お騒がせハイジャッカーとの「人質セルフィー」!

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日本では、今年もまたお花見の季節が巡ってまいりました。桜の見ごろを逃すまいと、今週などはどうもそわそわしがちです。が、世界のあちらこちらで起こっている自爆テロにより、罪もない大勢の人々の命が奪われたというニュースを見聞きするたび、一気に心が沈みます。昨日(3月29日)は、エジプト航空の旅客機がハイジャックされたというニュースをいち早く知り、またISの犯行か?と成り行きを気にしていました。

キプロスに着陸した同機の乗客は、3人を残して早々と解放され、「爆弾を体に巻きつけている模様」と報道されていたエジプト人ハイジャック犯の「ムスタファ」も、早々と投降。よかった!! 世界中のメディアが必死に情報を追うなか、今回の事件は、「元妻とよりを戻したい」という個人的な動機だったことが判明。けが人が出ずにすんだことに胸を撫で下ろしながらも、人騒がせな大人にただただ呆れるばかりでした。

ところが、そこにはさらに呆れる大人がいたのです! こちらの動画をごらんください。ハイジャッカー・ムスタファの横で「ハイ、チーズ」と言ったのは、最後まで残されていた人質の1人、英国から出張中に事件にあった安全衛生監査人のベン・イネーズさん。世界中が固唾をのんで見守っていたのを知ってか知らずか、世界に注目される一生に一度のセルフィーチャンスだから、と犯人と2ショットなんて、恥ずかしすぎるぞ!

「英国の恥さらし」ぶりは、ここここここでも、さっそく記事になってます。で、ベンさんの「ベストセルフィー」を見ると、ハイジャッカー・ムスタファの口元もほころんでいて、まんざらでもなさそう。まあこの写真から推測して、さほど緊迫した状況ではなかったのかもしれませんが、TVコメディじゃあるまいし、こんな場面で「写真、OK?」と訊いたほうも「OK」と答えたほうも、現実とバーチャルの見境がつかなくなってる?

ネットで注目される「セルフィー」を撮るために、どれほど多くの人たちが馬鹿なことを思いつき、危険を冒し、ときには命を落としているか、考えるとほんと恐ろしい…。笑いごとではないのです。セルフィーのために間違いを犯すのは、ほんとうに愚か。しかもですよ、ベンさんの場合はさらに大間違いをしていたのです。じつはこの写真、客室乗務員がシャッターを押したので「セルフィー」にあらず…。恥の上塗りとは、このことですかあ?

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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