長き冬よ。大地に還り、己につながれ

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今年の夏至、地球の環境問題をスピリチュアルな視点から考えるイベント「Seasons of the Sacred」に参加しました。このイベントは2019年を通して、人間活動の中にある春夏秋冬の美しさ・力強さ・恵みを祝福するというコンセプトで、アムリタさんという女性が企画したものです。(示唆に富んでいた夏のイベントの様子はこちらで。)そして先日、その締めのイベントである、「Seasons of the Sacred: Winter」に参加し、またしても魂が高揚するような素晴らしい体験をさせていただきました^^

Amrita Bhohiさんは、世界平和をあらゆる側面から考えることを趣旨とした団体St Ethelburga’s Centre/セント・エセルバーガズ・センターを拠点に活動されていて、今回のイベントが、同団体に所属した形では最後のものとなるようです。私は幸いにも4つのイベントのうち2つに参加させていただき、彼女が発する透き通るような美しいパッションに、ただただ感じ入ったのです。

地球と人が、以前のように深いつながりを取り戻すためには、どうすればいいのか。広義の環境問題に思いを馳せ、共にできることを考え、大地の恵みを祝福し、善き思いを人々とシェアしていく。そんなイベントの主旨は宗教という枠組みを超え、詩の朗読や活動家たちのトーク、大地の恵みを感じられる心のこもった食事、あるいは隣に座った人々との思いのシェアなどを通して、私たち一人ひとりの中に、じっくりと染み渡っていきました。

Seasons of the Sacred: Winter」(季節の神秘:冬)の会場に選ばれたのは、東ロンドンにあるコミュニティ重視のカフェ兼スタジオ、Benk + Bo。北欧風のシンプルなインテリアが心地よい地下会場は、今回の主旨にぴったりのチョイスでした^^

右は受付で渡された洋梨と生姜のウェルカム・ドリンク。アニスの香りが身体を温めます♪

夏に比べて参加者が倍に増えていました!

イベントは心づくしの3コース・ベジタリアン・ディナーとともに進行。食事の前には、水という生命に欠かせない神聖なエレメントを、ゆっくりと体内に取り込むという象徴的な儀式が行われました。隣の人同士で互いにカップに水を注ぎ、液体としてだけでなく、氷や水蒸気など、さまざまな形で私たちの生活に貢献している魔法のごとき水という自然に・・・感謝の気持ちをたくさん送ります ^^

第一のコースは、地中でじっくりと育まれる根菜を使ったガレット! ジャガイモとパースニップのほっこりとしたほの甘さに深みを添えるのは、山羊のチーズとトリュフ・オイル、そしてタイムの香り。心も身体も温まるコンフィな前菜をいただいた後に、ゲスト・スピーカーによるトークがありました。

根菜は地中からの贈り物♡ 本当に美味しいガレットでした。

 

 

参加者とお話をシェアしてくださったのは、著者でありBBCのテレビ番組でもプレゼンターとして活躍している現代の司祭、ピーター・オーウェン- ジョーンズさん。川を人の潜在意識に見立て、どんなに濁った川でもその奥底には清流があり、本当の自分自身という宝物がキラリと光っているのだよ、とおっしゃっていました。

私が興味深いと思ったのは、今夏のイベントで、ネイティブ・インディアンであるラコタ族の活動家、ティオカシンさんが話されていたお話と、ドンピシャな共通点があったことです。

とっても個性的であったかハートのPeter Owen-Jonesさん♪

ティオカシンさんによると、ラコタ族の言語には名詞がない、つまり所有の概念がないのだそうです。宗教、支配、排除などに相当する言葉もないそうです。所有の考えがないところに、諍いは生まれません。それと同じことを、ピーターさんもおっしゃっていました。争い、戦争・・・すべて所有という考えから生まれていませんか・・・?と。

さて、待ちに待ったメイン・コース♪ 「野菜のごちそう」と呼びたい素晴らしい料理の数々が並びました!

