論よりアプリ! 英語の「ロンドナー化」が明らかに

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英国に長く住んでいると、喋り方を聞いただけでその人がどのあたりの出身か、あるいはお育ちまで、だいたい分かるようになるもんです。なまり(アクセント)が「経歴」を表すといっても過言ではないほど、英国では、英語(当然?)のなまりが豊かなんですよね~。ところが、地方の「ロンドナー化」が急速に進んでいるようなのです。

今回の研究は、1月にケンブリッジ大学より無料配布されたスマートフォンの「The English Dialects」アプリを使って、4000以上の所在地から70000人あまりが答えた結果と、1950年代に11年間にわたって行われた同様の調査の結果とを比較したもの。5月26日のデイリー・テレグラフと27日のインディペンデントの両オンライン紙によると、英国では、というか英国でも、なまりばかりか多くの方言が絶滅の危機に瀕しているようです。

この研究結果を知り、わたし的に大発見だったのは、イングランドの西南部や西海岸地方でも、たとえば「arm」の「r」を発音するのが、かつてはふつうだったということ(スコットランドなまりみたいに?)。加えて、「scone」という言葉を「sgone」(スゴーン)と濁って発音する人が大多数だという事実には、正直、驚きました(ちなみに、過去との比較はなし)。この傾向、北に行くほど100%に近づくのです。なんか、英国の東北弁? (訂正:のように韻を踏む)

お察しのとおり、英語のロンドナー化はテレビの影響が考えられますが、研究員たちの話では、進学や仕事のため、または田舎生活を求める都会っ子たちの、地方への移動が大きな要因だとか。日本でも、いわゆるチャキチャキの江戸っ子やコテコテの大阪人は絶滅危惧種になりつつありますし、大阪(現在わたしが住んでる)の子どもたちが話しているのを聞いていても、たとえば、「興奮しちゃうやん」とかって、東京弁とのちゃんぽんです。

方言については、たとえば「splinter」(棘)という言葉には、かつて「shiver」「spile」などの方言があったものの、いまでは、ほぼ絶滅したもよう。ただし、イングランド北東部では未だに「spelk」と呼ばれ、ある程度は方言が生きながらえているようです。これ、日本でいえば、ゴキブリを「アブラムシ」と呼ぶ関西人が結構いるのと同じでしょうか(わたしの家では「ボッカブリ」と呼んでいましたが、出身地の京都東山だけの超ローカルな方言なのかも)。

英語に関しては、おそらく、どなたも英国で、素晴らしく(?)貴重な体験をされていらっしゃるのでは? なにを隠そうこのわたしも、ビギナーだったロンドナーのころには、ドイツ人に話しかけられたと思ったらブラックプールから来た人だったり、生粋のコックニーなまりが分からず、「英語で話していただけますか?」とマジでお願いしたことがありますし、ウェールズなまりやスコットランドなまりのニュースキャスターが登場するテレビにも、ものすごく驚きました。

けど、どこへ行ってもポッシュなロンドンなまりしか聞けなくなり、何をいわれたのか理解できないというショッキングな(?)体験をさせてもらえない英国になったら、退屈な国になりやしないかと、ちょっと心配になっております(笑)。

(調査結果についてもっとお知りになりたいですか? ケンブリッジ大学のウェブサイトをご覧くださいませ)

 

訂正:

おっと、「scone」を「sgone」と「発音」する、と書いたのは誤りでした(苦笑)。30日のガーディアンでもこの調査結果が取りあげられ、ここを「発音」としてはいけないことに気づいた次第です。たいへん失礼をいたしました! これは「rhyming」(韻の踏み方)についてであって、よく考えると、「発音」ではありませんでした。「スコーン(scone)」は、「ストーン(stone)」と同じ韻ではなく「ゴーン(gone)」のような韻、ということなのでしたが、まあ、どちらかといえば、やっぱりちょっと、東北弁的な音の感じは、なきにしもあらず…?

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About Author

つつみけいこ

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して6年目に。

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