子猫がやって来るニャア!ニャア!ニャア!(後編)

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年末のいろいろに追われっぱなしで、第3回目にして更新が遅れてしまいましたが、前回の続きです。
引き取ろうと思っていた兄弟猫が、ほんの数日の間に他の人の手に渡っていてガックリきたものの、まあ縁がなかったと諦め、気を取り直して再びイチから猫選びと相成りました。

今までウェブサイトでは最寄りのLewisham支部のページしか見ていなかったので、Canning Town支部のページもチェックしてみたところ、ジョーイという名の黒×白の猫の写真にビビビ!ときました。紹介文によれば、他の猫とも交流できるタイプの様子。それなら、この子と相性がよさそうな子を見つけてペアにしてもらうこともできるかも、と思い、さっそくLewisham支部からCanning Town支部に連絡を取りつけてもらうことにしました。

またもや誰かに先に引き取られちゃうかもとヒヤヒヤしながら、連日ホームページで状況をチェック。しかし待てど暮らせど連絡が来ない……。そこで思い切ってCanning Town支部に直接催促のメールを入れてみると、やっと翌日、メールが返ってきました。

「返事が遅くなってごめんなさい、たぶん私の責任です。Lewishamのスタッフから、誰かに連絡するようにと言われたんだけど、ものすごく忙しくて、連絡先の番号も見つからなくて、そのままになってました。本当にごめんなさい、私の携帯に電話ください。Celia」

そう、メールの返事はなんと創設者のCelia Hammondさんご本人からだったのでした。ともあれやっと連絡がつき、できれば今夜にでもジョーイを見に行きたいと気が急く私でしたが、実はCeliaさんたちはその時、ロンドン北部にて工事中の環状道路沿いにいる野良猫を危険から守るための捕獲作戦を遂行中で、大忙しだったのです。そんな中、「午前中の捕獲具合で夜、時間が取れるかも。明日お昼前ぐらいに電話をくれれば状況をお知らせします。明日がダメならあさって、それでもダメなら週末ね。土日の日中は確実に大丈夫ですよ」と、イギリスでは滅多に遭遇できないような細やか&フレキシブルな対応をしてくださり、感謝カンゲキでした。そして本当に、その翌々日の夜に私たちは猫を見にCanning Town支部を訪れることになったのです。

当日も、ご多忙中のCeliaさんご本人が迎えてくださり、これまたちょっと感動。さっそくジョーイの名を伝えると、子猫のケージが並んでいる部屋に案内してくれたのですが、実はまだホームページで公開されていない子猫もけっこういて、その中から屋内飼い向きのおすすめのペアも数組紹介してくれました。そんなわけでまたしても心が揺らぐ揺らぐ……。小さな部屋に延々居座って(2時間以上いたんじゃないかなあ)、気が済むまで猫たちと触れ合いました。

Celiaさんともう一人のスタッフは、ただでさえ忙しいのに、平日夜の訪問に対応してくれて、しかも長居している私たちに嫌な顔ひとつせずに接してくれました。私が「あーーーすいません、なかなか決められなくて……」と言うと、「大丈夫よ。そりゃ迷うわよねえ、ヘタするとこれから20年ぐらい一緒に暮らすことになるかもしれないんだから」。そうなんですよね。まあ暮らしてみないとわからないけど、人間と動物の間にだって基本的な相性というか、そういうのやっぱりありますよね。だからこそ「毛色&猫種で見る猫の性格」なんていうNAVERまとめサイトなんかもつい読んでしまうわけですし。

そんなこんなで悩んだ末、最終的に2組に絞ったのですが、どうしてもその場でどちらかに決められず、一晩考えることに。自分たちでも呆れるほどの凄まじい優柔不断ぶりです。

しかし猫舎にいる時は全然決断できなかったのに、センターを後にして自宅に戻ってくるまでに意外とあっさり私たちの心は決まりました。結局、私が写真を見てビビビ!ときたジョーイは、実際に対面したところ少々ワイルドな性格で、私はさほど気にならなかったのですが、夫はどうも直感的にピンとこなかった模様。第一印象がすべてではないけれど、悩んだ時は直感に従うべしということで、それならもう一組の方にしよう、ということになったわけです。

実際に会ったらワイルドだったジョーイ(左)と、彼とよく似た相方候補のにゃんこ

実際に会ったらワイルドガイだったジョーイ(左)と、彼とよく似た柄の相方候補だったにゃんこ。今ごろ彼らはどうしているかなあ

そしてついにその週末に、お目当ての子猫2匹を引き取りに行くことになりました。

土曜の朝、再びCanning Townのセンターへ足を運ぶと、ロビーは猫を引き取りに来ている人たちでいっぱい。スタッフによれば、週末ごとに40組ぐらい引き取られて行くそうです。ちなみに引き渡される猫はすべて去勢済みで、身元確認のためのマイクロチップも挿入されています。また、引き取りにあたっては寄付を納めるのが通例で、1匹につき少なくとも50ポンドが目安として提示されています。私たちは2匹ということで、感謝の気持ちも込めて150ポンドを寄付しました。

