Harris Cafe

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2000年ミレニアムの特別な年末年始を
まだ小さい息子達を引き連れて
スコットランド北西部にある
アウターヘブリディーズ諸島のハリス島とルイス島で過ごした

当時私達は、まだ日本で暮らしていたので
東京から飛行機でロンドンに飛び
クリスマスを夫の家族と過ごし、その後
ロンドンから車で一気に、山岳地帯ハイランドの中心部にあるFort Williamへ北上してそこで一泊
次の朝、北西部にあるスコットランドで一番大きな島、Skye島へ渡り、そこから今度はフェリーに乗り換え

ロンドンから出発後、2日目の夜にやっと到着したのが
地の果にあったハリス島だったのです

フェリーが着く小さな湾を囲んで
ハリス島の一番大きな町、人口約550人(2016年現在)のTarbertがある
そこからすぐのところにあるハリスホテルに私達は5日間滞在した

世界の様々な場所から集ってきた人達と数日間
朝食と夕食を一緒にとり
希望者を募ってのバススアーに参加して島巡りをしている内に
だんだんと仲良くなってくる
そしてメインイベントの大晦日の夜

それはシャンパンディナーから始まり、花火大会を楽しみ
その後のダンスパーティーで盛り上がり、続く午前4時頃から始まる真夜中のお茶会
そしてその後の朝食、休憩後元旦の午後のバスツアーでの島巡り

と、かなりハードな大晦日・元旦の、強烈なハリスホテルの想い出が
私の頭の中にしっかりと残っている

小型バスツアーで巡った地の果ての島の印象がまた凄い
ホテルの部屋の窓から見える山の向こう側に
見たことのないような不思議な世界が広がっていたのです

島の東側は不気味な白とグレーの特色がある岩で覆われている不毛地帯が
ずっと続くそこはセピアカラーの世界

この白と黒と茶色の世界には生物を寄せ付けない雰囲気があり
ただそこに似合う生物がいるとすれば
それは太古の恐竜

今にもあの岩の反対側から
ヌッと恐竜の首が出てきそうな気がする

そして、島の西側に行くと
何でここに???どうしたの?

と、目を見張る、真っ青な海とホワイトビーチ!

天気の良い日に、このビーチを散歩すれば
カリブ海にトリップしている錯覚に陥ること絶対!

でもねー、ちょっと後ろを振り向くと
椰子の木がそよそよと風に揺られているはずなのに
そこには、おどろおどろしい岩肌の見える山と
荒涼とした原野に草を食べている羊がいるだけ…

 

 

こんな私の想像をはるかに超えていた
めちゃくちゃなコンビネーションが混ざり合っている
堪らなく面白いハリス島に

私は、是非もう一度行ってみたいと、あれから16年間ずっと思っていたのです

そして、今回
「ちょっとゴルフにでも行こうか…」ということになり
「じゃあ、まだ寒いし、スペインに?ポルトガルとか?」

なんて、思っていたら

「ハリス島に行くよ!」

という、夫のこれまたいつもに増して予想外の一言に

「ええ?????!!!ゴルフに、3月の地の果てハリス島?!?!?!?!」

私は驚いた!

 

「もう暖かいだろうな~、スペインかポルトガルか~嬉しいー」
なんて思っていたから
その予想が思ったよりもずーっとずれていて

私はかなりガッカリした…
でも、しょうがない、気持ちを入れ替え

「あのハリス島か…」

と、思い始めたら
出発数日前から、ワクワクしてきた

 

今回は車ではなく、我が家の近くのシティーエアーポートから
朝8:00前出発の飛行機でまずグラスゴーに行き
そこで乗り換えてルイス島へ飛んだので
午後にはもうルイス島の、前日の大雨でぐちゃぐちゃに濡れている
コンディションの悪いゴルフ場でプレイをしていた
(私のスコアーはコンディションよりもっと悪かったけれど…)

飛行機で行くと、遠く遠く地の果ての島だと思っていたところに
あっという間にさらりと着いてしまう

忙しくて時間がない私達には便利なことだけど
しかしやっぱり、あの【やっとやっと着いた地の果ての島】
のイメージが、簡単に崩れてしまったことは、ちょっとガッカリ
だけど、飛行機ってやっぱり便利だな…

 

さて、初めの2日間はルイス島に泊まり
3日目、いよいよハリス島に向かった

ハリス島に入っていく道のこと、山のこと海のこと
これらの記憶はほとんど間違っていなかった!
16年前に見た景色に再会できて、私はドキドキした

フェリーの船着場の周りにある
あの一番大きな町Tarbertにあるホテルを目指す

小さな町の入り口にどーんと新しい建物があり
その壁にSir E Scott Schoolと書いてあった

「こんな立派な学校は16年前になかったね」と、話しながら
その時何かこの町が、少し変化していることを感じた

そして、船着場、小さな町の中心に行くと、
そこには、16年前に計画話だけは存在していた
ウィスキー工場が出来ていた!

