それでも気になるティファニーの箱の中身

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2017年1月20日、米国のトランプ大統領就任。で、どの国も影響を受けないわけにはいかない新時代の、いや、世界の「悪夢」のはじまり、といったほうがよいかもしれません。そんな歴史的な日にどうでもいいことですが、ホワイトハウスの玄関先で新ファーストレディーMから前ファーストレディーMに手渡されたプレゼントの箱には、いったい何が入っていたのか、気になりませんでしたか? さっそく英メディアが推測しています。

サックスブルーの手袋をしたメラニア新大統領夫人の手がつかんでいた「コマドリの卵色」の箱は、ご存知、ティファニーの箱。ニューヨーク五番街の本店は、厳重警戒態勢が敷かれていたトランプタワーのせいで売りあげが落ちたそうですから、そのお詫びの気持ちもあって、ティファニーでお買いあげ!となったのでしょうか? そのくらいで損失の代償になるわけない、とはいえ、注目を浴びる点では十分に宣伝になりますからね~。

ガーディアン紙は、キーリング、スプーン、マグ(これならわたしも欲しい)、金ピカの置時計、飛行機と像の形の貯金箱、パイナップル形のお皿(以上はありえない)、そして白と黒の「トランプ」(これがもっとも相応しい)などを挙げ、あれやこれやといらぬ(笑)推測。ティファニー側は、「リンカーン大統領の時代から、ホワイトハウス御用達です」とステートメントを発表したものの、選ばれた商品については言及していないそう。

まあそのうちに、ミッシェル前大統領夫人がつぶやいてくれることに期待しましょう。一方、明らかになったのは新ファーストレディーに衣装を作ったデザイナーの名前です。マーク・ジェイコブにトム・フォードをはじめ、売れっ子デザイナーがことごとく「反トランプ」旗を掲げてオファーを断ったあと、引き受けたのはラルフ・ローレンでした(ちなみに、ファーストドーターのイヴァンカはオスカー・デ・ラ・レンタだそう)。

ジャン=ポール・ゴルティエは、「頼まれたら断らない」といったデザイナーのひとりでしたが、フランス大統領夫人の座を手に入れて(やっかみまじりの)批判を浴びた(野心の塊のような)カーラ・ブルーニに、味方したときとダブります。生い立ちはかなり違いますけど、どちらもバービー人形のような体形。見栄えは申し分ありません。が、新大統領夫人は「上品さを出すために苦労してる」とは、これまたガーディアン紙の見立て

わたし的にも、メディアにトランプ・ファミリーが登場するたび、虚構の世界のファーストファミリーを演じているだけのような、そんな気がしてならないのです。(20センチのヒールが並んだ)ファミリーのグラマラスな外見はさておき、どう考えても、(都合が悪いと「嘘だ」と主張する)ずるい大人の見本を体現しているような人物が、世界中に影響を与える大国のリーダーとなったことに、強い反発と危惧を覚えずにはいられません。

ともかく、理念のない最悪の大統領誕生です。(恫喝まがいのツブヤキで意のままになったことに味をしめた)保護主義の経済政策のみならず、(「中国のでっちあげだ」として)地球温暖化を信じようとしない点しかり、世界にとってダメージが大きすぎ。これだけ複雑に各国が絡み合ってる時代ですから、大国の大統領が自国のことだけを考えていたら、かならずいつかはしっぺ返しがくるはずですよ。お願いだから、早くきてきて!!

ablon # 41 doller

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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