旧約聖書で「神と相撲をとって勝った者」として知られるヤコブの名を戴く小さなカフェは、コベント・ガーデン、ニールズ・ヤードの一画にあります。「Jacob the Angel」という店名は、直感でイスラエルの名の元となったこのヤコブさんから名付けられたのだと思ったのですが、実はイングランドで初めてのコーヒーハウス「エンジェル・イン」を経営していたユダヤ男性、ヤコブさんのストーリーからインスピレーションを得ているんですって!
イングランド初のコーヒーハウスは1651年の創業。調べてみるとオックスフォードにあるこちらのお店で、形は変わっても同じ敷地でカフェ営業中=現存しているようです。イングランドではユダヤ人男性が初めてコーヒーハウスを開いたとは、面白い! ちなみにロンドン初のコーヒーハウスは、その翌年にシティ・エリアに誕生しています。
さて、そのヤコブさんにあやかったこちらのロンドンの店は、お隣で大繁盛しているThe Barbaryや、チャイナ・タウンにあるThe Palomarといった当代きっての人気レストランの姉妹店として、大きな注目を浴びつつ昨年夏オープンしました。
このレストラン・グループの飲食店があまりに好きすぎてw オープンしたての頃にさっそく訪れたことがあるのですが、当時はまだデコレーションも椅子もテーブルも仮仕様といった趣で今とは全く違っていました。が、久しぶりに来てみるとすっかり内装が変わり、断然好みの雰囲気に♪ とても小さな店ですが、木のベンチと真鍮風のテーブルで居心地よくまとめられ、今のロンドンらしいアルチザンなこだわりが伝わってきて期待が高まります。
注文しようとカウンターへ行くと美味しそうなサンドイッチたちに目が釘付け♡ ポートベロー・マッシュルームとピーナッツバター・サテーとキムチとか、レッド・ペッパーとフェタ・チーズとパンプキン・シード・ペストとか、目新しいものもあって興味をそそります。パンも美味しそう♪ ランチ後の時間帯だったのでサラダ類はすでにほぼなくなっていましたが、ここのシェフは中東風フュージョン料理を得意としているので、きっと面白い食材の組み合わせを楽しめるに違いありません。
お茶受けに選んでみたのはデーツとカシューナッツのケーキ。これは見たまんまで(笑)グルテン・フリーのオプションとしてあったみたいです。もそもそした口当たりだったので、ぜひ今度はシグニチャーであるココナッツ・クリーム・パイをいただいてみよう。一口サイズの甘味としては、タヒーニ入りマーマレードが1ポンドであります♪
暑く晴れ渡っていた今年のロンドンの夏。眩しい午後のひとときを素敵にリフレッシュしてくれたカフェです。