ダイルと私:古都エジンバラでの始まり

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cafevisit


今から、約10年ぐらい前のことです
それは、私がスコットランドの首都
とても美しい古都エジンバラで暮らしていた時のことでした

今思えばその後の私の人生が
すっかり変わってしまった、全ての始まりは
あの日、あの場所で起こったのです…

さて、このお話を始める前に少しだけ
エジンバラを知らない人のために
この街について書いておきましょう。

街の中心にある丘の上にはエジンバラ城があり
それは世界を支配しているような感じでそびえ建っています
この辺りは、中世(600年ぐらい前)の面影も残っているオールドタウンです
それとは反対側には、約200年前のジョージ王朝時代に建設された
美しくエレガントに整っている、ニュータウンがあります
この2つの町を中心に、今でもエジンバラは21世紀都市として成長しています

だけど、エジンバラの街には、ロンドンや他の都市では
感じることが出来ない、中世から続いている
少々摩訶不思議な空気が、今だに流れているのです
この街を歩いていると、魔法の粉を掛けられていると
あなたもきっと、感じるはずです

そうです!
この街だからこそ、私にもハッキリと彼の存在を
見ることが出来たのだと思います

10年前の夏の終わり頃、私はエジンバラ1 美味しいカフェに座って
シャーロックホームズを読んでいました
美味しい、クリーミーなカプチーノと、まだ温かい
焼きたてのクロワッサンを食べながらです

その時、ドアがギギーと開いて狭い店内に入ってきたものがおりました
それが、彼、Mr Dile Crocodileでした
狭い店内では、私の隣しか空いていません

隣に座ったMr Dile Crocodileと
一言二言交わしたことがきっかけでした

私達はその日から
お互いになくてはならない存在になってしまいました
と言っても、恋人になったわけではありません
私が、Mr Dile Crocodiledの興味深い話を聴いては
本にしていくという関係です

これが、呑気に絵を描いていた私が
本までも書くようになってしまった理由です
ま、私達のことは、いつかお話しすることにして
先を続けることに致しましょう

とにかく、これからお話しすることは、嘘のような、本当の話です…

Pitfields

* ***** * ***** * ***** * ***** *

Dile Crocodileの物語 ー幼年期ー
ワニですが、私は英国紳士です

1)
ワニですが…私は英国紳士です

名前をダイル クロコダイルと申します

ワニの私が、どうして英国紳士になったのか
知りたいですか???

それでは、知りたい、と思う人だけ
ここから先のページをめくってみてください…

* * * * * * * * * * *

これは、嘘のような本当の話です
もう50年ぐらい前にこのお話は
アフリカ大陸に流れるナイル川の岸辺の近くで始まります

その夜、空にはとても綺麗な形の新月が静かに浮かんでいました
真夜中の午前2時ごろのことです
それは、遠い遠い夜空の彼方からキラキラ輝きながら
落ちてきたのです、星のかけらでしょうか
新月のすぐ横を通ってナイル川めがけて落ちてきました

そしてその夜、同じ場所で同じ時刻に、ワニの男の子が一匹生まれました

まるで、遠いい星から落ちてきたように、ワニの子は生まれました

そのワニの赤ちゃんは、それからとても元気に育ちました
そこは雨が少なくて、とても熱い場所ですが
赤ちゃんの時から、ナイル川岸辺の泥んこの中で毎日遊んでいた
ワニの子供にとって、そんなことはへっちゃらです

その子供にはワニの学校へ通っている
大きな兄さんワニと大きな姉さんワニが沢山いましたが
このワニの子供だけ、他のワニとは少し変わっているところがありました
それは、何でも知りたがることでした
あまり必要のないことでも、知りたくなってしまうのです
父さんワニ、母さんワニに「あれなに?どうしてああなの?なんでああなの?」
こんな質問を朝から晩まで連発するのですが、父さん母さんワニはそんなことに
かまっている時間がありません
そこで、なんでも知りたがり屋のワニの子供は
大きな兄さんワニと姉さんワニが学校へ行っている間
毎日一匹で歩き回って
『知らないことを見つけて遊ぶ』
お散歩冒険をしていました

例えば、お散歩冒険中に
こんなことを学んだり、考えているようです…

この世の中には、ワニの母さん父さんがくれるお魚やお肉以外に
おいしいバナナやマンゴ、パパイアがあることを知りました
大きな兄さんワニや大きな姉さんワニが興味を持たない
バナナやマンゴやパパイアを見つけた時、知りたがり屋のワニの子供は
「何だろう?」と、ちょっとかじってみたのです
その時の驚きと言ったらありません、ホントに甘くてびっくりしました!

