イメージをひっくり返す

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「私は、ペパーミントカラーにしたい」

と友人が言った言葉にとても驚いた。

これは、もう30年ぐらい前の出来事。

20代中頃 私は 友人と、
裏原宿の小さな部屋を仕事場・遊び場として借りていた。

ある日、壁の色を変えよう、ということになり
友人のその言葉に、驚愕したのです。

当時の私には、ペパーミントカラーの壁、というのは、絶対にありえなかったから。

それは、暗くて、寂しくて、辛くて、悲しい色だったのです。

それは幼い時に入院していた、病院の壁の色だったのです。

『 ペパーミントカラーの壁』=『嫌な想い出が詰まっている病院』

このイメージに私は支配されていたので
どんなことがあっても、その色の壁の色の中にいることはできなかったのです。

逆に、友人が持つ、ペパーミントカラーのイメージはきっと
その色に囲まれていたい、と思う幸せなもので
それはどこかとても素敵な想い出からきていたのでしょう。

記憶の違いから生まれる、その感覚の違い、価値観の違いに
私は心底驚いたのです。

あれから、数十年たって、ペパーミントカラーのイメージは私の中で変化しました。
そして 今では、この色が大好きです。

病院での辛い記憶が消え去り、30代のペパーミント色との新しい
衝撃的な 出会いが、私のその色のイメージを、まさしく塗り替えたのです!

だから、幸せなことに今では、ペパーミントカラーの壁のこのcaféにいても
とても気持ちよく、ハッピーな時間を過ごすことが出来るのです。

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イメージが変わると
気持ちがこれほどにも変わってしまうというのは
考えてみるととても面白いこと。

『 泳げなくて、水が大嫌いだったけれど、泳げるようになったら
今度は水の中にいることが、大好きになった』

これは、『 出来ない が 出来る』   に 変化したので起こったことであり
好きになる『 理由や、意味』 が物理的にあるけれど
そういうことがなく、意識を変えただけで
あるものが嫌いから好きになる
というのは、面白い。

これは
『 現実とイメージの区別がつかない 脳の性質』らしい。

そして
『 そのイメージというのは、過去の記憶が原点だから
その記憶を塗りつぶして、新しく塗り替えたら
新しいイメージを持つことが出来る』
のだそうです。

私の体験、このペパーミントカラーに対するイメージの変化を思えば納得する。
嫌だと思うことのイメージを変えてしまさえすれば
色々なことがうまくいくようになる、
ということ。

では、 イメージを変えるのには何が必要?

それは、
『 インパクトの強さ』
だそうです。

ペパーミントのイメージが私のなかで変化して
この色を嫌いから、好きに変えた原点は、ロンドンのとてもエレガントな
家の壁の色を見たときだと思う。

結婚して、ロンドンで暮らし始めたころのこと
パーティーで訪れたエレガントな友人宅の
とてもシックな部屋の中で発見したペパーミントカラーの壁!

それは、あまりにも美しくて、衝撃的でした。
そのインパクトの強さをもってこそ、
それまであった私の遠い過去の記憶をサラリと消して
イメージをすっかり塗り替えることが出来たのだと思う。

過去の出来事からの 『印象』や、価値観からの 『意味付け』によって
『人間は、常に実体のないイメージに苦しんでいる』 つまり、そのイメージを
つくっている『印象』と『意味』を変えることにチャレンジしていくことは
様々な問題の解決に、繋がるはず
ということを、読んだことがある。

「 うーん、確かに!」

とは、言っても…

イメージを変えてしまうだけのインパクトの強さって、
なかなかあるものじゃない

まして、そのインパクトの強い刺激を自分で見つけたり、創り出して
『 イメージをつくっている印象や 意味 を変える』 なんて

どうやったらいいの?

広告費に莫大な費用をつぎ込んで
イメージ戦略をするようなこと、か……

こんなことを色々、ぼーと、しながら考えていたら
もっともっと楽しく幸せに感じることが出来るように、
嫌なイメージをオセロゲームのように
どんどんひっくり返してみたくなりました。

イメージをひっくり返す、ということは
自分の頭の中でする、ということなのね

つまり、私が幸せを感じることが出来る空間にいるだけでも
イメージはひっくり返っている… のかもしれない。

つまり、好きなカフェで、こうして、のんびりとするっていうことは
幸せになる方法の一つで、これはインパクトが意外とあるのかもしれない …

なーんて、ペパーミントの壁のカフェの中で
なんだかよくわからないことを、
ぼんやりと、考えながら コーヒーを頂いていたら

あらあら、なんだか本当に
凄く幸せな気持ちになってきたのでございます!

* * * * * * * * * * * * * *

【きょうのヒント】
クラーケンウェルのマーケット通りにある
南仏カフェです!

【先週のこたえ】
Reddoor
10 Turnpin Lane, Greenwich, London SE10 9JA
020 8858 2131
Opening hours: Mon-Sun 9:00 – 18:00

じゃ、又ね!

カオル

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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