料理教室最終日

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realkyusyoku


いよいよ料理教室も今日が最後。思えばあっという間のコースであった。

はっきりってここで習ったものを家で作りたいか?といえば、答えは「NO!」である。
しかしながら、一応免許がもらえると思えば頑張れるもの。

今日はスポンジ系のケーキを焼くらしい。ジンジャーケーキ、チョコレートケーキ、レモンケーキの中から自分が好きなものを選び材料をそろえる。

「いいですか、それぞれ材料を選んでここで測ってください。そして火にかけたら
固まらないようによ〜く混ぜてくださいね」

チョコレートケーキを選んだなぽりんもすかさず材用を揃える。
いつものごとく少し出遅れているなぽりん、他の人に聞き込み開始。
今日は最初から最後まで先生の手を借りることなく自分でやらなければならない。

なんとか材料を揃え、火にかけた鍋でまぜまぜしていく。
他の人たちが混ぜる工程を終え、バットに流し込みオーブンに
セッティングしている中、一人焦るなぽりん。

(や、ヤバイ…先生に聞かないと………)

ところが先生が見当たらない。
仕方がないので、近くにいた人を捕まえて教えてもらう。そしてなんとか終了。
それにしても先生は何処へ??

誰かが「次はあなたの番よ!」となぽりんを呼ぶ。

「は?」
「そこの部屋で先生が待ってるわよ。」
「ん?」

どうやら、最終日なので先生と一人一人面談するらしい。
先生がいないなぁと思ってたら、これだったのか!

「はい、なぽりんさんここに座って。」
「は、はい」
「今日で4回のコースが終了します。なぽりんさん、作業は丁寧でフィニッシングもなかなか良かったんですが
問題はスピードね。もう少し作業が早くならないと、ダメなんですよ〜。
ん〜、しかしながら今回は合格と言うことにしておきますね」

「ありがとうございます!」

こうして、無事料理教室は終了した。

次の日の朝、いつものようにケリーが元気に挨拶してくれた。
「おはよう、なぽりん。昨日の料理教室はどうだった?」
「あ、無事終了しました」
「よかったわね、すごいじゃない」

ケリーはいつも優しく接してくれて、しかも彼女の英語はなまりがなく聞きやすい。
なんでも気軽に教えてくれるし、すごく感じがいい人。
もともとはホテルのマネージメントや厨房などで働いていたその道のプロであった。
スタッフの中で一番話しやすいのは言うまでもない。

しかし、そのケリーがあと数週間でここを辞めてしまうらしいことを他のスタッフから聞いた。

ガーン!

残念極まりない……。

早速、ケリーにどうして辞めるのか聞いてみた。
理由は、もう3年半もここで働いているのでそろそろ変化が必要だという事。
自近くの小学校で同じ仕事の募集があったのでそこに移るらしい。

「まあ、ほんとの理由はミスターCの小言に耐えられないからだけどね〜」

ん〜、なんとなく納得。

イギリス人社会ではあまり見慣れない小うるさいおじ様は、
女性スタッフの中で猛威を振るっているという状況であることは否めない。

さあ、この先どうなるのやら。スタッフ内の人間模様も紹介していきますぞ!

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つづく

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About Author

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福岡県出身。グラフィックデザイナー、アートディレクターを経て、2005年の結婚を機にイギリス・ロンドン郊外に移住。2009年出産後から専業主婦生活に。2014年6月より現在の仕事、地元中学校にてケータリングアシスタントを始める。幼少の頃より大のスピリチュアル・ファンである。

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