子猫がやって来るニャア!ニャア!ニャア!(中編)

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ロンドン南東部のLewishamとCunning Townに施設を構えるアニマル・レスキューセンター、Celia Hammond Animal Trust。猫をメインに扱っているこちらは毎日一般公開しているわけではなく、Lewisham支部で土日の13〜17時にオープンデーを設けているのみです。直接問い合わせて里親希望の旨を伝えたところ、まずは例のごとくスタッフが家庭訪問にやってくることになりました。

そして当日現れたのが、両腕にタトゥーがいっぱい入った貫禄たっぷりの大柄の中年キャットレディー。斜めがけにしたバッグのフラップには、大きいネコのぬいぐるみ的なものがくっついてます。玄関の扉を開けて彼女を一目見た途端に、思わずワクワクしてしまいましたよね。独断ですけど、こういう強烈キャラの人って猫好きに多いような……笑。

と、見た目のインパクトに違わず、ご自身も猫数匹(5匹とか7匹とかだったと思うけど正確な数は忘れました)+犬2匹まで飼っているというこのキャットレディーがこれまたとっても親切で、いろいろ細かく説明してくれたのでした。前回の面談で猫なら老猫になる可能性大と言われて犬に気持ちが大きく傾いていましたが、このキャットレディーと話すうち、子猫から屋内飼いで育てるという選択もできることを知り、な、何!? 子猫? 願ったり叶ったり……。でも、 人間の事情で猫を屋内に閉じ込めてしまうことに少々抵抗を感じていたので、そのことを伝えると、「殺処分されてしまう猫がまだまだ数多くいる状況を考えれば、引き取って屋内飼いしてもらうほうがずっといいんですよ。ここはロンドンなんだし、飼育条件が限られてしまうのは承知の上です」とのこと。さらに、子猫から屋内飼いする場合は、2匹一緒に飼った方が猫にストレスがたまらなくてよいと勧められました。

そんな話を聞いているうちに、犬 vs 猫メーターの指針が180度回転して、ぐぐーーーんと猫の方に。その後もキャットレディーは、おすすめのオンラインペットショップ情報から、猫との遊び方に至るまで、正直、今言われても全然覚え切れませんっていうほどたくさんのアドバイスをしてくれて、全部話を聞き終える頃には、もうすっかりこのセンターからペアの子猫を引き取る気満々になっていたのでした。

しかしその後、日本に里帰りしたり、諸事情が重なったりして猫を引き取る余裕がなく、そうこうしているうちにクリスマスが迫ってきました。このシーズンは帰省でまたしばらく家をあけることになるので、年明けまでおあずけに。でも里親募集の猫たちが掲載されているCelia Hammondのホームページを毎日のようにチェックしていた私は、とりあえずこの目で一度猫たちを見てみたいという気持ちが募り、クリスマス帰省前の週末に、うちから徒歩圏内にあるLewisham支部のオープンデーに足を運んでみることにしたのです。

ローカルな商店が並んだ道沿いに立つ、古い建物の中に入っているCelia Hammond Animal Trust は、外から中を覗くことができないこともあって、つい素通りしがちです。私も以前この通りを何度か歩いたことがあったのですが、最初は見逃していました。

シャッターが閉まっていることが多いのでつい見逃しがち。道の反対側から見た方がサインが目に留まりやすい

シャッターが閉まっていることが多いのでつい見逃しがち。道の反対側から見た方がサインが目に留まりやすい

もちろん中に入るのは今回初めて。受付にいたボランティアの中高年男性に、猫を見に来たことと、以前キャットレディーの訪問を受けたことがある旨を伝え、書類に必要事項を記入。その後この男性が、私たちと、同じく猫を見に来ていたもう一組のカップルを猫舎に案内してくれました。外観同様、建物の内部も質素でやや雑然としている印象ではありますが、ボランティアの方々や獣医さんたちが熱心に忙しなく働いていて、思わず「お疲れさまです」と声をかけたくなります。

猫舎はいくつかの小部屋に分かれていて、各部屋に10〜12の大きいケージが備わり、その中に猫たちが入れられています。1匹で1つのケージを占領している、他の猫と仲良くやれない一匹狼のタイプも時々いますが、きょうだい猫の場合はたいてい2〜3匹、時には4匹とか一緒に1つのケージに入れられています。それ以外は通常、2匹で1つのケージをシェア。そして多くの場合、1匹はフレンドリーで人なつこく、もう1匹はシャイで臆病なタイプの組み合わせ。人間もそうなのかもですが、こういう正反対なタイプが意外に相性よくやっていけるもんなんですかね。思えば同じくCelia Hammondから引き取った友人宅の2匹の猫も、まさにこういう組み合わせです。

