第5話 Teacake~ティーケーキ~

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イギリスおかし百科


<Teacake ティーケーキ>

 「ティーケーキ」と聞いてまずはどんなケーキを想像しますか?

イギリスお菓子は名前から姿や味が想像しにくいものが結構あります。
「クイーン・オブ・プディング(プディングの女王)」などまったくイメージが頭に浮かばないものはさておき、厄介なのは普通想像するものとまったく違うものの場合。ティールームでメニューを見てオーダーしたら「これって私が頼んだもの??」なんてことになりかねませんから。

そんな騙されやすい(?)お菓子のひとつが「teacake (ティーケーキ)」。日本人ならまず最初に頭に浮かぶのは恐らく「紅茶味のケーキ」。でもイギリスのティールームのメニューに「teacake」の文字を見つけてオーダーしたらきっとこんなものが登場します ↓

バターをたっぷり塗って召し上がれ☆

バターをたっぷり塗って召し上がれ☆

お皿に載せられてくるのは水平にカットしてこんがりトーストされた丸く平たいレーズンパン。
紅茶が入っているわけでもなければケーキでもない。でもこれがイギリスの「ティーケーキ」。

かりっと焼いた断面にた~っぷりのバターを塗っていただくのがお約束です。このパン生地自体はほとんど甘くないので、慣れないうちはどうもおやつというより「朝ごはん?」みたいな気がしてしまうのですが、バター付きパンは1840年代のアフタヌーンティースタート当初からの大定番メニューと考えれば、ある意味もっとも正統派のお茶のお供といえるかも?

すでにたっぷりバターが塗られてやってきたアフタヌーンティーでのティーケーキ

すでにたっぷりバターが塗られてやってきたアフタヌーンティーでのティーケーキ

そして紛らわしい名前の代表として「ティーケーキ」を挙げたのにはまだ理由が、、、
「teacake」のもうひとつの姿がこれ↓

赤と黄色の懐かしいパッケージが目印の Tunnock’sのティーケーキ 中にはとろけるマシュマロがたっぷり☆

お茶の場をティールームから誰かのおうちに移します。そこで「ねぇ、ティーケーキがあるけれど、食べる?」と言われたら、それは恐らく前述のレーズンパンではなく直径5cmくらいのドーム状のお菓子。ビスケット生地の上にふわふわのマシュマロそしてチョコレートコーティングという、ちょっと日本のエンゼルパイを髣髴とさせる組み合わせ。スーパーのオウンブランドをはじめ、いくつかのメーカーから発売されていますが、イギリス人なら10人中9人くらいの人が頭に浮かべるのがタンノック社のteacake。黄色と赤のノスタルジックなパッケージが実にアイコニッック。1890年の創業以来、スコットランドのAddingston からどこか懐かしいレトロな雰囲気の甘~いお菓子を届けてくれています。

そしてそしてなんとまだあります。イギリスで「teacake」と呼ばれるものが。。。

スライスしてバターを塗られて登場することも~

スライスしてバターを塗られて登場することも~

 

「ティーケーキ焼いたんだけど一切れいかが?」
こう言われたら、それは干しぶどうなどのドライフルーツが入ったローフ型のケーキかもしれないのです。紅茶につけたドライフルーツを使うこともありますが、例え紅茶を使っていなくとも、ティーケーキと呼ばれることもあり、、う~ん、紛らわしい~。

でもどれもそれぞれに美味しい紅茶のお供ですから「ティーケーキいかが?」と言われたら、とりあえず 「はい、いただきます☆」 と答えることにしましょうか(笑)。

 

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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