Ognisko Restaurant オグニスコ・レストラン
ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム、自然史博物館に科学博物館といったイギリスが誇る良質ミュージアムの数々がそろい踏みしているサウス・ケンジントン。そのミュージアム・クオーターはExhibition Road沿いの堂々たる建物に入ったポーランド料理レストランがこちら♪
レストランの母体は在英ポーランド人たちの心の拠りどころであるポーリッシュ・クラブ「オグニスコ・ポルスキー」(ポーランドの火)。第二次大戦が勃発した1939年に創設され、イギリスへと亡命してきたポーランド人コミュニティの中心として活用されてきた長い歴史を建物の随所に飾られた絵画などから感じることができます。
というわけで伝統的にポーランド料理レストランが入ってはいるのですけど、あまり耳にしたことはありませんでした。が、Balticという東欧レストランをサザークで成功させているポーランド人レストラター、ヤン・ウォロニエキさんが数年前にテコ入れし、華麗に生まれ変わりました☆
テーブルにつくとさっそく供される黒パンや穀類入りのパン類がすでに美味しい! 黒パンにありがちなもっさりボロボロとした口当たりではなく、現代風の軽やかさを感じさせる滋味あふれるパンは、バター&ピクルスと一緒に口に運ぶとさらに美味しさアップ↑
東欧の家庭料理であるダンプリングも当レストランでは立派に洗練された一品に。茹でるだけでなく、しっかり焼いてコクを加えた栗ときのこの「Kopytka」(コピトカ)は、まさにポーランド版ニョッキ♪ もちろん餃子型のダンプリング「ピエロギ」もあるので次回はぜひ試してみたいと思います ^^
アラカルトで頼んでもそれほど高くはないのですが、この日は超お得なランチ・セットにトライ(2コース16.50ポンド、3コース 19.50ポンド)。前菜のビートルートとチーズのサラダ、クレイフィッシュのサラダともにボリューム、味、ともに大満足。メインのサーモンとマッシュルーム、蕎麦の実が入ったパイ包み焼きは、濃厚なバター・ソースでいただく寒い国ならではのごちそう。味よく甘辛に仕上げたお肉のシチュウもマッシュポテト付きで男性でもお腹いっぱいになる分量です。
芥子の実とハニーのケーキ、その他のデザートにもスパイスを利かせたフルーツの甘煮がガーニッシュされてポーランドらしい趣。締めのコーヒーまで安心して楽しめる良質店でした。
思うにこのレストランの良さは、心温まるような家庭料理の醍醐味と、プロの舌とテクニックをバランスよくメニューに取り入れていること。野暮ったすぎず、とんがりすぎず、この匙加減が心地よいのかも。
とはいえ、レストランのインテリアは一流店のそれ。ロイヤル・アルバート・ホールで特別なコンサートを鑑賞する前後に来ても、充分気分に沿うこと請け合いですよ。