それと行ってみて思ったのは、ホームページの写真で見るのと実際に目の前で彼らの姿を見るのとでは、印象がかなり違うということでした。写真ではおとなしそうに見える猫が、実際にはかなり野生的な感じだったり、その逆もしかり。人間だって写真と実物が全然違うってことよくあるから、まあそれと同じですね。

屋外にも特大ケージがいくつか備えてあって、ここにはワイルドな半野生の猫たちが入れられていました。1匹、半野生とは思えないフレンドリーな猫がいたけれど、彼はトイレの使い方が覚えられないらしく、外に出されているのでした。半野生の猫たちも、ここでしばらく保護されている間に徐々に飼い慣らされるんだろか……そんなことを思いつつ、すべての猫舎の見学を終了。だいたいの雰囲気も掴めたし、年が明けてからまた出直すということで、この日はおとなしく帰宅。

そして年明け早々、再びセンターに連絡してアポを取り、ついにいよいよ本気で猫選びへ。スタッフが事前に私たちの飼育条件に適った生後半年ぐらいまでのペアを何組かピックアップしておいてくれたのに加え、私たちの方でも年末に訪れた際に見たタビーの兄弟ペアが気になっていたので、それも含めて5〜6組ほど順番に見て行くことになりました。

最初に案内されたのは、同施設の上階にあるフラットの部屋でケアスタッフが面倒を見ていた黒猫と白猫のペア。黒猫はすぐに私たちの足元にスリスリしにくるようなフレンドリーな子だったけど、白猫がもともとかなり臆病で気難しかったようで、 しばらく部屋に置いて様子を見ていたらしいのです。最初はそんな事情をよく知らず、何気なく白猫に近づいていってナデナデしたところ、「あら〜、この子が最初からこんなにリラックスしてて触らせてくれるなんて、きっと相性がいいのよ」と言われ、さっそくその気になりかけたけど、まあまだ1組目だし、もうちょっと見てみよう……と。

年末にも訪れた猫舎へ移動し、スタッフおすすめのペアをチェック。部屋ごとに使い捨ての手袋も用意されていて、これを装着すれば多少猫たちに触ることもできます。しかしどの猫も間近で見ると可愛くて愛着が湧いてしまい、見れば見るほど選べなくなっていくんですねー。しかも、例の組み合わせの法則により、片方はとても外交的でフレンドリー、もう片方は丸っきり正反対でケージの奥にじっとうずくまって、怯えたような目でこっちを見ている……というパターンが多いので、これまた決断が難しい。夫はかつて実家で猫を飼っていたことがあるけれど、猫を飼ったことがない私としては、最初からハードルが高いペアを引き取ることにも、正直ちょっと不安があったりもしました。

そしてさんざん(ほんとにさんざん)悩んだ結果、2匹のバランスが一番よさそうに見えた、タビーの兄弟ペアに心を決めたのです。

しかし、さんざん悩んでおきながら、実はまだ家に猫を迎える準備が整っていなかったので(だはは)、とりあえずその日は予約して1週間後に引き取りにきますと伝えると、「数日以上はキープできないので、準備ができた時点でまた連絡してください」とのこと。というわけで、その週末にさっそくペットショップに行き、トイレやらエサやら、手始めに必要な猫用品を買い揃え、再び連絡してみたところ……なんとこの兄弟ペアが、すでに他の人に引き取られてしまったというのです! にゃ、にゃんてこったーー!!

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About Author

さとりっぷる

旅行誌や情報誌、広告等の編集&ライターの仕事を経て2005年に渡英、デヴォン州に約9ヵ月、ロンドンに約4年滞在。2008年頃からベースを弾き始め、バンド活動を開始。2010年より東京—ロンドンを行き来し、2014年に結婚を機に拠点をロンドンに移す。現在は主に翻訳ローカライゼーションの仕事をしながら、DIYパンク/インディポップ/ガレージポップ系の複数のバンドで活動中。 ソロプロジェクト: https://dizzyfruit.bandcamp.com/ かなり気まぐれ更新のブログ: http://london-tokyo-pv.blogspot.co.uk/

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