その他に、ワニ語以外にも鳥語があることを知ったり
「鳥のような羽があれば、僕も自由に空を飛べるのだろうか?」
と、飛んでいる鳥を見ながら考えてみたり
ナイル川に暮らしている物知り魚の、おじさんからは
魚語を少し習ったり、毎日遊んでいるこの川が
とても長いことなど、興味深いことを色々教わります
そして、『そんなに長いこの川の先の先の先の方には
一体なにがあるのだろう…?』
緩やかに流れるナイル川にプカプカと浮かびながら
色々なことを想像する、ちょっと変わったワニの子供でした

大きな兄さんワニと大きな姉さんワニは、全くそんなことには興味がなく
ただただワニの生活を楽しんでいましたので
ちょっと変わっている小さな末っ子のワニの子のことを
チビと呼び、変なヤツ、といつも仲間はずれにしていました

だけど、小さなワニの男の子は
そんなことおかまいなし、一生懸命に
大きな兄さん大きな姉さんワニについて行きました

それにしても
大きな兄さん姉さんワニと一緒に遊ぶのは
小さなワニの子にとっては、とても大変でした
何が、大変だったって?

大変!大変!なんたって大変なことは鬼ごっこ!
いつも一番初めに捕まってしまうのですから
いつも小さなワニの子は、鬼になってしまいます

それでも日が暮れるまで、お家に帰るまで
大きな兄さん姉さんワニを追いかけるのでした

でも、時々チビワニが得意になる時もあるんです!
それは、かくれんぼ!
やっぱり、体が小さいから、隠れるのはお手のもの
いつも、最後の最後まで見つかることがありません

だけど、このお得意のかくれんぼが
小さなワニの子供の一生を変えてしまうことに
なってしまったのです、が…
もしかしたら、これは生まれた時から決められていた
運命だったのかもしれません…

それは、いつものように暑い日の午後のことでした
その日は、兄さんワニも姉さんワニも学校が休みだったので
小さなワニの子は、朝から兄さん、姉さんワニと一緒に
かくれんぼをして遊んでいました
かくれんぼがお得意の小さなワニの子は
その日、隠れるところを探している時、見たこともない【袋】が
木の下にあるのを見つけました
それに案の定興味をもった小さなワニの子は
袋の中に潜り込んでみました
中には、みたことがないものが色々ありました
その中で、紙に包まれた茶色の丸いものがありました
匂いを嗅ぐと、いい匂いがしたので
ちょっと、かじってみたのです
何と甘いのでしょう!バナナよりも、マンゴよりもパパイアよりも
美味しいではありませんか!口に入れるとトロリと溶けて
溶けた中から、何かまた美味しいものが出てきました
こんなに美味しいものを食べたことがありません
うっとりする美味しさでしたので、ワニの子供は
丸くて茶色くて甘いものを全部食べてしまいました
暫くすると、なんだかとてもいい気持ちになってきましたので
かくれんぼ中の鬼になった大きな兄さんワニが見つけに来るまで
袋の中で丸くなってじっとしていることにしました
そして、いつの間にかぐっすりと眠ってしまいました

ふっと目が覚め、なにか揺れていることに気がつきました
袋から出ようと思っても、袋は揺れて出ることができません
大きな声で 「大きな兄さん~、大きな姉さん~、助けて~」
と叫びましたが、袋はずっと揺れ続け、誰も助けに来てくれません
小さなのワニの子供はなんとかそこから出ようと
もがきましたが、どうしても出ることができません
大きな声で叫び続けた声はかれて、だんだんと小さくなってしまいました
そして、ワニの子供は疲れ果て、ふたたびぐっすりと眠ってしまったのでした

To be continued…

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どうでしたか?ダイルクロコダイル氏のこと、すこしづつわかってきましたか?
わかってきましたね!続きを知りたいと、思った人はいますか?
もし” この続き知りたがり屋の人 ” がいたら、手をあげてください!

【きょうのヒント】
さて、今回のカフェは 私の好きな
トレンディーなイーストロンドンにあります
デザイナーの友人とショーディッチ横丁の裏路地を歩いていたとき見つけました
何氣なくふっと入ったこのカフェはあまりに楽しくて
私達2人は、カフェの中でちょっと騒いでしまいました
そして、コーヒーを飲みながら
「ロンドンの興味はホント尽きないね…」なんて話しながら
その店を後に、2軒目でランチを軽く食べ私達は素敵な午後を過ごしました
それでも物足りず、そこからバスに乗ってセントラルロンドンへ移動して
3軒目、4軒目のハシゴを楽しんで、一日中遊園地の中を歩き回るように
ワンダーランドロンドンで、ワンダータイムを過ごしました
あ〜楽しかった〜!!!!

で、ヒント…
Old Streetと、Bethnal Greenの間にあるなんとかFieldにあるよ!
ちょっと、難しいかな〜???でも、楽しい面白いカフェだから
ぜひ探してね!!!!

【前回のこたえ】
Caravan, Kings Cross
1 Granary Square, London N1C 4AA

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

2件のコメント

  1. 島田カオル

    メッセージどうもありがとう!
    今後のダイルクロコダイルのお話楽しみにしていてね!
    また、あぶそるーとロンドンのカフェビジットも
    (それと、おじさん天使も!)どうぞよろしく〜!

  2. メラカオル on

    何何何(^。^)なんだか訪ねたことのないところを散歩したりナイル川で遊んだり、いきなりカオルワールドに引き込まれてしまったわ(^。^)
    ダイル・クロコダイル氏は恋人では無かったのだね、そこは分かったよ(^.^)
    この後なぜエジンバラで暮らしているのか?カフェで何を話しているのかが、ちょっと楽しみやね( ^ω^ )

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