あれから、プロジェクトを組んで、世界中から投資家を募って
本当にウイスキー工場は出来たのだ

ホテルに行く前に早速入ってみると、暖かい暖炉が迎えてくれ
ミュージアム的なモダンな内装の中にショップがあり
窓ガラスで仕切っているオフィスが一角にあって
若いカジュアルスタイルのスタッフ達が仕事をしているのが見える
なんて素敵な酒造会社でしょう

 

残念だけど、ウィスキーが出来るまではあと4年待たなければならないそう

でも、もっと簡単に出来るジンは売っていた

試飲させてもらうと、「あー、これ美味しい!」

 

早速ジンやオシャレな関連グッズや本を買うことに
レジで対応してくれたスタッフは嬉々として色々な話をしてくれた

それは、このジンについて、又2020年に完成する予定の
ウィスキーについてそして
このプロジェクトチームについて

「ジンも美味しいけれど、このロゴマークやラベル

それが付いているボトルやラッピングペーパー、ペーパーバッグなどがとてもおしゃれ!」
私がそれを指摘すると、彼はにっこり微笑んで
「そうなんだ!この島には、すごいデザインチームがいるんだよ!」

 

そして、この工場の隣には、ハリスツィードの店も新しく出来ていた
私は、ずっと作りたいと思っていた
ダイルクロコダイル氏のツイード製クッションのために
ハリスツィードの生地を買い込んだ

夫はジャケットとセーターをゲット、16年前にも小さなお店はあって
覗いて、確かセーターを買ったはずだけど
なんだかチクチクとした肌さわりが好きじゃなくて
あまり着ないでいた

だけど、今回は肌ざわりも柔らかく
デザインも洗練されているものが多かった

 

16年前に来た時、この町には動きがなく
ただただ静かな、ちょっと寂し村という印象が強かった

けれど、最近ロンドンのあちこちでも
Harris Tweedの商標マークが付いているスタイリッシュな
バッグやお財布などを見るようになったと思っていたら

ハリスツィードは、大成功していたのでした

今回泊まったホテルも良かった
こんな地の果ての島で、こういうホテルに泊まれるなんて!
と、喜んだその建物、以前はユースホステルだったらしい

それを改装して造ったものだという
部屋も、レストランもバーもとても気持ちのよい
おしゃれなブティックホテルになっていた

 

この不気味で不思議で地球創生期と変わらないような
豊かな自然でいっぱいの小さな地の果て島が
こんなにも、経済的にも成長していたなんて!
新しいビジネスによって人口も増えているはず

島をドライブすると、あちこちに自然を壊すことなく
そこに溶け込むように建てられている
ホリデーハウスが点在している

観光客も増えたのだと思う

そうそう、鷲の棲息地があると聞いて
私たちは道路から2キロ山の中に入った恐ろしげな山麓にある
観察小屋に行ったのだけれど、ここにもきちんと管理された
とてもいい小屋が建っていた

 

 

ウィスキー工場やハリスツィードのお店、その他以前来た時にはなかったものは
沢山の人が関わって、コツコツと16年間積み上げて出来た成果
その成果に私は、驚き感動した

ハリスツィードは世界に誇れるブランドだし
完成度の高いウィスキーが4年後にもし出来ていなければ、完成を延長する
と話していた彼の情熱を感じた私は
ウィスキーも絶対に世界が認めるものとなると、信じている

どんな僻地にいても、オリジナリティーの高いものを持ち
夢と希望と情熱でそれに向かう行動を継続していれば

それで世界を動かすことができるのだ!
私は、16年ぶりにハリス島を見て
またまた感動し、刺激され

そして私の希望もぐっと広がった!

th_Harris Cafeーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【きょうのヒント】
さて、今回はハリスツイードのお店の人が
「コーヒーも美味しい
ツイード店のスタッフのお嬢さんも働いているしから!」
と、薦めてくれたカフェ

カフェで働いていた、彼女はいきいきと
とても楽しそうに仕事をしていた

今この島にはとてもいいエネルギーが満ち溢れている
島の人達の一致団結している活気を感じた
そして、私もまたこの土地から島民から
多くの勇気をもらったと思う

本当にいい旅だった

ウィスキーが出来る頃、また訪れてみようと思う

【前回のこたえ】
M&S Cafe at Stratford Westfield
STRATFORD CITY LONDON, Unit D3 WESTFIELD SHOPPING CENTRE, London E20 1EH
10:00 – 21:00 Mon – Fri, 9:00 – 21:00 Sat, 12:00 – 18:00 Sun

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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