最近、友人に紹介されて初めて訪れたAmoul’s。 閑静な高級住宅街リトル・ベニスの小さなヴィレッジ Formosa Street に2003年にオープンして以来、近隣住民だけでなく在英レバノン人の皆さんの心の拠り所となっているレバノン家庭料理の知る人ぞ知る名店です。
オーナーシェフのアムールさんは、70年代に勃発したレバノン内戦の泥沼化にともなってイギリス人の旦那様とともにロンドンへ。「ロンドンには子どもたちに食べさせたいものがないワ」と、自身でレバノン南部の実家に伝わる料理を再現。友人やご近所にお裾分けするうちにその美味しさが評判となり、ついに始めてしまったお店がこちら ^^
最初は昼間だけの営業だったのですが、料理が本格化するにつれ夜営業のレストランへと移行☆ 週末だけレバノン風のブレックファーストやランチをサーブしてご近所さんに大好評ですが、平日夜は照明もしっかり落としてアモールさんのセンスがばっちり反映されたクールなスペースに大変身。昼と夜では全く違う表情を見せるAmoul’s、メニューも異なるのでレバノンの極上おふくろの味を堪能したい方は、ぜひ平日夜の部へ♪
この店をよく知る友人のおすすめは全部! とのことでしたが ^^ 私の味覚に合わせて選んでくださったのが炭火焼きしたナスで作る「ババ・ガナシュ」、ソテーしたワイルド・チコリとキャラメライズしたタマネギを合わせた「ヒンドベ」、全て自家製の中東ペイストリー・スナック類。炭火のスモーキーな香りが残るナスを使ったババ・ガナシュはガーリックはほんの少し、後は風味のよいタヒーニとレモンでクリーミーな舌触りに仕上げた絶品です。ワイルド・チコリのソテーもタマネギの甘みとレモンのさっぱり感でパーフェクトな仕上がりに☆
そして! 当店のシグニチャーの一つ、モロヘイヤ・スープで食べる蒸し鶏のご飯のせ「Moloukhia」は、「食べなきゃ絶対に損」的なグレート・メニュー♪ ご飯の上にたっぷりとのせられたホロホロの柔らかチキンに、熱々のモロヘイヤのスープをかけ、レモンをたっぷり絞っていただく中東の伝統料理ですが、レシピにはもちろんアモールさん独自の工夫が。しかもテクスチャーを加えるためにカリカリに揚げたフラットブレッドを砕いて散らしたものが当店の最終形態なのです。さらなる酸味をお求めの方には、サイドにビネガー・ソースが2種付いてくるので、そちらで味を調整あれ♪ (こちらの料理は電話で事前注文されることをおすすめします☆)
また独特の中東スパイスで調味されたロースト・チキンも満足度の高い一品。ダイス・ポテトとタボウルでセットになった一皿はシェアしても十分に楽しめます。
もう一ついただいたメイン料理は、最近、スーパーフードとしても注目されている古代穀物「Freeka」を使った一品。ふっくら戻った乾燥イチジクと一緒に調理し、ブルガリアのフェタ・チーズとキャラメライズ・オニオンでアクセントを付けた料理はアムールさんの創作アイデアが如何なく発揮された、女性が好きそうなお味。チーズ+甘いチャツネといった組み合わせが好みの方は、ぜひ試してみてください。
なんとデザートもほぼ全て自家製〜。この日は中東らしいデーツ餡が入った伝統のビスケットをいただいてみました♪ 温かくしてサーブされるビスケットは、甘さも控えめでちょうどよく、日本の駄菓子を思わせる優しい味でしたよ ^^
エッジウェア・ロード辺りの大型レストランでサーブされるレバノン料理とは、ひと味もふた味も違うAmoul’sの料理は、一言で言えば食べる人の顔を思い浮かべながら心を込めて作られるスペシャルな手料理。といっても安定した味を維持するプロフェッショナルな姿勢はしっかりと貫かれています。しかも、当店の料理は全部、アモールさんが作っているのです〜。そんなアムールさんの究極のレシピに興味ある方、店内にレシピ本が置かれているので、ぜひぜひお手にとってみてください♪
【再訪の記録☆】