プロダクティブな無駄はある日

0

cafevisit


無駄なことをそぎ落として、思いついたらしなやかに行動する!

と、先週のカフェビジットで私は今年のテーマを更新したのだけれど
あれを書いた時から一つどうしても気になっている言葉があって
それが頭の隅から消えなかった

ということで、今回は前回の補足として
今年のテーマをもう少し書いてみようと思う

さて、その気になる言葉とは?

「無駄なことを省く」っていうこと

読後あまり心に残るものを感じない本を読んでしまった時や
なーんだ と呟いてしまいそうな映画やドラマを
ついつい最後まで観てしまった時
探し物をしていて、大事な時間を使ってしまった時なんか

あの時間無駄だったな…って思う

なんとなく、手にとって買ってしまったけれど
ほとんど使わなかった

無駄な買い物など、浪費も同じ

でも、今日書こうと思っている無駄なこと
というのはそういうことではない

無駄なことに見えるけれど、実はそれはとても大事なことだった
という無駄

それは、プロダクティブな無駄、というのかな

アーティストの仕事は、その無駄がとても多くて
そして、その無駄はとても大事で、ある意味要でもある

無駄だとわかっていても、やってみないことにはわからないから
とりあえず、気になったら、一回実験のつもりで試してみる
時には何日も費やして、完成に向けて制作する
そして、結果は?思ったようにはならず
受けいれられるものではないので、壊してまたやり直し

つまり、こんな感じの無駄

材料も、時間も無駄にしちゃったように思えるのだけれど
これは無駄に終わったのではなくて、良い失敗だった、と理解する

こういう無駄に思える失敗を繰り返して、最終的に成功させる
これはその過程だから、無駄ではないのだ

やってみないと、わからないことって山程ある
時間やお金や体力を無駄に使ってしまった
と、思ってもそれは、貴重な体験、経験、データとして残って
『いつかの何かのために必要なこと』にちゃんとなるのだから
無駄に終わるように見えるかもしれないけれど
やっぱり、そういうことは沢山やらないと進化しないのだ

若い時、それはアーティストに限らず、誰もがすること
体力もあるし、時間もあるから無駄なことをする余裕がある

学生が終わって社会人になると、またたくさんの有意義な無駄を重ね
それがだんだん進化し美しいカタチになり
ある日、無駄なものをそぎ落とした完成品、立派な社会人、人間ができる

だから、普通は年を重ねていくと、そういうプロダクティブな無駄に
時間とお金をつぎ込む、ということをする人は
減っていくのだろうと思う

だけど、アーティストの場合、それが幾つになっても変わらない、終わらない
なぜかといえば、完成品が出来たら
それをまた壊してみたくなってしまうからだ

さて、私は、普通の人が見たら、本当にただのゴミにしか見えない
こんがらかった糸くずや、小さな紙や布の破片やらなんだかわからないものが
押し込まれた小さな宝箱を大事に持っている
いつか小さな作品を創ろうと思った時に
それらが役立つ物であることがわかっているから

時々、アーティストの人生はその箱みたいだ、と思うことがある

いつ世に出ることができるのか?
いつ、売れるのか?
そんなこと関係なく、これはイイ!と思ったら
とにかく、どんどん創ってしまう
したがって、その箱みたいに私の人生には
創ったものがゴミのようにどんどん増えていく

ービジネスの基本
自分の売りたいものを売るのではなく
世の中が欲しがるものを売る

商業アートを創るイラストレーターもそういうことを
意識しないと、いけないと思う
私もイラストレーションの仕事をする時には、相手の意向に沿って創る

だけど、そうじゃなくて、ただ創りたい!と思う気持ちにただ従って創ってしまう時
世の中の人にとっては、ゴミのようなものでも
やっぱり、創ってしまうのだ

natural kitchen

私はどこに住んでも、幾つになっても
思いついたら部屋にこもってコソコソとハムスターのように
動きながら、何かを創り始めてしまう

無駄、などと思うことなく、創作開始してしまう

作品を沢山創ってみると、その中でたま~に、ピカッと光るものを
生み出すことができることを知っているから

だから、無駄は沢山しなくてはいけない
人生を無駄なことで溢れさせないといけない

と、信じてしまう
そして
また創ってしまう

無駄なことを沢山して、その中から必要ないものを次から次へとそぎ落とし
最終的に無駄のない、完璧な線一本だけをスッと描いただけの作品が出来たら…

なんて、夢想する

しかしそこまでいくには、少なくともあと300年は必要だと思うから
私の今世は、多分、死ぬまでプロダクティブな無駄を繰り返して
私の人生の箱の中に、どんどん創ったものを詰め込んでいくのだと思う

物作りにハマってしまったら、
終わりのない戦いだ、いやホント、その通り

2017年
沢山の【プロダクティブな無駄時間】の中で思いっきり遊ぶ

これが、今年のテーマ

+++++++++++++++++++++++++++++++++
【きょうのヒント】
今回のカフェは、私の大好きな 町Marylebone にある有名店
いつも混んでいるけれど、広いからいつもどこかに座れる
ささっとスケッチをした後は
ガヤガヤとした中でデトックスサラダを食べ
さあ!体に溜まっている無駄なものを、とりあえずそぎ落としましょう

この町に来たら、やっぱり覗きたくなるお店

【前回のこたえ】
The Design Museum
224-238 Kensington High St, London W8 6AG

Share.

About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

コメントを残す