アーティストの原点

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cafevisit


今回は
『イイ雰囲気のカフェを探して楽しむ』
その趣向から、かなりずれてしまった

先日ショッピングの後、人混みにかなり疲れてしまい
どこか良いカフェに入りたくて探したけれど
中々決まらなくて

諦めてもう帰ろうかな?って思った時に

あ、あんなところにカフェがある!

下から見あげると
ちょっと面白い位置にカフェがあったので

そういうのもたまにはイイか
と、思って行きました

名前を言ったら

「なんで、ここでそんなカフェを取り上げる???」

と、編集長様に怒られてしまいそうなんだけれど

ごめん!許せ編集長

だから、カフェ自体については
あえて書くことはあまり無いので

今回も、カフェに座って考えたことを書くことにします

この日私は、アップルストアーに用事が出来たので
Canary Wharfの我が家から近い
Stratford CityにあるWestfieldに行きました

相変わらず巨大なショッピングモールは
いつも人でごった返していて

そのモール内の面白い位置にあるカフェからも
たくさんの人達が、ぞろぞろと歩いているのがよく見えた

th_Westfields Mand S大きなブランド物のショッピグバックを
いくつも自慢げに持っている人が結構いる

そんな人達を見ていて

このモール全体で
一体、1日幾らぐらいお金が動くのだろう

と、考えた

そして、またいつもの妄想の始まりだ

もし私がここにお店を持っていたとして
これだけ沢山あるお店の中から
どうやって私のお店に人を惹きつけたらいいのだろう…?

ウィンドウには、私のファンタジーの世界を造って
歩く人が写真を撮りたくなるようなディスプレイにする

店内も、同じようにファンタジーワールドを造って飾り立て
常に小さなイベントをやって。人を呼び込む
外から見ると、なんだか楽しそうだ!と思わせる

考え始めたら、楽しくなってきた
だけど

高い家賃を支払うために、売り上げを上げなければならない
真剣勝負のビジネスと考えると

やっぱ、大変だ
私には無理

好きなものを創っているだけじゃ、売れない

まず創る前にターゲットを決め
その人が何を欲しがっているかリサーチして
そこから商品作りをしなければならない

というのは、ビジネスにおいて、常識だから

そう考えると、アーティストの作品でビジネスなんて
やっぱり無理なのかしら

だって、アーティストは自分勝手に
相手のことは考えないで作品創りをするものだから

相手の希望に合わせて作品を創る
イラストレーターの仕事とは
そこが違う

私は、今イラストレーション、つまり依頼を受けて
相手の希望に合わせて絵を描く仕事もしているけれど

自分のイイと信じているもの、創りたいものを勝手に創って
それを、どうにかして売り出そうともしている

でも、それは所詮無理なのかなー

そういえばね

先日友人にバシッと言われました!

私が

「今年は私のお蔵で何年も眠っている
お宝アートを出してきて、なんとか世の中に出して
それで大金持ちになるの!」

なんて、冗談っぽく(しかし真剣に)言ったら

「そんなこと考えていちゃいけません!
アーティストは、そんなことを考えるとダメになります!
それ(作品を使ってビジネスすること)は、他の人に考えてもらいましょう

あ〜あ、また言われてしまった

そうは言ってもね
じゃあ、誰がそのあたりのことやってくださるの???

と、心の中でもやもやモヤモヤ

そうは言っても、やっぱり私
いろいろな方法考えちゃうなー

だって、自分でやらなければ、誰もやってくれないし

こんなことを、思っていた時に

先週末、私はその彼女に誘われて
ジャズコンサートに行きました

Stanley Clarke&Hitomi Duo

久しぶりに驚いた!
感動した!

そして、私の心の中はグルグルに回ってしまい
頭はガーンと殴られた感じ

「こう言う事なんだな

彼女が言ってたことは

アーティストがしなければいけないことは
どうやって売るか?ということではくて

どうやって本物の質の高いオリジナリティーを生み出し続けるか?
ということを、常に考え、そして創り出していくこと

当り前と言えばそうなんだけれど
でもほとんどのアーティストは

お金が回らないので

どうやって稼ぐか、と言う土坪にはまって

結局作品を創るのを諦めてしま人も多い

イラストレーターはまだ良いにしても

油絵作家や日本画作家、陶芸作家、彫刻家などなど

良いものを創った!

と、思っても売れないし、売れても
ちゃんとやっているだけの金額では売れなくて

だからアルバイトをしたり、アート教室を開いたり

と、いろいろ考えなけばならない

そうしているうちに、疲れてしまって
良い作品なんて生み出せなくなってくる

でも、今回のStanley Clarke&Hiromiのパフォーマンスを観て
つくづく大事なことが何か

ということを、今更ながら
思い知らされた

アーティストの原点

それが、舞台の上で炸裂していた

そしてこのカフェのあるモールは
2012年にロンドンオリンピックが開催された
スタジアムや水泳競技場のある、Stratfordにある

あの夏も、私は

一瞬のレースに賭けるために、何年もそれをめがけて
トレーニングをしてきたアスリート達から

やはり同じようなことを、思い知らされ
私の体の中に、彼らから発散されるエネルギーをもらった

なのに、すぐに
あー、私なんて、ダメだな

って、思ってしまう

でも、やっぱり

あることに出会って、感動して
何か重大なことを感じ取ったのだったら

それを、私の中で育てないといけないのね

オリンピック選手や最高レベルのジャズミュージッシャンと
私は、比較したら一瞬でペッシャンコになってしまうけれど

でも、感じ取ったものを、やっぱりちゃんと受け止めて
私のこれからのエネルギーに

変えていかないと!

これが、私の今年の目指すべき道なんだわ…

*******************************

【きょうのヒント】
ショッピングモールでお買い物をする人達を眺めながら
(そしていつもやっぱり頼んでしまうスコーンと紅茶を頂きながら)

私はそんなことを考え

感慨無量なものが、じんわりと胸に浸ってきた

質が高くて、オリジナリティーがある作品を創っていく
というのは、かなり難しいことだ!

だけど、難しい顔をして仕事を続けたらダメだ
だって、突き詰めてやっぱり私しが目指すのは

遊びだから

これが、私のオリジナリティーであって

質を高める武器でもあるから

遊びをテーマに
楽しく、呑気な、ちょっと笑ってしまうような

そういうアートを私はきっと
死ぬまで創っていくのだと思う…

あ〜あ、どなたかお願いします
私をどうぞ、売り出して下さいませ!

さて、今回のヒントは
Stratford Cityにある Westfield内のカフェで
そこは、外から見上げるとガラス張り廊下にテーブルが並んでいて
なんとなく、電車の食堂車のような感じ

【前回のこたえ】
Said dal 1923
41 Broadwick Street, London W1F 9QL
11:00 – 23:00 Mon – Sat  11:00 – 22:00 Sun

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About Author

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東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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