虹色の小鳥をくれたキーナンじいちゃん

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【番外編】GLASGOW BAR VISIT 

私がいつもお世話になっている、ロンドン1大きくて
ワクワクしてしまうアートショプがOld Street からHackneyに
引越しをしたこともあって、Hackeny界隈をウロウロすることが多くなった
そう言えば、前回のおじさん天使ブックさんと会ったのも
Hackenyにあったバーだった

実は、今回のおじさん天使とは
エジンバラ在住の元祖おじさん天使であり
おじさん天使情報元のジンジャーを通じないで
偶然この町で出会ったのでした
やっぱり、ふつうの町ではないHackenyです

ということで、今回のおじさん天使のお話、始めます…

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駅から出て少し歩くと
私の前に多分70代だと思われるジャマイカ系のおじいちゃんが歩いていた
そのおじいちゃんったら!あまりにもカッコこと!!!
私は思わず少し離れながら後をつけてしまいました

少し進んだ所で、細い横道から
学校帰りと思われる小学生が3人、突然私の目の前に飛び出してきて
そして、彼等は先を歩いているあのカッコいいおじいちゃんを発見!
すると、知り合いだったらしく
「キーナンじいちゃん!キーナンじいちゃん!キーナンじいちゃ~ん」と
何度もおじいちゃんの名前を大声で呼びながら走りだしました
だから、私も少し早足になって、ついて行きました…

真っ赤なパンツと茶色い皮ジャン
それに大きく膨らんだ紅い帽子を被った
クールなジャマイカンのキーナンじいちゃんは
3人の姿を見るととても嬉しそうな笑顔になって
ポケットから、何かキラキラとした丸いものを取り出して
子供一人一人の名前を言い、そして祈を捧げるようにそれを渡しました
子供達は大喜びで、キラキラした丸いものを空にかざしながら
公園に向かって走り出していきました

その時、近くにいる私と目が合ったキーナンじいちゃんは
私の目をじーっと見つめた後、にこりとして
「では、あなたにはこれを差し上げようか…」
と言いながら、大きく膨らんだ帽子をとって、その中から
なんと驚いたことに、虹色の小鳥を取り出して、私の肩に乗せてくれたのです
小鳥は私の肩の上に乗ると早速歌い出しました
魔法でもかかっているようなその小鳥の歌声は
それはそれは美しく、私は目を瞑ってうっとりと聴き入ってしまいました

目を開けると、キーナンジイさんの姿はなく、肩の上の小鳥は
相変わらず美しい声を奏でています

私は、歌う小鳥を肩に乗せながら公園の方へ向かいました
すると、さっきの3人の子供達が遊んでいました
驚くことに、キーナンじいちゃんからもらった
あのキラキラ光る丸いものが、あんなに小さかったのに
野球のボールぐらいの大きさになっているではありませんか!
みていると、それはまた少し大きくなったようです…

子供達のところへ行くと、私は訊いてみました
「ねえ、そのボールは何?どうして大きくなったの?」
「あ、これね、ヒカリボールっていうの
光に当てると大きくなっていくんだよ!」
「もう少し大きくなったら、ドアを開けてその中に入ったら
シャボン玉みたいにふわふわと飛べるんだよ!あの木の高さぐらいまで」
「でもね、もうすぐ夕方になって光がなくなるから、今日はもうあんまり
大きくならないと思うよ」

なんだか、夢みたいな子供達の話を聞いていた時
私の肩に乗って相変わらず美しい声で歌っていた小鳥が
突然飛び立って、一本の大きな木のてっぺんにとまり
そこでまた、美しい声で歌い出しました
すると、不思議なことにその歌声の中からパラパラと何かが落ちてきました
子供達はそれをみると、落ちてきたものを拾い集めて私にくれました、そして

「キーナンじいちゃんから、あの小鳥もらったの?
本が出来たら読んでねー」

なんだか訳のわからないことを言うと、子供達は走って行ってしまいました
子供達がくれたものをみると、それは切り抜いてある文字でした

その時になって、氣がつきました

「なんだか、キーナンジイちゃん怪しいな…」

Khenan

そして私はその晩
エジンバラにいるジンジャーに電話をしたのです

「ねえ、ジンジャー、さっきさキーナンジイちゃんって呼ばれている人に
出会ったのだけれど、彼さ、おじさん天使でしょう」
「え!ロンドンでキーナンに出会ったの?さすがだね~
ところでさ、そう言えば、あれ話したっけ…」
また、ジンジャーの長話が始まりました

とにかく、やはり思った通り
キーナンじいちゃんはおじさん天使だったのです
私は、最近おじさん天使をすぐに見つけることができるようになったのだけれど
彼のことは、まったくわからなかった、悔しいな…
それをジンジャーにいうと「すぐに見抜けないおじさん天使は上級者なんだぜ」
と、言っていた

「で、何かもらった???」
「うん、虹色の小鳥」
「あ、そう、よかったね、だったら、どんどん書けるね」
「え?それ、どういうこと?」
「その小鳥が来たってことは、もうお話に困らないってこと」
「なにそれ…?」
「文章を書くのに、アイディアとかさ、そういうのにもう困らないってこと
つまり、小鳥がいろんな面白いことを、君に話してくれるってわけ
あ、そこにはただ1つ条件があるよ」
「え?条件があるの?」
「そう、当然のことながら、宇宙ルールを守って使うってことだよ」

電話を切ると早速私は
さっき子供達が拾い集めてくれた言葉の切り抜きを広げて見た

不思議なことにバラバラになっていた言葉が
私の頭の中でどんどんつながり始め、あっという間に面白い
お話が見えてきたのです

まあ!

私は、おじさん天使のキーなんじいちゃんにもう一度会いたくて
その後何度かHackeny近辺を歩いたけれど、彼を見つけることができなかった
悔しいけれど、ジンジャーに彼の居所を教えてもらおうと思って
電話をしたのだけれど、なんとさすが上級者のおじさん天使は
神出鬼没で、ジンジャーにも居場所がつかめないのだそう

という事は、私はかなりラッキーだった、ということ?
でも、あの子供たちはおじさん天使のキーなんじいちゃんを
よく知っていたみたいだし、やっぱりあの辺りに出没するのだろうか?

そう思って私は、こんどは子供達も探しながらHackenyを歩き回ったけれど
子供達も、おじさん天使のキーナンじいちゃんも見つからない…

* * * * * * *

あの虹色の小鳥?
それがね、面白いことに私が何かを書き出すと
どこからか小鳥が飛んでくるようで、その美しい歌声が聴こえてくるの

私の眼の前に、子供達が拾い集めてくれたような
あの言葉の紙はもう落ちてこないけれど
でも、その代わりに私の頭の中にその紙が出てくるから
面白いお話が、どんどん見えてくるようになりました

ジンジャーが話してくれたけれど
おじさん天使のキーナンじいちゃんが私に
虹色の小鳥をくれた意味は、これからだんだんわかるのだそう

つまり…
その人に必要なものをプレゼントしてくれるのだとか

ねえ、貴方は何が欲しい?

そういえば、ジンジャーが話していたけれど
世界中の政治家やテロリストのところにも
おじさん天使のキーナンじいちゃんは訪ねているらしい

おじさん天使のキーナンじいちゃんは
ふっと、どこかで現れて貴方に必要なものを授けてくれるはず
そうしたら、そのプレゼントを存分に使いこなしてね!

【地球をもっと楽しくて、愉快なところにしていこう】

おじさん天使のキーナンじいちゃんからの
それが、メッセージだと私は感じたのでした

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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