ヴィレッジ・アルフレスコ

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cafevisit


ロンドンの、町の一角を「ヴィレッジな...」とよく表現する

パッと見て、お洒落なお店が集っていて、楽しげな空気感が漂い
近所の住民が集うような一角

ロンドンのあちらこちらの町角にあるこうしたヴィレッジには
カフェ/レストラン/お洒落なブティックや画廊/アンティックショップ
そして、昔からあるような、こだわりの店、魚屋さん/お肉屋さん/野菜屋さん
そしてチーズ屋さん/デリ/ワイン屋さん/花屋さんなどがある

繁華街ではなくて、ちょっと裏道に入った住宅地の一角にある
ローカル御用達の場所

今回のカフェがあるのも、フルハムにあるヴィレッジの一つ
メインロードを一本入った小径に、レストランやカフェが並んでいる

このカフェバー自体は特別ではなく、ロンドンのどこにでもありそうな
お店なんだけれど、ここで面白いのは
兄弟関係にある2件のお店(ピザ屋さんと、カフェ/アプレティフバー)が
小路を挟んで向き合う様に建っている点

どちらの店に座っても、両方を利用する事が出来る
その上、カフェバーの方には【3ポンドで食べ放題!】サービスがあって
これが、中々良いのだ

小路を挟んで、お皿とグラスを持って両方の店を行ったり来たり...
この店の常連さんである友人が、ここに連れて来てくれた時
カフェの方は満席だったので
(カフェの中には少ししか座る所がないので、ほとんどがテラス席)
反対側のピザ屋さんの方のテラスに座った
そして、3ポンド食べ放題の料金を払って,お皿をもらい
一皿目が終わって、そして一杯飲んでしまうと
お皿を持って小路を渡ってまた料理をもらって来る

th_2015-07-24 17.01.28

このスタイルは、夏の夕べになんともピッタリくるのだ

ロンドンの天気の良い夏の夕べ、街中にあるパブから人が溢れ出ていて
飲み物片手に、みんな楽しそうにお喋りをしている
立っている人がほとんどだけど、その辺に座っている人も

私もそんなパブを見ると一杯飲みたくなるけれど
でもこの光景は見ているだけで
開放感に溢れ、夏らしくてハッピーな気持になってしまう

私をここに連れて来てくれた友人は、犬の散歩がてら一人で
又家族や友人と、ちょくちょく来ているらしい

うん、凄くよくその気持がわかる

このお店には、ふらりと、立寄たくなるムードがある
人を楽しくさせることが出来る雰囲気をもっている

夏だから良いのだろうか?
でもちょっと想像してみた

クリスマスイルミネーションでキラキラと輝く
寒くて暗い冬の午後のこの一角に、やはり人は集る
狭いカフェの中はお客さんで一杯
テラスにもヒーターがついていて、毛布にくるまって座っている人達
そして、暖かいモルドワインを飲みながら
向かい合ったお店を行ったり来たりする私...

これも、ありだ!

ワイワイがやがやとなんとも楽しそうな声が聴こえ、絵が見えて来る

ちょっと話はずれるけれど
私は、ロンドンの冬も夏と同じ位好き

ほとんどの人は、暗くて寒くて長い冬が嫌いだというのだけれど
私は、クリスマスの明かりでキラキラした街を
コートにくるまって歩くのが好きだし
夕方前から電気を点けて暖かい部屋で過ごすのが好き
夏はどうも,外に出て遊びたくなってしまうけれど
早々と電気を点けたテーブルに座ると、落ち着いて仕事もはかどる
寒い外から暖かい家に戻って来て、ホッとする
あれが、なんとも好きなのです

私が子供の時
木枯らしの吹く寒い冬の日に、学校から戻って来ると
母はよく甘くて熱いココアを作ってくれた
ココアと一緒になぜかいつもピーナッツが添えてあった
あのコンビネーションの美味しかった事!
(だから、私は今でもココアにはピーナッツ!)
そう、これが私の冬の幸せの原点

ワクワクしたり、楽しいなーと、思う事は
そういうふうに、子供の時の経験から影響されていることが
多いのかもしれない

私が、このカフェの路を挟んで、飲み物を手にして
お料理をとったお皿を手にして
行ったり来たりするのが、楽しい

と感じる原点も、どこかにあるのかしら???

