ジェームズに起きたこと

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cafevisit


【It’s time to…】というタイトルで描いた50枚の絵が
フェースになっていて、それらの絵にはストーリがついている
という、島田カオルの腕時計がある

今回は、そのお話の一つを、ご披露致します

去年のクリスマスの前に
ここ「あぶそるーとカフェビジット」ページに載せた
クリスマスストーリーを含めた三話、あったでしょ?
あのシリーズの一話です

今回お話しするストーリーについている絵というのは

NY摩天楼のどこかにあるアパートの
大きな日の当たる気持ちの良いテラスで
主人公のジェームズがコーヒー片手に新聞を読んでいて
その傍らには黒猫がいる
という一枚

It’s time to read Sunday papers with coffee.
コーヒーを飲みながら日曜紙を読む時

なんていう、よくある日常の一場面をタイトルに絵を描こうとした時
確か、私はテラスにありそうな、黄色い長椅子を絵に入れたい
と、思って描き始めたのだと記憶している
この黄色は、私の好きな色だから、絵を描く時によく使いたくなる色

こんな風に
この色を使いたいから一枚の絵を描く!

こういうことは
意外と画家にはよくあることなんじゃないかしら?

この美しいモーブカラーのコートが着たいから買う!
そういうことと同じ意味で…

さて、このお話は、私のよくあるちょっとヘンテコなお話ではないけれど
この話を久しぶりに読んだ後、主人公のジェームズのその後の人生を
ちょっと追いかけてみたくなってしまいました

ま、とにかく
ジェームズのベリーショートストーリー、どうぞ読んでみて
そして、ジェームスが座っている、綺麗な黄色の長椅子がどんな椅子なのかを
ちょっと想像してみてください

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私の友人ジェームズは、毎週日曜日の午前中
大概このテラスにコーヒーと分厚いサンデーペーパーを持って出て
朝日の中で、のんびりと過ごしている

ジェームズは、過去に数冊上梓したこともあり
一応小説家と言うことだけど
近年はインスピレーションが湧かない、と理由をつけ
全く書こうともしていなかった

そう、ジェームズは
なまけもの売れない小説家なのだ

そのジェームズにはもう一つの顔がある
それは、オーガニックショップのオーナー

このオーガニックショップ、実は元妻がやっていた店だった

彼女は15年前、店の客だった素敵な男性と恋に落ち
唖然としているジェームスに
オーガニックショップと黒猫のウィスキーを残して
家を出ていったのだ

その店を閉めることもできず
慣れない仕事を引き継いでしまったジェームズは、心底疲れ果てていった

しかし、丁度4年目の春を迎えた頃
ジェームズは、意外とビジネスのセンスが自分にはあったのだ
と、自分の中に隠されていた才能を発見するようになってきた

そして、それまでは嫌いだと思っていたけれど
店に出て、人と会話を交わすことに
喜びさえ感じるようになった

そして、それよりも何よりも

ジェームスの人生に
考えもしなかった事が起こったのだ

それは…

ジェームスもお店に来る
素敵な女性と恋に落ち
幸せなストーリーが始まった、ということ

ジェームスはどうやら最近、店を閉めた後
夢中になって一冊の本を執筆しているらしい

その本の題名は

「恋が隠れる小さな店」

先日数年ぶりに会ったジェームズが
なんとも嬉しそうに、話してくれたこと

これが、私のインスピレーションになり
私も、また一枚の作品を描いている

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…ジェームズのその後、ちょっと気にならない???
私は、気になってしょうがない!
そのうち、私の頭の中でまたジェームズが歩き始めるでしょう

だから、その時をのんきに待つことに致しましょう…

Hammersmith Cafe

さて、今回のカフェは、私が以前住んでいたホランドパークから
それほど遠くなかったけれど、歩いたことが無かったエリアにある
この路を歩き始めた時から、カフェ勘が働いて
”ここには、絶対にいいお店があるはず!”
と、思っていたら、”やっぱりあった~、見つけたー”と思ったお店
名前はカフェじゃないのだけれど、午前中はカフェとして機能していて
私は頂かなかったけれど、美味しそうな朝ごはんを皆様食べていました!

近所の人たちが羨ましくなった、お店でした!

【きょうのヒント】
ヒントは
HammersmithとGoldhawk Rd駅の間にある樹木通りの真ん中ぐらいかな?

P.S)お店にいたオーナーらしき男性が
ジェームズにちょっと感じが似ていました!

【前回のこたえ】
Polpo Smithfield
3 Cowcross Street, London EC1M 6DR

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

1件のコメント

  1. ありそうなお話で、思わず引き込まれてしまいました。
    そういう「あるある」話の深いところって、気になりますね!

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