私たちが引き取る2匹の子猫は、まだ一般に公開されていなかったこともあって名前がついていませんでしたが、ちょうどクリスマス時期ごろに発見されたらしく、引き渡しの際に受け取った書類には、判別のために仮名として「Tinsel」と「Pudding」と記載されていました(かわいい笑。でも私たちは以前から考えていたTugboat(タムタム)とRumbelow(ラミー)という名を彼らにつけました)。

タムタムとラミーは生後約10〜12週間とのことでした。不妊手術を済ませたばかりのメスのラミーのお腹には大きな剃毛の跡がまだ残っていました。彼らにはほかに3〜4匹ほどきょうだいの猫たちがいて、母猫ともどもみんな一緒にケージに入れられていました。この猫一家は閉店後に放置された廃屋店舗内で発見されたそうです。比較的フレンドリーで元気なタムタムとラミー以外は、母猫も含めみんなまだ怯えていて、ケージの奥から鋭い目つきでこっちを眺めているような状態でした。彼らはあれからどうなったかなあと、時々ふと思います。その後、誰かに引き取られてハッピーに暮らしているとよいのですが。

さて、すべての手続きを終えた後、持参したケージにタムタムとラミーを入れて、電車で自宅へ。オスのタムタムは道中、全然物怖じせず、ケージの中から興味深く外を眺めたりしていましたが、ラミーはケージの奥に縮こまって震えっぱなしで、見ていて本当に可哀想でした。犬しか飼ったことのない私にはあまり想像できなかったけど、そりゃいきなり電車、人ごみ、喧騒とくれば、猫はパニックになりますよね。今ならわかります。ごめんよラミー。唯一よかったことは、すれ違う人たちがみなケージの中を覗き込んでは笑みをこぼしたり、話しかけてきてくれたりしたことでしょうか。犬猫と赤ちゃんに対する反応は万国共通ですね。

それでも何とか無事に帰宅して、さっそくケージを開けると、タムタムはすぐに出てきて周りをウロウロ。ラミーは怯え切っていてなかなか出てきませんでした。センターのスタッフに、猫が環境に慣れるまではまず一つの部屋から始めた方がいいと言われていたので、とりあえず私が普段仕事しているスペアルームから開放することにしたのですが、実はこの部屋、今まで意識したことがなかったけど、猫にとっては隠れ場所がいっぱいだったようなのです。

しばらくしてやっとケージからラミーが出てきたと思いきや、すぐにタンスの下に潜り込み、そうこうしているうちにタムタムの姿も見えなくなって、狭い部屋なのに彼らがどこにいるのかさっぱり見当もつかないという、まるで魔術にかけられたような、狐につままれたような思いを味わう私たちなのでした。本当に彼らは隠れ上手で、思いもよらないところから、見たこともない家具の隙間に入り込んで息をひそめているのです。最初は全然物怖じしていないように見えたタムタムも、やはり急な環境の変化で興奮状態なのか、はたまた今になってやっといろんなことを実感し始めたのか、隠れているところを覗き込んでにこやかに声をかけたところ、ものすごい怖い顔でシャーッと威嚇してきて、さすがに私、これにはヘコみました。反抗期の子どもを扱う親の気持ちが少しわかったような……。

しかし彼らはもうキャパオーバー状態だったようで、しばらくして2匹ともタンスの下で爆睡。身動きもせずあまりに静かに、死んだように寝ていて少々心配でしたが、こういうことは初日から慣れるまでの間によくあるとネットにあったので(初日から隠れていた猫がついに自ら姿を現すまで28日間も待った、というブログも見ました笑)、とりあえず気長に見守ることに。すると夕方になってまずタムタムが出てきて、早くも無邪気にオモチャで遊び出しました。ラミーは夜までほとんどずっと寝ていて、ちょっと顔を出してもすぐにタンスの下へ逆戻り。でも徐々に慣れてきて、翌日には元気な姿を見せてくれました。

こうしてついに、子猫が我が家にやって来たのです。ニャア!ニャア!ニャア!

2日目のタムタムとラミー

うちに来て2日目、天使のようなあどけなさを振りまくタムタムとラミー

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About Author

さとりっぷる

旅行誌や情報誌、広告等の編集&ライターの仕事を経て2005年に渡英、デヴォン州に約9ヵ月、ロンドンに約4年滞在。2008年頃からベースを弾き始め、バンド活動を開始。2010年より東京—ロンドンを行き来し、2014年に結婚を機に拠点をロンドンに移す。現在は主に翻訳ローカライゼーションの仕事をしながら、DIYパンク/インディポップ/ガレージポップ系の複数のバンドで活動中。 ソロプロジェクト: https://dizzyfruit.bandcamp.com/ かなり気まぐれ更新のブログ: http://london-tokyo-pv.blogspot.co.uk/

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