第113話 Sugar mice / Coconut ice ~シュガーマイス/ココナッツアイス~

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okashi

<Sugar mice/Coconut ice シュガーマイス/ココナッツアイス>

 

見かけからの勝手な思い込みや先入観でこうと決めつけ、これまで手を出さないできた食べ物は誰しもひとつや二つあるもの。それが外国のものならなおのこと。わたしの場合、お菓子なのに、何故かず~っと勝手にキャンドルだと思い素通りしていたものがあります。それが「Sugar mice(シュガーマイス)」。

何故かいつも同じ顔のシュガーマイスたち☆

何故かいつも同じ顔のシュガーマイスたち☆

白かピンクのネズミの形をしたそれは、まるでろうそくのような半透明のボディに、まさにろうそくの芯のような糸のしっぽがちょろり。ショーケースの中でよくケーキの脇にちょこんと置いてあるものですから、そう思い込んだのでしょう。考えてみれば、後ろについているネズミのしっぽに火をつけたら、火は下に燃え広がってきっとテーブルは火事、ケーキならどろどろになってしまうでしょうに、わたしの中では「ピンクや白のねずみ=キャンドル」。どこのケーキ屋さんでも置いてあったので、これはもうイギリスではケーキにねずみのろうそくを置くものなのだと。バースデイケーキの上に放射線状に並べられたネズミ型のろうそくに、ちろちろ炎が灯されているのを想像していたのですから、今思えば笑ってしまいます(笑)。そんな誤解が解けたのは、ある日駄菓子屋さんで他のキャンディーたちと並んで瓶に入れられたシュガーマイスを見たとき。こんな風にお菓子と並べたら間違って食べちゃいそう、、、いや、これってもしかしてお菓子?!そうと気づけば視野は広がり、シュガーマイスと並んでピンクや白の「チョコレートマイス」も目に入ってきます。このネズミさんがろうそくじゃないと知るまで、イギリスに暮らして数年かかりました(笑)。なぜにこのお菓子が猫でもウサギでもなくネズミ型なのかは謎ですが、シュガーマイスはイギリス人なら誰もが知っている定番駄菓子。今ではノスタルジックなお菓子というジャンルに入ってしまいますが、ちょっとクラシックなお店に行けば今でも出会えますし、ひと昔前はクリスマスのお菓子としても人気で、子供たちと手作りする家庭も多かったようです。本来はお砂糖を煮詰めフォンダンにして作るシュガーマイスですが、家庭で手作りするときは簡単バージョン。粉砂糖に卵白を入れてペースト状にするだけ。粘土遊び感覚で楽しく作れるので、むしろ子供たちのほうが上手に作れるかも。

チョコレートマイス~こちらには糸のしっぽはつきません☆

チョコレートマイス~こちらには糸のしっぽはつきません☆

今でこそカラフルなシュガーマイスを見かけますが、基本はピンクと白。今日は他にもいくつかピンクと白のなつかし系お菓子をご紹介したいと思います。次に頭に浮かぶのは「Coconut Ice(ココナッツアイス)」。アイスといってもあの冷たいアイスクリームではありません。それはピンクと白の2層になったココナッツの甘~~い塊。これまたかつてはシュガーマイスやファッジ、ペパーミントクリームなどと並んでクリスマスのエディブルギフトとしてよく家庭で作られていたもので、市販品もまだ健在。世代も生まれ育った国も違うのにノスタルジーを感じさせるこのお菓子、どこかに甘さ以上のパワーが潜んでいるのかも。こちらも作り方はいたって簡単。大量のコンデンスミルクに大量の粉砂糖、そして大量のココナッツを混ぜるだけ。半分に色を付けたら、四角い箱にぎゅぎゅっと押し固め、数時間置いたら、あとは好きなサイズにカットして完成です☆お味の程はきっとご想像どおり(笑)

アイスはアイスでも溶けないココナッツアイスです☆

アイスはアイスでも溶けないココナッツアイスです☆

おまけにもうひとつ、ピンクと白の駄菓子でどうもいつも目の端に入るものの買う気になれないのが「milk teeth(ミルクティース)」と「Pink shrimps(ピンクシュリンプ)」。妙にリアルな入れ歯の形の前者はストロベリーとミルクフレイバーのお菓子。いくら美味しくても、この形は(^^;)。そしてどうしてエビ?エビ味のキャンディーなの??と恐ろしくて手を出せなかったこれまた駄菓子屋さん大定番のピンクシュリンプ。そしてなお不思議なことに「Shrimps and bananas」として、よくバナナ型のキャンディーと詰めあわされて売られています。でもご安心を、エビフレイバーではなくラズベリー味のソフトキャンディーです。それにしても何故にエビ?何故バナナと?

可愛いはずのピンクなのですが、形がね、、、(^^;

可愛いはずのピンクなのですが、形がね、、、(^^;

 

イギリスのノスタルジックwhite & pink sweets、これまで目に入っていなかった方も、きっと次回は目に付くはず。
童心に返って一度トライしてみるのも面白いかもしれません。でもくれぐれも、シュガーマイスのしっぽに火はつけないで下さいね☆

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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About Author

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ 2018年2月 美味しいイギリス菓子をぎゅ~っと詰め込んだレシピ本「BRITISH HOME BAKING おうちでつくるイギリス菓子」、2018年 12月 「イギリスお菓子百科」。2020年12月「ジンジャーブレッド 英国伝統のレシピとヒストリー」、2021年9月「British Savoury Baking 古くて新しいイギリスのセイボリーベイキング」 を出版。インスタグラム@galettes_and_biscuits

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