第24話 Queen of pudding ~クイーンオブプディング~

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<Queen of pudding クイーンオブプディング>

イギリスには、余って乾いてしまったパンを利用するお菓子が沢山あります。「ブレッド&バタープディング」(いわゆるパンプディング)のようにパンをそのまま使うものはもちろんですが、パン粉にして保存しておいたものを再利用することも多々。甘いプディング、食事用のプディングにかかわらず、このパン粉を使用したプディングが非常に多いのがイギリスプディングの特徴のひとつとも言えます。クイーンオブプディングもそのパン粉を使うタイプなのですが、「プディングの女王」という名前を持つくらいですから、他のいかにもエコノミカルなパン再利用プディングに比べて、上品さは群を抜いています。

メレンゲのデザイン次第でいろいろな表情に☆

メレンゲのデザイン次第でいろいろな表情に☆

牛乳・バター・お砂糖・パン粉・卵黄を混ぜて、やっと固まる程度に焼いたソフトなベース。そこにラズベリージャムを塗り広げ、メレンゲをのせてもう一度焼き上げるという構造。出来立ての温かいうちにいただくクイーンオブプディングはフレンチトーストとさして変わらない材料で作ったとは思えないほど立派なデザート。大きな器で作り取り分けて食べるのが一般的ですが、美しく一人分ずつ小さな器に作るのが近頃のレストランの流行です。

ガラスの器で作るとレイヤーがきれい☆

ガラスの器で作るとレイヤーがきれい☆

この立派な名前の由来はヴィクトリア女王のためにバッキンガムパレスの料理人によって作られたからだとか、メレンゲがクラウンのように見えるからとか諸説。だとすると19世紀以降の生まれ、ということになります。が、姿を少しずつ変えてはいるものの、その源流は実は17世紀頃のパン粉と卵で濃度をつけたミルクプディングまで遡れるようです。Mrs. Beeton著の家政書「Household Management」(1861) の中には「マンチェスタープディング」という名前で今のクイーンオブプディングに近いものを見つけることができます。それはパイ生地を敷いた上にジャムを塗り、パン粉や牛乳・卵のフィリングをのせて焼くというもの。queen of pud3

姿ではなく名前のほうを遡ってみると、Queen’s pudding という名前のものはMrs. Beeton の本はじめ他の料理本にも色々登場します。ただそちらは随分と違う様相のものとなっています。当時のそれはスエット(牛のケンネ脂)を使ったスチームタイプのものが主流。例えばビートン婦人の本によると~「スライスしたバナナ・スエット・お砂糖・全粒粉と牛乳を混ぜて1時間おき、卵を混ぜて1時間蒸したら、ワインソースをかけていただきましょう~」。「Dictionary of Cookery with Numerous Illustrations」(1875)では~「バターを塗った型にレーズンやオレンジピールなどを貼り付け、バター付きパン、レモンで風味付けした砂糖とスライスアーモンドを重ねて詰め、牛乳と卵を混ぜ合わせたものを注いで蒸す」 などなど。
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確かにQueen’s Pudding ~とはよくありそうな名前ですから、これまでいろいろなプディングにその名がつけられてきたというのは分かります。Queen Victoria pudding あるいはQueen Elizabeth puddingなどと名づけられているわけではないのでクイーンが代わる度に内容は変わっていいはずですものね。実はこの他にも「プリンスアルバートプディング」やら、「クイーンメアリーズプディング」などなど王室メンバーの名前のついたプディングには枚挙に暇が無いのですが、そちらについてはまたいつか。。。

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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