北欧料理にインスパイアされた冬のご馳走♪ サワードゥのフラットブレッドに添えられているのは、栗のパテ♡

カリフラワーとキャベツのロースト。どっしりとしたメイン。歯ごたえもお味も、とても良いのです。

右はケールとキャロットのシトラス・ドレッシング。左上は北欧らしい一品、スパイスを効かせたリンゴンベリーの甘煮♡ 彩りが本当にきれい。

こちらは大好評だったレンティル豆とマッシュルームのサラダ。ソラマメの発酵食品でマリネしてあるので、味噌のような奥行きのある味わいでした♡日本のお味噌でも同じような味が出せるのかも。

正面で話しているのが、本日のシェフ。文句なく素晴らしい料理に、心から拍手!

右上に見えているマッシュポテトのようなもの、何かわかりますか? ポテトに加えてキクイモやセロリアックもミックスしてあるので、風味にレイヤーがあり、舌触りもクリーミー。どうやったらこんなに美味しくできるのか? あっという間になくなりました ^^

そして、この夜の締めくくりに、またまた素晴らしいゲストが登場。アメリカ・アトランタを拠点に活動している団体「Lead to Life」の代表のお二方がいらしていました。

Lead to Lifeは、「銃をショベルに」をスローガンに、アメリカの銃社会で犠牲になった人々のために銃をショベルに持ち替えて、土を掘り、木を植える活動をしています。「持ち替えて」と書きましたが、正確には銃を文字通り高温で溶かしてショベルに変えてしまうんです!銃の撲滅運動という以上の、平和への希求が、そこにはあります。

火が、銃をショベルに変えていく様子は、まさに火が持つ神聖なる力を見ているようです。水が優しく地球を包み込んでいるように、その聖なる力で人を癒してくれているのです。水と火は一見するところ相反するエレメントに見えますが、それらは自然が持つたくさんの側面の一つを表しているにすぎないという意味で、本質的には同じものだと言えないでしょうか。それらは全一性を構成する、一つのエレメント。人もその一つですよね。

私たちはキャンドルを掲げ、歌を歌って皆がつながり、一つになりました。そして、助けを必要としている人たちへ、祈りを捧げます。Lead to Lifeのお二人は言います。銃がショベルになり、ショベルで木を生み出すという変容こそ、現代に必要な錬金術なのだと。Lead to Lifeの活動を紹介しているビデオはこちらで。

デザートはブルーベリーとジュニパーベリーのジャムを練りこんだアーモンド・タルト! 粉雪が降りかかっています ^^

右はラクトースへの不耐性がある方へのスペシャル・デザート! こちらも美味しそう♪

お茶はスモーキーなラプサン・スーチョン。スウェーデンから来た松の葉を浮かべる演出がニクい♪

じつは私、このイベントで初めて「スピリチュアル・エコロジー」という言葉を知りました。ちょっと前から登場している概念みたいですが・・・自然保全運動などを考える際、スピリチュアルな視点を織り交ぜていくということなのでしょうか。環境問題の根幹に、人の精神性が関わっているという見方は賛成。その逆もあり、かな? もう少し掘り下げてみてみたいと思いました ^^

さて、前菜をいただく際に、もう一つやったことがあります。それは「冬」について思いをめぐらし、冬のイメージや思い出などを、隣の人とシェアすることでした。私の隣に座った南ドイツ出身のシニア女性は、こう言っていました。

「夏は明るく、みな開放的になる。でも冬は、自分の内側に入って、自分自身と対話する季節なのよ。」

もうすぐ冬至ですね。一年でいちばん、日が短く暗い一日。あなたは、どんなふうに過ごしますか?

 

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About Author

江國 まゆ

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系広告代理店にて各種媒体の翻訳ローカライズや日本語コピーライティングを担当。日本語翻訳リライトのスペシャリスト。2009年からフリーランス。趣味の食べ歩きブログが人気となり『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)を出版。2014年に「あぶそる〜とロンドン / Absolute London」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。あぶそる〜とロンドンが選ぶ『ロンドンでしたい100のこと』(自由国民社)を2018年に上梓。

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