地産地消の元祖、サウスの珠玉モダン・ブリティッシュ

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Lamberts   ランバーツ(閉業)

ノーザン線を南へ下った住宅地、Balhamで20年に渡って愛され続けている名レストラン。その名声は国内のグルメたちだけでなく、イギリス経験のある日本在住グルメの皆様へも轟いているそうなのですが、恥ずかしながら「ココいいよ!」という方が現れて教えてくれるまで、全くその存在を知りませんでした(汗)。あまりに長くエスタブリッテュされているので英国内でもさほどメディアに名前が上がってくることもなく、ひっそりと上質の英国料理を作り続けている地元のスター、といった感じでしょうか。

場所はちょっと中心部から離れているけれど、たかだかゾーン3(北のゾーン3はたまに紹介しますけれども ^^; )。ともかく行く価値あり! の美味しいレストランでした♪

バラム駅すぐ近く。

バラム駅すぐ近く。

Betond the Paleと名付けられたペール・エール。旨い@!

Beyond the Paleと名付けられたペール・エール。旨い!

「ここはクラフト・ビールもいいのを置いてるんだよね〜」と、この日の案内人。ビール・リストの中から選んで味見させてくれた「London Beer Factory」のビヨンド・ザ・ペールは、フルーティでコクのある上質ベルギー・ビールのような香り♪ しかしもちろん英国産。ここはオーナーのジョー・ランバートさんのポリシーで20年前のオープン当初から頑固一徹に英国産の材料にこだわっているので、“元祖” 地産地消レストランと言っても過言ではないのかも。

契約農家で直接レストラン用の野菜を栽培してもらっているほか、びっくりするのは、極上の国産コールド・プレスの菜種油をサセックスから取り寄せてオリーブ油の代わりに使っていること。いまどきオリーブ油を使わないで調理するのって、すごいと思います。国内サプライヤーさんのリストも公開しているので、興味ある方はそちらをどうぞ♪

料理はシーズナル。これはポテト・ロスティーに半熟目玉焼きとチンゲンサイを添えた一品。クリームソースだけどしつこくないの。

料理はシーズナルで毎月変わります。天候によっても変わるみたい。これはポテト・ロスティーに半熟目玉焼きとチャードを添えた一品。クリームソースだけどしつこくないの。

ワインはもちろん英国産を取り揃えているほか、ヨーロッパ各地から選りすぐりをセレクト。カラフェをたくさん置いているので、適量を料理とマッチングさせながら楽しめてGOODです。

この日いただいた数々の料理に対して・・いちばんしっくり来る表現・感想は、「センスいい!」でしょうか ^^   センスというのは、味、プレゼンテーションの両方に対してです。味がよくても垢抜けない盛りつけに軽い失望を感じたり、反対に見た目ばかりよくて味が今ひとつだったり・・・玉石混淆なレストラン業界にあって、ランバーツは両者ともに見逃せないセンスの良さが光っているのに加えて、過不足のない温かいホスピタリティも感じさせるパーフェクトな場所だと感じます。

野菜料理をここまで美味しく作れたら最高! と思えたバターナッツスクワッシュとセロリアック、ケールのグリル、ハーブソース。右はタマネギのグラタンだったかな。野菜料理万歳!

野菜料理をここまで美味しく作れたら最高! と思えた完璧だったバターナッツスクワッシュとセロリアック、ケールのグリル、ハーブソース。右は野菜のグラタン・・・何のグラタンだったか忘れた!  訪れたのはちょっと前なんですよね・・・ともかく野菜料理万歳!な感じですよ ^^

タラとムール貝。この日のハイライトにしたかったのだけど、タラが少し塩辛かった。もう少し塩抜きしてもよかったのかも。でも魚介のブロスは美味しく、料理アイデアとして秀逸でした。

タラとムール貝。真ん中の白いのがふっくら上手にポーチされたタラ。この日のハイライトと書きたかったけど、タラの塩加減が惜しかった。もう少し塩抜きしてあれば完璧。魚介のブロスは美味しく、ハーモニーのある一皿でした。

左はポーク&ファゴット。こちらもコクのある美味しさを楽しみつつも、なぜかさっぱりとした印象の一品。右は前菜の中からオニオンタルト! 素直に美味しい☆

左はポーク&ファゴット。こちらもコクのある美味しさを楽しみつつも、なぜかさっぱりとした印象の一品。ソースが美味しい☆ 右は前菜の中からオニオンとチェダーのタルト! 素直に美味しいです ^^

料理の特徴は、過剰なオイルの旨味に頼っていないことだと思いました。料理のクオリティを表現するのに、イギリスでは「Clean」という言葉を使うことがありますが、それに近い。ただ、やみくもにすっきりしているわけでなく、プロの厨房だからこそ生み出せる複雑な味わい深さ、豊穣さすら感じられます。それを可能にしているのは、元気な素材が持つ力、そこから豊かな旨味を引き出す調理技術と、現代的なセンスを融合させたバランスの良さなのでしょう。

カスタード・タルトのポーチド・ルバーブ添え。ぜんぜん印象に残らなかったデザートw

カスタード・タルトのポーチド・ルバーブ添え。ぜんぜん印象に残らなかったデザートw 無口に口に運びました ^^;

残念ながらこの日選んだデザートはさほど印象的ではありませんでした・・・でも、別の日に別のデザートを試せばもっと違う印象を抱くのかも。とはいえシェフの力量は素晴らしいです。上質の素材を使った極上の英国料理を楽しめますが、スマートカジュアルまでも求められない、ローカルのレストランです。

「モダン・ブリティッシュって何?」と誰かに問われたら、このお店に連れていってあげるのも一案です。お値段もとてもリーズナブルですから。バラムに来られることがあれば、ぜひぜひ試してみてください!

あぶそる〜とロンドンのレストラン・カフェ・パブ検索機能では、
ジャンル、エリアの両方から検索することができますので、
しっかり活用してくださいね〜!

http://absolute-london.co.uk/fooddrink

2 Station Parade, Balham High Road, London SW12 9AZ

店名Lamberts
最寄り駅Balham
住所2 Station Parade, Balham High Road, London SW12 9AZ
電話番号020 8675 2233
営業時間火〜土 12:30 – 14:30 / 18:00 - 22:00 日 12:00 – 17:00
URLhttp://www.lambertsrestaurant.com
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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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