オペレッタが始まった!

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cafevisit


狭い路地を歩いていたら、窓辺においしそうなケーキが沢山並んでいる
とても可愛らしいカフェがあったので、入ってみました
日曜日だったせいか店内は満員!

でも、一つだけ私のために
小さなテーブルと小さな椅子が空いていたので
コーヒーを一杯頂くことにしました

コートを脱ぐ動作までが他の人の迷惑になるぐらい
ぎゅうぎゅう詰めの小さなお店です

ここは外から覗いた時
『おばあちゃんがやっているイギリスの田舎のティーハウス』
のような感じがしたのですが

でも、ドアを空けて中に入ってみると
外からの印象とはちょっと違います

小さなキッチンの中では、とても忙しそうに中年男性2人が
ケーキを切ってお客さんに出したり、サンドイッチを作っていたり
コーヒーを煎れたり、紅茶を出したり、とにかく忙しそうに動いていました

私の席は、キッチンの目の前
この席で2人のことを観ていたら
とても小さな劇場で2人を巡るお芝居を観ているような……

そんな気持になってきました

すると幕が開いて

オペレッタが始まった!

狭いキッチンから飛び出して来た一人が陽気に歌い出し
一人はカウンターの上に飛び乗って踊り出す!
靴をならして、タップタップタップタップ
舞台の袖からは、曲芸乗りで自転車小僧が出て来たり
ホウキの代わりに楽器を手にした掃除夫や
大きな袋に盗んだ銀食器を沢山詰め込んだ泥棒男に、
それを追いかける太っちょポリスマン、そのうち
犬やねこやねずみやカエルも飛び出して

小さな舞台はてんやわんやの大騒ぎ

ケーキを食べたり、お茶を飲んだりしているお客さん達は
食器を使ってカチカチカタカタ、リズムをとって
みんなも小さな劇場の中で踊り出す!

ウワッハッハと大笑い

ウワッハッハッハッハッハ〜!

フッフッフ……

そして、
舞台は変わり19世紀の下町のパブでのお話

2人の男達が一人の女性をめぐって争っている
恥ずかしげにうつむいている美しい女性と
大きなお尻とおなかと胸が出っ張っている大きな女

争っている原因は、あの小柄な美しい女性かと思ったら
美しい女性はパラソルを広げると舞台から降りて行く

そこに残るは、大きな女
男2人の争いはまだ続き
大きな女はそのうち眠たくなって
しかし男2人の争いは終わらずに
大きな女性は大きなお尻と大きなおなかと大きな胸を舞台の上で
ふるわせながら、ぐーすかぐーすか眠ってしまいました……

エプロンなしで次々と来る注文に対応しながら小さなキッチンで働く
なんとなくクラシックなイメージの2人を観ていたら

どういうわけか、こんなヘンテコな歌喜劇が観えてきちゃった!

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カフェの奥にはもっとスペースが実はあって、
ちょっぴり薄暗い穴蔵のような所にも、
人がギューギュー詰めに座っていました

うん、なんだか、やっぱりここは小さな劇場!
色々なドラマがありそうです。

*    *    *    *    *    *    *

【きょうのヒント】
ドラマを感じるこのカフェはグリニッチにある
週末開かれるマーケットプレイスからちょっと入った所
2人のおじさん達の働く姿を覗きに行ってみて!
そして、あなたが観たお話し、聴かせてね!

【前回のこたえ】
Carluccio’s, Fulham Road
236 Fulham Road, London SW10 9NB
020 7376 5960
Opening hours: 7:30-23:00 Mon-Fri,
9:00-23:00 Sat, 9:00-22:30 Sun

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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