第158話 Flying saucer/ Sherbet フライングソーサー/シャーベット

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okashi


<Flying saucer/ Sherbet フライングソーサー/シャーベット>

 

Flying saucer(フライングソーサー)、UFO、 Spaceship(スペースシップ)、呼び名はいくつかありますが、これはイギリス人ならきっと一度は食べたことがある懐かし系駄菓子のひとつ。カラフルなキャンディーやグミなどが並ぶSweet shop (駄菓子屋さん)の中ではちょっと異色な、でもいつもトップクラスの人気を誇ってきたお菓子です。

イギリスの駄菓子屋さんでUFOと言えはこれ☆

イギリスの駄菓子屋さんでUFOと言えはこれ☆

 

その名のとおり、カラフルなUFO型をしたそれは軽いライスペーパー2枚を合わせたもの。振ってみます~サラサラ~何か入っている音が。。。割ってみるとそこに入っているのはシャーベットの粉。シャーベットの粉? そう、イギリスではシャーベット=シュワっとお口の中ではじけるこの粉キャンディーのこと。ラムネを粉末状にしたというか、日本の粉末ジュースに近いものです。私たちのイメージするあの冷たいシャーベットはイギリスでは主にSorbet(ソルベ)と呼ばれています。
ちなみにシャーベットもソルベも、もともとは果物のシロップに氷を入れて冷やした冷たい飲み物を指す、トルコ語のşerbetや、アラビアラビア語のشربات ‎(シャルバート)に由来し、これがアイスクリームの原型となったと言われています。なので、シャーベットは日本のように氷菓をさしても、イギリスのように粉末ジュース(飲み物)を指しても何ら不思議はないわけです。

 

周りの殻が溶けるとお口の中でシュワシュワっとシャーベットがはじけます☆

周りの殻が溶けるとお口の中でシュワシュワっとシャーベットがはじけます☆

 

さて、イギリスでこのシャーベットパウダー(ソーダパウダー)がポピュラーになったのは19世紀のこと。本来はパウダーをグラスに入れ、お水を注いでしゅわ~っとしたところを楽しむものでしたが、これでは折角のシュワシュワの大半は空気中に逃げてしまう。。。そこで、どこの世界も子供たちが考えることは一緒。それなら、直接口にシャーベットの粉を入れちゃおう~!

そんなこんなで、ドリンクの素としての粉末ソーダ(シャーベットパウダー)は流行らなくなったあとも、子供たちの大好きな駄菓子として君臨。レモネード味にクリームソーダ味、イチゴ味にラズベリー味などなど、フレイバーも展開し、パッケージもさまざま。シンプルに小袋に入れられたもの、ディップするためのキャンディーとペアになったもの、中でも有名なのはBarrattの「Sherbet Fountain(シャーベットファウンテン)」。1925年発売というロングセラーのそれは、シャーベットパウダーが詰まった筒状の容器に棒状のリコリスが差し込んであります。今でこそ、プラスチック容器になってしまいましたが、以前は紙の筒から裸のリコリスのチューブが飛び出している状態で売られていたという、ノスタルジック溢れるお菓子。リコリスをなめ、シャーベットの粉にうずめて舐めて、を繰り返すか、先にシャーベットを全部食べてしまってからゆっくりリコリスを楽しむか、、子供たちそれぞれの流儀があるようです。

フライングソーサー見つけましたか?一番右上の棚の上には大量のシャーベットの粉も☆

フライングソーサー見つけましたか?一番右上の棚の上には大量のシャーベットの粉も☆

 

さて、だいぶ横道にそれてしまいましたが、本題に戻りましょう。今日のお題フライングソーサー。レンズ状に中央が膨らんだライスペーパー(薄い最中のようなもの)にシャーベットを閉じ込めてあるので、端っこをちょっとかじって中身だけ先に食べるもよし、一度にお口に放り込むもよし。イギリスでは1950年代から子供たちに愛されているこのフライングソーサーですが、元をたどるとそれは子供たちの大嫌いなモノ、苦~いお薬だったという説も。なんでも、ベルギーのBelgicaという会社が1900年に、苦い粉薬を飲みやすくするために開発した、でんぷんベースで作った丸くて平たい殻が原型なのだそう。まぁ言われてみれば、カプセル的に粉薬が入っていてもおかしくはないけれど、でもこんな大きなもの丸呑みできないし、かといって、噛んじゃったら苦くて意味ないし、、、どんなサイズのフライングソーサー型硬質オブラートだったのでしょう。。。

ちなみに今のイギリスのカラフルで甘酸っぱいフライングソーサーは直径4cmほど。もし旅先で見つけたら、イギリスの懐かし系駄菓子もたまにチャンレジしてみてください。イギリスのスイーツ体験はアフタヌーンティーやクリームティーだけではありませんよ。ただし、お持ち帰りにはご注意を。とってもつぶれやすいので、帰りのスーツケースがシャーベットの粉まみれになっても保証はできません~☆

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/ 2018年2月 美味しいイギリス菓子をぎゅ~っと詰め込んだレシピ本 「BRITISH HOME BAKING おうちでつくるイギリス菓子」を出版

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