ベンリもいい! シッパイもよし!

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cafevisit


地下鉄の駅の中にあるお店を
私は意外と利用しているな、と先日ふっと思った
それは、銀座、飯田橋、永田町、有楽町、表参道など
私がよく使う駅、乗り換え途中にあるお店のこと

ユニクロでソックスや下着を買ったり
スターバックスで一休みしたり
靴を直してもらったり、パンを買ったり
証明写真を撮ったり、コンビニでペンを買ったり、ATMで振込したりと
急いでいる時に乗り換え途中で、用事を済ませることができるのは
ホント、便利

ロンドンの地下鉄は出来たのが古いせいか
そういうお店や、ちょっと便利なものがないと思う

日本の特徴の1つ、それは便利さ
イギリスから戻ってくるたびに
「あ、便利だな~」と呟くことが多く、日本の生活の便利さに感動する

でも、あまり便利なことに頼っていると、能力が退化してしまいそうだ

[能力の退化] で、思うのは私のお絵かき

今、iPadを使って、イラストの仕事はほとんどしている
プリントにすると綺麗だし、画像を送ることもとても簡単で
昔々、原画を大事に持ってクライアントへ届けていたことを考えると
「なんて、便利なの!」と、いつも私は思いながら、使っている、だけど

「こうやって、いつも絵を描いていたら、紙と筆で描く
” 本物の絵 ” が描けなくなっちゃいそう…」

「広いスペースはいらないし、水も絵の具も用意する必要がなく
手も汚れないから、ベッドの上でも描けるし、飛行機を待っている間も
乗っている時も描けてしまう、これはホント凄いことだ!
私はiPad無くては、もう生きられない…」

なんて、感じてしまっていることに気がついた時には、怖くなってしまいました

そういえば、「怖くなってしまった」で、思うことが他にもある

それは、iPadで絵を描くようになって、私の親指が、おかしくなってしまったこと
今まで、人間があまり使わない動作をするようになったために、親指に負担が掛かって
ちょっと壊れてしまったらしいのだ!ま、これはやり過ぎらしいけれど…

これから、何世代も経つと
iPadで絵を描く人の親指は、それ用に進化しているのかな?
退化する一方で、進化もするのだろうけれど、進化するまでは待てないし…

でも、退化するのは、多分あっという間にしてしまいそうな気がする
だから、やっぱり筆と絵の具で絵を描くっていう、基本にも戻らないとね

小さな時からお絵かきソフトで絵を描いて育ってしまったら
筆と絵の具で紙に描くことが出来なくなっちゃうのではないか?と思う
色を塗るのも簡単だし、色を変えるのは一瞬で出来ちゃうし、ヤリ直しも何だって
パッとできてしまう、つまりそれは、失敗するっていうことが無い、と言う事

失敗の無い世界???これは、怖いです
失敗は成功の素と、いつも思ってすがっている私からすると
それは、恐ろしいこと、100%

失敗は、その失敗を上手く使えば、想像もしなかった面白い
抜け道、新しい道に導いてくれるから、私は失敗する事は怖く無い
むしろ失敗の無い世界は、怖いな

便利な世の中で、なにか大事なことを見過ごしてしまったら
と、思うとそれも怖くなる…

…とは言っても、やっぱり便利なことはイイ

私が今回入ったcaféは、そういう地下鉄の駅にある便利なcafé
(だけど、ここは改札を出た目の前だから、乗り換え途中では無い)
いつ見ても、ここは混んでいる
だいたい1人で来て、コーヒーを飲みながら、あるいはパンを食べながら
本を読んだり、ケイタイを見ても過ごす、多分平均15分の滞在かな

th_表参道

便利っていうのは、時間が短縮されること
絵を描く時間が短縮されると、たくさんの仕事もできるからとても助かる

でも、ありったけの時間をたくさん使って
キャンバスに向かって、じっくりと絵を描くっていうのは
やっぱり、好き

今度ロンドンに戻ったら、私は久しぶりに油絵を
描いてみようかと思っている

あのゆっくりとした時間の流れに身を置きたくなってしまったのです

便利になって、様々なところで時間を短縮できるようになった
だから、その短縮して出来た時間を貯めておけば
ゆっくりと昔ながらのやり方で、物事を進めることも出来るはず

素晴らしいテクノロジーを大いに使って、時間を貯めたら
今度はその中で、のんびりじっくり時間を使ってみる

これ、やっぱりとても大切だと思うな~

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【きょうのヒント】
[通り過ぎる人達] というイメージの絵
急いで入ってきて急いで食べて、次の目的地へと、急いで去って行く
みんな、この後どこへ行くのかな?と思いながらスケッチをしていた

で今回のヒントは、上に書いたどこかの駅
絵の中にちょこっとヒントあり
この駅、ちょっと楽しい、東京っぽいから好きだな

【前回のこたえ】
ブルガリ・ホテル&リゾーツ 東京レストラン
中央区銀座2丁目7番地12号
ブルガリ銀座タワー

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東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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1件のコメント

  1. カオちゃん
    日本は便利!
    でも早くロンドンに帰って来て~~~!!!

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