童心を呼び戻す猫の絵本

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coolcats


前回騒いでいた定期検診も、どうにかこうにか無事に済ませ(今回はキャンセル1回で済みました)平穏な日々です。

獣医の予約の時間が迫り、すぐにでもバスケットに入ってほしい時には断固として入らず、どうでもいい時にだけ突然中に飛び込み「で?」という顔をしている罪な奴。でも今年は1回キャンセルしたものの、2回目にはどうにか(半ば強制的に)入っていただきました。事前に何度もしつこく「獣医に行くよ」と話しかけていた効果があったのか⁉️

獣医の予約の時間が迫り、すぐにでもバスケットに入ってほしい時には断固として入らず、どうでもいい時にだけ突然中に飛び込み「で?」という顔をしている罪な奴。でも今年は1回キャンセルしたものの、2回目にはどうにか(半ば強制的に)入っていただきました。事前に何度もしつこく「獣医に行くよ」と話しかけていた効果があったのか⁉️

1回目のキャンセル後、焦ったあまり実はこんなデカい、ほとんど小屋みたいなキャリーケースまで購入してしまったのですが、結局使いませんでした……。

1回目のキャンセル後、焦ったあまり実はこんなデカい、ほとんど小屋みたいなキャリーケースまで購入してしまったのですが、結局使いませんでした……。

しかし現在、換毛期で抜け毛がすごいのが難点です。しかもたぶん私、少しアレルギー気味かなと思うんですよね。通常はさほど問題はないのですが、特に換毛期になると、軽い花粉症みたいになります……。それでもついつい顔をねこたちにべったり近づけたり、かわゆい後頭部にたまらずチュッ!としちゃったりしてるのがいけないんでしょうけどね……。

なかなかこの後頭部の魅力には抗えないのですよね。。。

なかなかこの後頭部の魅力には抗えないのですよね。。。

さて、例年よりずっと暖かかった2月のとある週末、天気がよくて家の中にいるのがもったいない気分になり、散歩に出かけました。その途中、外に出ていた看板に誘われてふらりと立ち寄ったのが、Crofton Park Library。館内の一角がブックショップ(古本屋)になっています。

Crofton Park Libraryは地域のボランティアで運営されている図書館で、併設のブックショップの売上金はすべて図書館の存続費用に充てられているようなので、今はおそらく図書館としてよりも主にブックショップとしてオープンしているのではないかとも思うのですが、何はともあれこの本屋さん、ボランディアで運営されているだけあって小さくて雑然としてはいますが、週末に音楽やトークイベントなどを開催したり、女性ライターやLGBT関連本セクションに力を入れたりと、この地域のポリティカル・マインドを反映したコミュニティによるコミュニティのための憩いの場といった感じで、手作り感も含めて好感を持ちました。

そしてこの日、ここで『DEAN’S GIFT BOOK OF FAIRY TALES』という絵本を見つけ、そのステキなイラストに心を奪われてしまいました。本を開くと1ページ目の右上に鉛筆で「95p」と書いてあり、わーい掘り出し物だーと思ってレジに持っていくと、スタッフがページをもう一枚めくってその上に書いてある値段を指し示しながら「あ、ごめん、この95pというのは昔々にどこかで売られていた時の値段で、ほらね、ここに書いてある通り、今は£4で売ってるんだけど、いいかなあ」と言うのでした。いやあ私も95pはかなり安いなと思ったので、ハイハイと納得して承諾したわけですが、1ページ目に上書きしておいてほしかったなあ(笑)。

何はともあれこの『DEAN’S GIFT BOOK』は、19世紀から児童書を主に出版していたDean & Sonという出版社が1970年代に出していたシリーズ本だったらしく、他にも『NURSERY RHYMES』とか『BIBLE STORIES』などがあるようです。そして私が今回入手したこの『FAIRY TALES』は「シンデレラ」から「美女と野獣」まで、誰もが子どもの頃に一度は読んだであろう、世界中でおなじみの童話8本を収めているのですが、そのなかに「長靴をはいた猫(Puss in Boots)」が入っていました。

子どもの頃に読んだ童話って、話の最初から最後までしっかり覚えているものと、なんだか途中からうろ覚えになっているもの、名前は覚えているものの、どんな話だったか全く覚えていないものがありませんか? 例えば私は「シンデレラ」とか「ヘンゼルとグレーテル」「人魚姫」なんかはよく覚えていますが、「長靴をはいた猫」はどんな話だったかよく覚えていませんでした。「白雪姫」と「眠りの森の美女」は混同する部分があったりするし、「親指トム」と「一寸法師」も入り混じっているうえに、どんな終わり方だったのかよく覚えていません。まあ、それだけ似たような話が世界中で語り継がれていたということでしょうし、同じ話でも読む本によって微妙にエンディングが違ったり、後に新解釈されたりアニメ化されたりして、そっちを先に見ていたり、などなど、いろんな要素がごっちゃまぜになっていることが多いですよね。しかしそう考えると、最初に触れるメディアが受け手に与える影響力ってすごいですね。ふと思うと、私も子どもの頃、同じ物語を別のバージョンで読んで、その表現の違いや話の流れのちょっとした違いで興味を失ったり、前に読んだ話と似たような物語ゆえにどっちがどっちの話なんだかよくわからなくなったりしたことがあったような……原体験の原体験みたいな。

