ロ~ンドン「ガーデン」橋♪消えた?

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ロンドンの新たな観光名所となるはずだった「ガーデンブリッジ」が、幻の橋となるようです。2012年に発案された計画は2014年に正式に提出され、翌年プロジェクトが発足。以来、辛く暗いニュースが多いなかで夢を見させてくれる話題でしたが、うまくいかないものです。4月28日、橋の建設と維持にロンドン市民の税金はつぎこめないことをサディク・カーン市長が表明したため、事実上、事業は頓挫を来すこととなりました。

ロンドン五輪の聖火台やダブルデッカーのデザインで有名なトーマス・ヘザウィックと共同でこの橋を発案したプロジェクトの発起人は、コメディ番組『アブソリュートリー・ファビュラス』で知られる女優のジョアンナ・ラムリー。ボリス・ジョンソン前市長の賛同を得て「ファビュラスな橋」の実現を進めていただけに、「わたしたちは考える前にノーと即答する国になってゆくのよ、アブソリュートリーに夢を打ち砕かれたわ」と語ってます

で、どれくらいファビュラスな橋が出現することになる(はずだった)のでしょう? 計画では、ウォータールー橋とブラックフライア橋のあいだに架けた全長366メートル幅30メートルのコンクリート製歩行者オンリーの橋に、テレビやラジオ番組でもお馴染みで日本でも人気のある造園家、ダン・ピアソンによって270本の木が植栽された「緑道橋」として、趣のある憩いの場を提供することになってました(推進団体は未だポジティブ)。

2009年にはボリス市長が、800年前には居住橋だったロンドン橋を彷彿とさせるような、『London Bridge 800』という野心的な橋のアイデアを募るコンペを開催し、1位に選ばれたのは有機栽培農場のある橋のデザインでした。じつは大昔、王立アカデミーから日本に巡回した『The Living Bridges展』の図録を翻訳したので、テムズ川に橋、と聞くとワクワクし、個人的にもガーデンブリッジの実現をたのしみにしてたんですが…。

そしてたぶん、ニューヨークにある「ハイライン」を連想した方も多いのでは? ファッショナブルに成功してるハイラインにライバル都市のロンドンが対抗するには、驚きのある構想でないとね? と思ってのことかどうかはわかりませんが、あちらのような廃線利用とはわけが違い、橋を架けるにはなにしろ費用がかかる! そんな夢の実現と保守のために、こんなご時世では税金の投入など許されないでしょ、ということのよう。

コストの検証で莫大な費用に膨らむことが予想され、そもそも、この橋を建ててほしいのかどうかを地元住民に訊ねていない、とスタート時から担当していたBBCの記者が、問題点をわかりやすくレポートしています。すごく素敵なプロジェクトだけれどロンドン市のバックアップなしには実現の目途が立たず、まだ建ててもいないというのに、37,400,000 ポンドもの公的資金が、川面に現れるアブクとなってテムズ川に消えたもようです。

前市長の決定を新市長が非難し、覆す…ん? この話、なんかちょっと既視感を覚えます。といっても東京では、いろいろあった国立競技場の建設は計画変更が間に合ったものの、できあがってしまった豊洲市場には土壌汚染問題が持ち上がり、小池百合子都知事は、移転するべきかどうかの結論が未だに出せてません。仲卸業者の方々がいちばんお困りですが、都民の税金はいまも毎日無駄に、東京湾に流されております。

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About Author

つつみけいこ

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して6年目に。

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