Back on Track Coffee バック・オン・トラック・コーヒー
ハンサムなエドワーディアン調の建物に、美しいアーチを描くシックな黒い窓枠、そこから垂れ下がる機関車のロゴが入った楽しげな看板・・・マリルボーン内Wimpole Street沿いに、通りから見ていると無性に入りたくなる魅惑的なカフェがあります。
カフェ正面の上には「Barretts of Wimpole Street」の文字が。これは詩人のロバート・ブラウニングとエリザベス・バレット夫妻のロマンスを描いた演劇『The Barretts of Wimpole Street』(ウィンポール通りのバレット家)にちなんだ名称で、かつてエリザベス・バレットが家族とともに1838年から1846年までWimpole Street 50番地に住んでいたことに由来しているのだとか。演劇が発表された1930年以降、この通りは一躍有名になったのだそうです。
でも、1930年以前からWimpole Streetは文学作品に登場していました。1814年に発表されたジェーン・オースチンの『マンスフィールド・パーク』の登場人物が住んでいたり、1912年に発表されたバーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』のヒギンズ博士が住んだ通りにも設定されているのです。その後はモンティ・パイソンのスケッチに登場したり、さらにはポール・マッカートニーが当時のガールフレンドの家族と一緒に57番地に住んでいたことがあったりと、Wimpole Streetにまつわる逸話は、探せば探すほど出てきそうです ^^
そういった背景があるからか・・・当カフェのFacebookページを見ると、なぜかベネディクト・カンバーバッチさんが今年秋に訪れています^^ 演劇的な興味があったのかもしれませんね(カフェの近くに文芸エージェンシーがあり、当カフェがスタッフの溜まり場との情報も^^)。ただ個人的には店内インテリアは外観ほど魅力的ではないと感じたのが残念。外から見るほど落ち着ける雰囲気ではないと言う方が的を得ているでしょうか。天井の高い部分に電車の模型を飾るなど鉄道をテーマにしたコンセプトで統一しているようですが、私は模型には気づきませんでした・・・!
とはいえ・・・コーヒーも通常レベルで美味しく、なぜかBack on Track Sushiの名前で寿司メニューを出していることも人気の秘密のようで・・・(!)2014年春のオープン以来、常連さんの心をがっつりと捉えているようです。