ホリデーシーズン真っ只中! 人気観光地で起こる地元の反発

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夏はまるで戦争よ――。わかります、水の都ヴェネツィアで観光客の要求に最大限応えながら地元住民の憤懣をうまく治める立場のパオラ・マールさんの心情。紺碧のアドリア海にいまにも沈みそうな小さな島へ、大型クルーズ船で押し寄せる人波はいわずもがな、近隣のガルダ湖やコルチナなどに滞在し、ひっきりなしにやってくる日帰りの観光客に悲鳴をあげたヴェネツィア問題について、複数の英メディアがタイムリーに報道。

バルセロナに続き、ディズニーランドと化したこのヴェネツィアでも歴史的価値を持つ市街地で新たなホテルの開業禁止が決定し、今後、ほかにも観光客数を減らすための方策が講じられるそうです。人気観光地で高まる住民の反発に、自治体が観光振興策の見直しを迫られる傾向は世界的なようですが、治安の悪いチュニジア、トルコ、エジプトを避けざるをえないヨーロッパ人の夏の観光地事情を、ロイター通信が紹介

旅行とツーリズムについての考察は、ガーディアン紙のこの記事が言いえて妙、でした。ともかく、朝から晩まで騒々しくて日常生活を乱され、マナーの悪い観光客は迷惑きわまりない? 地元にお金を落としてくれないばかりか、観光ホットスポット(とりわけAirbnb ユーザーの?)になったおかげで家賃が高騰、というお決まりのケースでは、地元民にいいことなし。ん? どっかで聞いた話やん? そうです、京都も苦悩してます。

先斗町も花見小路もいまでは情緒の欠片もありません。それでいて京都にはミシュランのホテルガイドで五つ星の超高級ホテルが4軒しかなく、タイは110軒だというのに日本全体でも28軒と、ヴェトナムと同レべル。かつては「爆買い」に沸いた日本ですが、バジェットプランの観光客を多く呼びこむより、超高級ホテルをどんどん建ててスーパーリッチ層に的を絞るべき、とはある経済学者の意見です。う~ん、その層でないので複雑な気持ち…。

さてさて、久しぶりの復帰コラムでしたが、この長らくご無沙汰、じつは長い旅に出てまして…。といっても物理的な旅ではなく魂の旅でした。まだ少し時間がかかるかもしれませんが、ようやく地に足がつきはじめ、ホリデーシーズンが終わるころにはもとの暮らしに戻れそうです!

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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