ありそうでなかったチェルシーの万能スポット♪

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Sloane Place スローン・プレイス

「スローンレンジャー」なんて言葉が流行したお洒落なスローン・スクエアすぐそばに、今年5月、新たなブティック・ホテル、スローン・プレイスが誕生しています。

そして、そこに併設されているレストランがなかなか使えるのです^^   やはりホテルのレストランはサービスも安定していて、朝から夜まで通しでオープンしているのが嬉しい。加えてここはモダンなインテリアで気持ちよく食事やお茶ができるだけでなく、チェルシーとは思えないリーズナブルなお値段設定で安心して利用できるところもおすすめの理由。ここ数ヵ月の間に、何度か立ち寄る機会があったのでご紹介しますね。

スローン・スクエア駅から歩いて3分くらい。好ロケーション!

もともと1970年代からメンバーズ・クラブとして使われていたお隣のスローン・クラブから派生したホテルなのですが、その歴史が大変面白い。メンバーズ・クラブというと、たいてい紳士クラブを連想されると思うのですが、ここは女性のためのクラブだったのです。

第二次世界大戦時に開設された女性オフィサーたちのための施設が、王室の女性に仕える女官職にあった女性によって女性専用クラブに変身したのが1960年代初頭。1970年代になって男性も歓迎する現在のようなメンバー専用施設になりました。

カフェとしてもレストランとしても優秀。こぢんまりとした空間が居心地良い。

今年オープンしたスローン・プレイスは、もちろんあらゆるゲストに開かれたホテルです。レセプションもレストランの受付と兼用で、とてもアットホームな雰囲気。ランチで到着すると、すぐにターコイズ・ブルーを基調としたキュートで落ち着いたダイニングに通されます♪

ミニ・バゲットやミニ・ロールが可愛いパンの盛り合わせ ^^ グラス・ワインは料理に比べると若干高めの値段設定。

ここのヘッドシェフは、な・なんとサヴォイ・ホテルやフォーシーズンズ・ホテルといった一流ホテルでエグゼクティブ・シェフを務めていたというバーナード・メイヤーさん。スローン・クラブではすでに2014年からヘッドシェフで、今回のスローン・プレイス開設に当たってこちらのメニューも手がけたとのこと。

メニューを見てすぐ感じるのが、現代人の趣向をよく研究しているな、ということ。ホテルというのは、様々な嗜好のゲストが宿泊する場所です。お客さんが先にジャンルを選択して訪問するレストランと違うのはその点ですよね。だからメニューはどんな好みの人にもマッチするようオールマイティーでなければならない。さらに近くに暮らす皆さんのご近所レストランとしての役割も果たさなければなりません。場所はチェルシー。保守的なありながら、健康志向も強いエリアです。そんな要素を全て考慮して生まれた・・・まさにそういうメニューが展開されています。

ニコス・サラダとビーフ照り焼き餃子♪

前菜としていただくならスターター欄だけでなく、サイドにあるシェア・プレートにも注目。私たちはヘルシーにニコス・サラダ、そしてビーフ照り焼き餃子をシェアしてちょうど良い感じでした。丁寧に作られたサラダはとても食べ応えがあり、これだけでもランチとしては十分(ただし「コンフィ・ツナ」と書いてあるわりに茹ですぎ感はありましたが ^^;)。餃子はビーフ照り焼き餡の味付けも甘辛ソースも焼き加減もドンピシャでなかなか美味しくいただきました。4切れで6ポンドは、とても良心的ですよね。

サーモンのターメリック・ジンジャー・ソース。このソース、これまで食べたことのない風味で、大変美味しかったです。エキゾチックな一皿。

愛しのチキン・シュプレーム♡ ハズレないですね。この写真だとアスパラガスが隠れちゃってますが、とても丁寧に下ごしらえされたアスパラガスで、感動しました。

メイン・コースには、サーモンとチキンを。これはどちらも大正解! サーモンの身はあくまでソフトで、生姜とターメリックのソースとピスタチオ入りペスト・ドレッシングの味がとても繊細。付け合わせのマリネされたビーツが全体の味をまとめる良い仕事をしています。

そしてメニューにあると必ず食べたくなるチキン・シュプレーム♪   いろいろなヴァージョンがある中で、このレシピは上質のコーンフェッド・チキンを香ばしくグリルし、ワイルド・ガーリックで風味づけしたさっぱりトマト・サラダ・ソースでいただくのですが、付け合わせになっていたアスパラガスの美味しさも相まって、秀逸な一皿でした。アスパラガスに火は十分に通っているのですが、わざと頭の方の火入れを弱くしてパリパリ感を楽しむ。にもかかわらず茎にはしっかりと火が通って甘みを味わうことができるというもの。これぞシェフの技。

ウェイターさんに一押しされたデザートはこれ、ピンク・ジン&ラズベリー・ジェリー!

ジン入りラズベリーのジェリー♡ ぷるん。

この写真からスケール感はわからないかもしれないですが、けっこう大きめ。ヨーグルト・ソルベを添えていただくとなおよし。ジンがほのかに香る赤いジェリーは甘すぎず、かといってゼラチンだけのシロモノにもあらず。ねっとり感があるので満足度も高く、スプーンが止まらない(笑)。満腹時のデザートとしてはとても優秀だと思いました。

ティータイムに来られたら、カウンターにぎっしり並んでいる焼き菓子類をぜひ!  私はマンゴーのヴィーガン・ケーキをいただいてみたのですが、バター不使用でも大変美味しゅうございました。

ヴィーガン・マンゴー・ケーキ! シンプル・イズ・ベスト。

カウンターの上に焼き菓子がぎっしり並んでいて、じっくり見てしまいましたw コーヒー美味しいです。

スタッフの皆さんもとてもフレンドリー♡

ヘルシーかつ満足度の高いメニューが並ぶスローン・プレイス。朝食・ランチ・ディナーはもちろん、お茶にも使えてとっても便利。それゆえかオープンして間もないにもかかわらず、すでにご近所さんたちが通っているようでした。チェルシーで雰囲気とコスパを兼ね備えた場所をお探しなら、ぜひ!

62 Lower Sloane Street, London SW1W 8BP

店名Sloane Place
最寄り駅Sloane Square
住所62 Lower Sloane Street, London SW1W 8BP
電話番号020 3928 0700
営業時間月〜金 6:00 - 00:00 土 8:00 - 00:00 日 8:00 - 22:00
URLhttps://www.sloaneplace.com/restaurant-bar/
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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