地の果てカフェ

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cafevisit


なんども、つい口から出てくる

「ロンドンって、本当に知らない所がまだまだ沢山ある!」

という言葉

私は特に、カフェ探しでロンドンを歩くようになって
いつも、この言葉が出てくるようになった

そして、尽きることのない、面白い発見の連続に
ロンドンという街に、毎回心底驚いてしまう

先日散歩をしている時に、見つけたこのカフェは
多分その最高峰の一つだ

運河の際に建つ
私がずっと探していた水辺カフェをついに見つけたのだ!

それも、すごい場所に!

月の半分は東京にいる夫が、ロンドンに戻ると
私達は、週末プチ冒険旅行をよくする

けれど旅行に行かない時には
ロンドン市内やその近郊の探検に出かける

先日は、そんなプチ探検散歩で
我が家からテムズ川に沿って東へ歩いてみた

金融街のCanary Wharfは
17世紀からドックランドとして発展した場所で
第二次大戦中、ドイツ軍による空爆で破壊されたものの、それを建て直し
ドックランドとして、再び動き出した、しかし1970代になると
大量のコンテナを対処することが出来なくなり、海運業は海湾へ移り
そして1980年代、ロンドンドックランド都市開発が始まり
ドックランドは、金融の街に変貌を遂げたのだ

これが、簡単な私が暮らしているCanary Wharfの歴史だけど
超近代的な建物が建つ街にも、テムズ川沿いを歩くと
大昔の石畳の小径がまだ残っている場所を発見する

ネルソン提督がよく通ったパブがあったり
彼が暮らしていた家も残る石畳のその小径を通り抜け
タワーマンションの脇を通ってずっと、そのまま東へ進む!

そうすると、バードサンクチュアリーのある公園があったりして
雰囲気がまたガラリと変わるのです

その上テムズ川の向こう岸には、O2(ミレニアムドーム)が見えて
こっち側と向こう側のコントラストが、とても面白い!

公園を出ると、その先には
ちょっと怪しげな道が続いている

そこは、「暗かったら、怖いな…」
という、雰囲気が漂う道

…工場跡地のような?

寂しくて、チョッと恐ろしげなこの辺りなんだけれど

怖そう、というだけではなく
そこには何か気になるものもある

それは、書きなぐってあるイタズラ描きや
壁にちょっと描いてある絵が凄くオシャレであること、とか

私の憧れの倉庫を住宅に改装した
かっこいいブロックが一つポツンとある、とか

そしてその前には、何これ?!
と、笑ってしまう
木の生えた変なタクシーの彫刻が!

廃墟と化したような寂しげなビルには
へんてこりんな、大きな白い魚がぶら下がって風に揺れている…

アートなこの雰囲気
一体この路どこに出るの???

と、思っていると

「うわー!!!!こんなところに、こんなヴィレッジがあるんだ!!!」
「何?!ここ一体何なの?!ちょっと〜、本当に凄く面白いじゃない〜!!!」

と、いつものように
語彙力がなくて、申し訳ないけれど

こんな驚きの言葉が
口からどんどん飛び出してくるような場所に、出るのだ

先ず、ほとんどの人には、この場所に行く用事がないから
ここは、普通じゃ絶対に、見つからない場所
だと思う

しかしながら
その水辺に押し出され、隠されているような昔の船着場には

デザイン系会社やアート&ミュージックのスタジオ
3つの学校、ビックリしてしまうこと間違いなしの
可愛いスウィーツショップなどなどがある
その上、なんと!
1000年間創り、流し続ける、という音楽イベントを
かつては灯台だったタワーの中でやっていたり…と

ここは知る人ぞ知る
小さなロンドンアートビレッジだったのだ!

そして、このアートビレッジにピッタリなコンテナカフェが
入り口正面にありました!

これは、私がずっと探していた水辺カフェ!
調度、この時は満ち潮だったので、まるで船に乗っているような感じもする

th_ChinoHate

ロンドンアートビレッジにある水辺カフェ!
そこは、私が探していた理想的なカフェだったのでございます!!!

さて、ここに集まるお客さんは
だいたい、ここに関係している人達だからアーティストなのでしょう

アーティストは親切で、優しい人が多いから
このカフェにいる人達も,なんだかみんなとても感じがいい

狭いコンテイナカフェの中を見ると面白いものが沢山ある
隣はチェスが出来るテーブルだ
私のは、デコパージュされたテーブル
その上にいたずら書き用の
水彩チョークペンが置いてある!

パーカッションや、ギターが壁にかかっているから
音楽好きなオーナーなのだろうな
天井からぶら下がっているジャムの瓶には
夏の間は、花でも生けてあったのかしら?
今は、何もなく、ただ濁った水が入っているだけ
そういうところが、いいなぁ

キッチンだってコンテナの一部だから
カフェキッチンとしてはかなり小さい
これじゃあ、注文が殺到したら大変なはず

でも、なんだか楽しそうに、お客さんと笑い合いながら
注文をとって、忙しそうに料理を作っている

そして、そのお料理は…

ブランチタイムに行ったので
メニューは色々あったけれど、私はただトーストと卵とコーヒーの
朝ごはんを食べた

これは昔ながらの、オシャレではない町では今でもよく見かける
労働者カフェ的な、ブレックファーストでした

だけど、このカフェであれば、普通の朝ごはんだって
なんだか美味しいし、楽しくなる!

窓の外に目を移すと、テラスには鉢植えや色々なモノが乱雑に並べてある
きっと全てが、オーナーの大事なものなのだろうな…

いつまでも、明るい夏の夜
この水辺のテラス席はさぞかし気持ちがイイでしょう

でも、冬の今は、テラスの蒔きストーブに火がついているから
ストーブの近くの席で、毛布にくるまって温かい飲み物をいただく
オォ、なんという、幸せ…

ついに見つけた!
探し求めていた水辺カフェ!

諦めないで、なんでも探せば
こうやって、見つけることが出来るのだ!

私はこんな風に
何かを常に、探し求める、追い求める人生が、好きだ

【追い求める情熱が、全ての原動力】

これ、私の元気が出る言葉です!

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【きょうのヒント】
さて、今回のヒントは駅はDLRのEast India Quay
バードサンクチュアリーのある公園を探せ!
そこを横断して、例の
ちょっと怪しいクラフティーな感じの通りに出る
あとは、ビレッジまでそして、カフェまでまっしぐら!

【前回のこたえ】
The Four Seasons Canary Wharf
46 Westferry Circus, London E14 8RS

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東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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