古きよきトラットリアの誠実に心打たれる

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Caraffini  カラフィーニ

ロンドンの外食産業はまだまだ華やかながら、最近は生き残りが大変でどこも凌ぎを削っていますね。料理は美味しいのが当たり前、クールで賑やかであっという間の2時間が過ぎ、次のスロットに席を譲らなければならない人気店もたくさんあります。それはそれで楽しいし、トレンディなヴァイブに身を浸し自分がその一部になれたようで浮き足立ってしまったり・・・^^   外食がイギリスでもエンターテインメントとして定着してきている証拠でもあります。

一方で、昔のように外食がちょっと特別なもので、高級レストランでなくても少しだけお洒落をして出かけ、フレンドリーでいて洗練された給仕を受けながらゆったりとした時間を過ごす、そんな心豊かな外食時間も、まだまだロンドン中心部に残っています。

テーブルには突き出しのオリーブ。そして袋入りのグリッシーニ! トラットリアはこうでなくちゃ ^^

月曜の夜だったと記憶してますが、あっという間に満席近くになっていました。客層はローカルの年配の方が多い印象。若干アッパーミドルな感じでしょうか。

チェルシーにある老舗イタリアン「カラフィーニ」が素敵なのは、第一にサービス。入店から席を立つまで、全体の食事体験を通して温かい気配りを感じられる最高のプロフェッショナル・サービスを受けることができます。「最高の」と言うのは、威圧するような高級サービスではなく、あくまでもお客さんの立場にたった「かゆいところに手が届く」さりげないサービスのこと。

カラフィーニは1994年、パオロ・クラッフィーニさんとフランク・ディ・リエンゾさんによって創業されました。それまでにすでに何十年にも及ぶ外食産業での経験を積んできたお二人が、満を持してオープンした当店は、現在も創業以来のスタッフによって変わらない料理とイタリア式のアットホームなサービスを提供しています ^^

左がウズラ卵を落としたほうれん草グラタン。サーディンも新鮮でウハウハしながらいただきました。

お料理も大変美味しいです。前菜でいただいたクリーム仕立てのほうれん草にウズラの卵を落としてグリルした一品は初めていただく料理。パンでソースをぬぐいながらほっこりとした優しい味を楽しみました。とってもフレッシュで美味しかったイワシのグリルは、二人でシェアすると言うと1皿4尾を、2尾ずつ別々のお皿に盛り付けてくださるというサービスを受け感動。ほんの20年ほど前ならSOHOにもたくさんあった伝統のイタリア料理レストランでは、やはりこんなサービスを受けられたと記憶していますが、今ではサービスのスタイル自体が変わってしまったのですよね。

魚介のスパゲッティ、うま〜♡ 塩は若干キツめ。丁寧に作られたサラダに感動♪

メインには魚介のスパゲッティ、そしてアボカドとアーティチョークのサラダをシェアすることにしました。するとまたもやスパゲッティが別々のお皿でサーブ! しかも一人分がかなりのボリューム。こういった気遣いにいちいち感動しながら^^  本当に美味しくいただきました。サラダには他にもラディッキオ、ビーツやパルメザンが入り、こちらもたっぷりの量。どの食材もとびきり新鮮でドレッシングも美味しく、オススメの一品♡

私たちは遅めの時間に来たので、帰る頃にはすっかりお客さんも引いていました。

お料理が運ばれてくるタイミングも絶妙でした。マネージャーさんがそれとなく全てのテーブルに気を配っているんです。この日はお腹具合からデザートはパスしたのですが、伝統のティラミスや名物チョコレート・スフレなどを次回は試してみたい♪

中間価格のレストランで「癒される」という経験はなかなか昨今では難しくなってきましたが、カラフィーニはなぜかたっぷり癒されてお店を出た感覚があります ^^   お値段もリーズナブルで、古きよき体験ができるところがおすすめ。昨今のトレンディなレストランに疲れている方は、ぜひ訪れてみてくださいね。

61-63 Lower Sloane Street, London SW1W 8DH

店名Caraffini
最寄り駅Sloane Square
住所61-63 Lower Sloane Street, London SW1W 8DH
電話番号020 7259 0235
営業時間月〜土 12:15 – 15:00 / 18:30 – 23:00
URLhttps://www.caraffini.co.uk
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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