外で食べたり、飲んだりする、というのは
誰にとっても楽しい事なのだと思う
alfresco(戸外、野外での)というイタリア語源の英語もあるし

 

私の中にあるalfresco diningの楽しい想い出は...

1)幼稚園生の時の遠足で食べた、イチゴとクリームのサンドイッチ
これは、食の細かった私を食べさせるために、
と母が考えたサンドイッチで
私の大好物、野外で食べると余計に美味しかった

2)小学生の時、運動会の日に、校庭でお弁当を広げて大家族揃って食べる
いつもの校庭が、全く違って見えたことを良く覚えている、ウキウキした!

3)夏休み、大好きな海で泳いで疲れておなかがぺこぺこになった時に食べた
おにぎりの味!海の水のしょっぱさと、のりと磯の香、なんというご馳走!

4)中学生の時にやっと登った山の上でお湯を沸かして食べた
一杯のカップヌードルのメチャクチャ美味かった事!

5)私が高校生になったばかりの時に引っ越したマンションには
見晴らしのいいバルコニーがあり
ここで私達家族は春から秋にかけて、週末になるとBQを楽しんだ
親戚家族友人ががやがやと集り、皆で一緒に外の空気の中で食べる
あの美味しさ!楽しさ!

6)数年前ハワイに行った時、朝早く起きて海辺のベンチで
爽やかな風の中、波の音を聞きながら、コーヒーを飲んだ、あの幸せなひととき

7)最近行ったスコットランドの海辺のパブのテラスで食べたのは
私の大好きな海老、ラングスティン!太陽の下で、エールを飲みながら
手でがつがつと食べた!最高=!

8)そして、ついこの間近所にある公園(スクエアー)の芝生に座って
設置されている大スクリーンでウィンブルドンマッチを観戦した
これも、野外で皆と一緒に一杯飲みながら観戦していると、ドキドキ感が増す!

レストランやカフェのテラスに座って食べる事も、野原やビーチや
近所の公園でのピクニックも全部alfrescoは、部屋の中での食事とはちがう

外の空気の中での食事は、小鳥の声や波や潮風の音、街の音が聴こえ
開放感があって、お料理はより一層美味しく感じられる
そして話を戻してこのお店、
ここでは、小径を挟んで行ったり来たり...

これが、考えてみれば何でもない事なのだけれど
でも、私には何か特別に感じられ、ワクワクしてしまうのだ

スペインに行くと、タパスバーを一軒づつ食べ/飲み歩くけれど
この習慣がイギリスにもあればいいのに!と、思う

ちょっと食べて、一杯飲んでは、次ぎのお店へ...
私は、多分このカフェで、タパスバーを行ったり来たりする
あの楽しさを感じるのだと思う!

観光客の居ない、一本入った小径にある
街中の小さなヴィレッジに
このお店はピッタリとはまる

私は残念ながら、ここのローカルじゃない
でも、年に数回この近辺に来なければならない用事があるので
その時にはまたこのお店に寄りたいと、思っている

本当は常連さんの友達のためにも…
あまり皆に教えたくない
秘密のカフェにしておきたいけれど

でも、天気の良い、明るい夏の夜に、お散歩がてら
3ポンドの前菜をつまみながら食前酒を一杯!
是非探して行ってみて!

【きょうのヒント】
フルハムブロードウェイのメインの通りをちょっと入った所
目指すは、ヴィレッジ!

【前回のこたえ】
FIX 126
126 Curtain Road, Shoreditch EC2A 3PJ
opening hours: 7:00 – 1900 Mon-Fri, 8:00 – 19:00 Sat/Sun

 

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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