いずれも個性あふれる味わいで・・・ふ、深い〜!!

桂月のテイスティング・セットを酒の花で♪

ごま酢でいただく揚げ茄子が絶品♡  左上は、テイスティングをしている私たちを見て、お店の方が少しだけお燗にして持ってきてくださったもの。なんというサービスなのでしょうか♡

Honamiさんの指導の下にいただいていて・・・分かったことがあります。山廃の純米酒のようなある意味もっとも純粋にお米を味わえる日本酒は、しっかりした味付けの一般的な和食にいちばん合うということ。衒いがなく、すいすいと食べ物と調和してくれる懐深さを感じます。

そして私が大好きなにごり^^  桂月さんの精米50%の純米大吟醸のにごりは、口の中に芳醇なまろやかさが広がり、まさに私が想像する「にごりはこうあるべき」という味とドンピシャ。そのものを味わうと芯から幸せな心持ちに♡

そして純米大吟醸。こちらは洗練を感じる淡麗なふくよかさ。例えば淡白な白身魚や繊細な出汁を使ったお料理が似合いそう。あ、軽めの野菜天ぷらとかもいけそうですね ^^  ともかく大変な口福なのであります。

Honamiさんによると、ピカデリーのHideでも、もうすぐ新しい日本酒メニューが登場するそうです。桂月の日本酒5種類全てが、グラスで提供されるのだそうです! 飲み比べにぴったり♡  また山口県で江戸時代から続く堀江酒造さんの素晴らしい金雀の純米大吟醸もいただけるそうです。3年連続IWC金賞受賞なのだそうですよ〜♡  ただ、こちらは特別な機会にいただく特別なお酒になりそう ^^;

「桂月は、最初から食事と一緒に美味しく飲めるよう、フードペアリングを念頭に作られています。いい香りはするけれど、それを支えるボディがしっかりしており、お料理の邪魔をしないんですね。ですから洋食のソムリエさんでも抵抗なく、日本酒の良さを感じてもらえると思います」とHonamiさん。

日本酒への興味が膨らみすぎて 笑 Hedonismを訪れたついでに桂月のにごりを購入してしまいました。そして、この味を分かってくれる友人と酌み交わす機会を楽しみにしていたのですが、ついに訪れました!

ジャーン。らぶ♡にごり

それは多国籍なお料理が集まるホーム・パーティーでした。そしてにごりは大活躍。こうして色々な味に合わせてみると、やはり日本酒は万能なんだなとしみじみ感動。もっともっといろんな人に試してもらいたいな〜と思いつつ、美味しいお料理とのペアリングを楽しんだ次第です♪

日本酒は、製造工程そのものが日本文化を表していますよね。ロンドンは今や大変な発酵食品ブームで、先見の明あるレストランではどんどん麹を取り入れています。麹の力に注目が集まっているのです。南ロンドンにあるUK初の酒造、Kanpaiでは、大量に出る酒粕を個人販売していたところ、最近ではレストランが大規模購入しているそうですよ。ロンドンの食もさらに進化しそう!

そういえば外国人として初めて杜氏になったのはイギリス人のフィリップ・ハーパーさんですね ^^  ワインと日本酒に精通した彼のインタビューを読むと、こう言っています。「一般的に料理にはワインと言われているが、日本酒のほうが合わせやすい酒だと思う」。やっぱり!  私もそう思います。そして、世界の食の最前線で、自然との共生を大切にする日本の麹文化が発見されるのを、じっと待っている・・・そんな予感がしませんか?

Honamiさん、色々教えてくださって、本当にありがとうございました。そんな彼女が10月、日本酒の良さを伝えるためにアイルランドの高級ホテル3箇所でイベントを開催されます! ご紹介しちゃいますね ^^ アイルランドにも日本酒の良さが伝わるといいですね。日本酒伝道師のHonamiさん、期待してます!

Keigetsu Sake tasting dinner

ダブリン
日時:10月9日 夕方
会場:The Westbury Dublin, Balfe St, Dublin 2, D02 CH66, Ireland
https://www.doylecollection.com/hotels/the-westbury-hotel

ゴールウェイ
日時
10月10日 夕方
会場
The Twelve Hotel in Galway, Barna Village, Galway H91 Y3KA, Ireland
https://www.thetwelvehotel.ie

コーク
日時:10月11日 夕方
会場:Ballymaloe House, Shanagarry, County Cork P25 Y070, Ireland
http://www.ballymaloe.com

 

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About Author

江國 まゆ

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系広告代理店にて各種媒体の翻訳ローカライズや日本語コピーライティングを担当。日本語翻訳リライトのスペシャリスト。2009年からフリーランス。趣味の食べ歩きブログが人気となり『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)を出版。2014年に「あぶそる〜とロンドン / Absolute London」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。あぶそる〜とロンドンが選ぶ『ロンドンでしたい100のこと』(自由国民社)を2018年に上梓。

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