対戦相手はキリギリス? えキルギオス? いえキリオス!

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さてさて、今年もまた「白熱の秋」がやってまいりました。ニューヨークのフラッシングメドウズに!でございます。全米オープン(いえ、ゴルフではないのですよ…)の開幕を目前にし、どうしても関心がそっちにいってしまってます、すみません。でも、ふだんフットボールかクリケットしか興味のないほとんどの英国人だって、自国の選手が出場するグランドスラムとなれば、テニスがどうしても気になるはずです。

しかも今、マリーは絶好調ですからね、全米制覇への英国民の期待は、大きくふくらんでいるにちがいありません。そしてなんと、マリーの初戦相手が、ヴァヴリンカの恋路を邪魔するかのような下品な「暴言」を吐いたことへの非難の嵐に、ニューヨークでもさらされているあのニック・キリギリス、じゃなかったキリオスとあって、英メディアが話題作りに頭をひねるまでもなく、マリーの初戦は注目度大なのです。

BBCはこの対戦をまえに、テニス界に現れた久々の「悪童」にわりと同情的なマリーのコメントを報道。デイリー・テレグラフは、かねてより「ナイスガイ」たちの退屈さに苦言を呈し、20歳のキリオスの才能を認めている「レジェンド悪童」のマッケンローが、プレイべントのストリート・テニス(クールな演出は Nike)でキリオスとダブルスを組み(ナダルが拒否した!)、「好かれる悪童」への道に導くようすを伝えてます。

キリオスは許しがたい行為をした悪童だけど、不安定なメンタルはストレスやプレッシャーからきているものでは?という気がするし、こういう光景はちょっと微笑ましい感じも。一方、地元紙のニューヨーク・タイムズは、出場選手の名前を主審が正しく呼べないことについての記事を掲載。わかります。何しろランキング100位の中にいる選手の出身国は、51か国にものぼるわけですから、審判だって呼べないのは当りまえ。

上述のキリオス(Kyrgios)は、日本語のサイトを見ると「キルギオス」と呼んでいる人が多いことがわかります。彼の両親は、母親がマレーシア出身で父親はギリシャ出身のオーストラリア人。キリオスのケースはわかりませんが、英語圏では姓を英語読みにするのがふつう。ところがカナダ人のラオニッチ(Raonic)は、両親の出身国モンテネグロ式の読み方をし、「ラオニック」ではないのですから、移民の場合は超複雑。

国際試合が毎日のように行われているスポーツの報道で、アルファベット表記は問題なくとも読み方となると、メディアはほんとうに大変です。とりわけ日本の場合、外国人名は出身国の言語に準じた発音の表記という約束があるため、混乱が生じます(現に錦織圭の初戦の相手はフランス人で、日メディアでは「ペア」か「ペール」)。ただ、完全な表記は無理でも、最近はたいていの発音がネットでわかるので、報道者のこだわり次第?

というわけで、わたし自身、記事の執筆や本の翻訳で外国人の名前にはいつも苦労させられています。ATPが数か月まえ、選手本人が名前をいう音声をつけたり発音記号を表示したランキングサイトにリニューアルしたアイデアは、ほんと素晴らかった。でも、目下のところ全員ではないので、早いとこ徹底してほしいもの。ポルトガルの「Joao Souza」とブラジルの「Joao Sousa」という選手名、読み方がどう違うのか知りた~い!

そういえば昔ロンドンでラジオを聴いていたとき、流れてきたキットカットのコマーシャルが、外国人選手の名前が読めなくてしどろもどろになるスポーツの実況中継をネタにしていて、吹き出したことがありました。テニスはせいぜい4人までで団体競技ではなく、まだましじゃない?とはいえ、これ、じゅうぶんに全米オープンでも起こりうる話ですよ(笑)。

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About Author

つつみけいこ

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して6年目に。

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