ヌノ・メンデス、ポルトガルの原点に帰る

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Taberna do Mercado   タベルナ・ド・メルカード (閉店)

ポルトガル人シェフのヌノ・メンデスさんと言えば、かつてベスナル・グリーンのタウン・ホールにあった一つ星レストランViajanteで一世を風靡した料理界の寵児。ショーディッチの自宅を開放した料理パフォーマンス付き前衛サパー・クラブ「ロフト・プロジェクト」もクローズしてしまった今は、 次なるプロジェクトとしてマリルボーン地区にできたホテル&レストランChiltern Firehouseの厨房で創造性を発揮し、話題をさらっています。

かつてのThe Ivyを彷彿させるセレブ率の高さが注目されるChiltern Firehouseですが、もっと庶民に楽しんでもらえる店をと2015年6月にオープンしたのが、彼の原点であるポルトガル料理を中心としたタベルナ(居酒屋)「Taberna de Mercado」です♪

スピタルフィールズ・マーケットの中にある気軽なタベルナ☆

スピタルフィールズ・マーケットの中にある気軽なタベルナ☆

オールド・スピタルフィールズ・マーケットの中というカジュアルなロケーションは、まるでホリデー先で食事を楽しんでいるような気にさせてくれるから不思議☆ 厳選されたワインリストからポルトガル・ワインを頼んで、さぁ、ヌノさんが提案する21世紀のポルトガル料理をいただきましょう♪

とてもカジュアルで開放的な雰囲気が好印象だ

とてもカジュアルで開放的な雰囲気が好印象だ

シンプルなメニューはおつまみ的なものからポルトガルの生ハム、チーズ、魚介類の自家製缶詰、スモール・プレート、サンドイッチへと続き、まさに日本の居酒屋的な小皿のみの構成。どのお皿も一定のレベルをクリアしていると思いますが、今回注文した中で私のお気に入りは、上手にマリネ液に浸かっていたニンジンのピクルス、パプリカのペースト「マッサ・デ・ピメント」ドレッシングで和えたチコリのサラダ、モンクフィッシュの自家製缶詰など。

左上からモンクフィッシュの自家製缶詰風、ニンジンのピクルス、チコリのサラダ、パン

左上から反時計回りにモンクフィッシュの自家製缶詰風、ニンジンのピクルス、チコリのサラダ、パン

とくにマッサ・デ・ピメントのドレッシングは本当に美味しくて、もっとたくさん食べたい!と思わせる中毒性あり☆ 反対に私の口にさほ〜ど合わなかったのは、グリンピースを卵黄のドレッシングで和えたもの、人気の品と言われるビサロ・ポークのタルタル、イカと豚足の煮込み。

美しいお料理だったんですが、ちょい脂っこすぎた。でも、肉の脂が好きな方は楽しめると思います☆

美しいお料理だったんですが、ちょい脂っこすぎた。でも、肉の脂が好きな方は楽しめると思います☆

グリンピースはほとんど生で、甘味を感じられるほど新鮮だったかと言われるとそうでもなかったような・・・それから、他の2品は単純に好みの問題で、もともと肉の脂身が苦手な私には楽しめないメニューだったのでした・・スミマセン。以前、ロンドンのタパス料理屋さんで生の豚肉を食したことがあるのですが、とっても上手にあっさり調理されていて美味しかったのです。しかし今回のものはタルタルと表現されながらある程度火を通した豚肉で脂身が多く、しかもソースがチョリソーから出汁をとったもの。しつこすぎました・・・汗

イカと豚足の煮込み。食仲間は美味しいと言ってたので、やはり好みの問題だと思います

イカと豚足の煮込み。食仲間は美味しいと言ってたので、やはり好みの問題だと思います

Pig Trotterが豚足だとあまり理解しないまま注文したイカと豚足の煮込みは、やはりスープが脂っぽすぎましたけど、イカは柔らかく煮込まれてました。ただ、反対にお肉の脂身を楽しめる方にはすごーーく美味しいメニューなんじゃないかと思われます。メニューはポルトガル語率が高く、食材はある程度は理解できても詳細が分からないものが多いので、気になる方はお店の人に聞いてみましょう ^^;

ヌノさんの工夫が感じられるポルトガルのデザート

ヌノさんの工夫が感じられるポルトガルのデザート

デザートは4種ある中から2種をシェア。卵黄プリンにポルト・ワインのキャラメル・ソースがかかった「Abade de Priscos」は他では食べられないお味♪ ビスケット・ケーキにバター・クリームとコーヒー・シロップを添えた「Bolacha Maria cake」は、ものすごくあっさりしているのですが個人的には好きでした☆

お店を出る時に気づいたのですが、紙に包まれたまま出されるポルトガルのアゼイタオン産チーズがとっても美味しそうでした。近いうちに必ず戻ってきて、今回とは違う料理をさらに試してみたいと思った次第です ^^ ちなみにランチの予約は取るのですが、ディナーはウォークインのみ。まだオープンしたてで今なら6時前に到着すれば行列なしで入れそうですよ。

 

107b Commercial Street, London E1 6BG

店名Taberna do Mercado
最寄り駅Liverpool Street
住所107b Commercial Street, London E1 6BG
電話番号020 7375 0649
営業時間月〜金 10:30 - 21:30(15:00 - 18:00はバー・メニューのみ) 土 12:00 – 21:30 (15:00 - 18:00はバー・メニューのみ)日 12:00 – 19:30(17:00からはバー・メニューのみ)
URLhttp://www.tabernamercado.co.uk
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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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