話がずれましたが、「長靴をはいた猫」。実は最近、河合隼雄さんの『猫だましい』という本を読んでいたのですが、そこに「長靴をはいた猫」のことが触れられていて、ちょうど再読してみたいなと思っていたところだったのでした。河合氏の鋭く興味深い視点と解説によるところも大きいのですが、なるほどなあ〜という感じで、賢い猫の知恵と洞察力(河合氏の解説にあるトリックスターとしての役割)、「長靴」という設定の面白さに改めて興味を抱きました。しかしこの物語、どうして自分の中であまり印象に残っていなかったのかなあとも思いました。私は子どもの頃は実家で犬を飼っていたこともあって100%犬派だったので、猫が主役の話にあまり心惹かれなかったのでしょうか。または、その知恵でウサギを獲って王様に差し出したり、鬼をネズミに変身させて殺したりするあたりが、いかにも野性的な猫っぽくて子どもの頃、怖かったのかな。

加えて今回の読書では、先述した通り、非常にステキなイラストがついていたのも大きなポイントでした。

長靴をはいた猫ちゃんが、我が家のタムタムに似てるんです。タムタムは甘えん坊のボケ役ゆえに、見た目だけですけどね笑。

長靴をはいた猫ちゃんが、うちのタムタムに似てるんです。タムタムは甘えん坊のボケ役ゆえに、見た目だけですけどね笑。

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この絵を手がけているのは、Janet and Ann Grahame Johnstonという姉妹で、戦後から20世紀末まで非常に多くの児童書のイラストを描いています。二人とも生涯実家に住み、ジャネットが鳥や動物、アンがコスチュームを主に描くという分担制で、藤子不二雄のごとく、いつも二人で一緒に制作していたとのこと。アンデルセン童話やグリム童話などの古典から近代作まで、手がけた児童書は100冊以上に及ぶそうです。

そして実は、この姉妹が手がけた別の古本をインターネットで安く売っているのを見つけたので、その日のうちにこちらも購入してしまいました。だってね、『PUSSY AND PUPPY NURSERY RHYMES』ですよ! 買わないわけにいきませんね……。

犬猫好き&古書好きを萌えさせる一冊です。

犬猫好き&古書好きを萌えさせる一冊です。

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左上の子もタムタムによく似ております。

左上の子もタムタムによく似ております。

この絵本の中では、マザーグースの「三びきのこねこ (Three Litte Kittens)」を見つけて、とても懐かしい気分になりました。実家に谷川俊太郎氏が訳したマザーグースの歌の2枚組レコードがあって、子どもの頃、楽しいような、ちょっぴり怖いような、奇妙なマザーグースの世界にハマってしまい、本当によく聴いたんですよね。今でもほとんど全部歌えるぐらいよく覚えています。この「三びきのこねこ」も歌えちゃいますよ!(笑)

先ほどの「子どもの頃、犬派だったので猫の話にはあまり興味がなかったのか」という話と矛盾するようですが、この「三びきのこねこ」はお気に入りの歌の一つでした。

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「おかあさん どうしよう てぶくろなくしちゃったよう」とこねこが言うと、母猫が「なんだって! てぶくろなくしたんだって! 悪い子だね! もうパイはあげないよ!」と言うのを聞き、子ども心に「おかあさん、きびしいなあ」と思ったり、こねこが手袋を見つけたのに泣き出すくだりでは「なんで見つけたのに泣くんだろう」と思ったり、それで「おかあさん てぶくろみつけたよ」と言うこねこたちに「なんだって! てぶくろ見つけたんだって! バカな子だね!」と言いつつ「じゃあパイをあげましょう」という母猫に「なんで『バカな子』なんて言うんだろう*。でもパイはくれるんだな。親分みたいなおっかさんだな。よくわからんけどおもろい」とか思ったりしたような覚えがあります(笑)。加えて我が家の猫たちの手元にいつも目を奪われている今となっては、この「てぶくろ」っていうのが、すっごく可愛い設定に思えてなりませんね!

いつ見てもニンマリしてしまう手元クロス。てぶくろちゃんと着けてます笑。

いつ見てもニンマリしてしまう手元クロス。てぶくろちゃんと着けてます笑。

*原文は Put on your mittens, you silly kittensだったんですね。谷川氏の翻訳は日本の肝っ玉かあさん風の口調で、これはこれで面白いですね。

◉Etsy shop:TubbingRummy も引き続きよろしくお願いします=^..^= New! ねこZine「Nekorama」vol.1 つくりました。新作ブローチも近日入荷予定です。またZineはPeckhamにあるちいさな古本とZineのお店「BOOKS」でもお買い求めいただけますので、お近くの方はぜひ!

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About Author

さとりっぷる

旅行誌や情報誌、広告等の編集&ライターの仕事を経て2005年に渡英、デヴォン州に約9ヵ月、ロンドンに約4年滞在。2008年頃からベースを弾き始め、バンド活動を開始。2010年より東京—ロンドンを行き来し、2014年に結婚を機に拠点をロンドンに移す。現在は主に翻訳ローカライゼーションの仕事をしながら、DIYパンク/インディポップ/ガレージポップ系の複数のバンドで活動中。 Etsy shopオープン中です:https://www.etsy.com/uk/shop/TubbingRummy

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