良い年になることを祈願した2015年が1週間すぎたとき、腹立たしく、そして虚しくなる悲劇が繰り返されました。フランスの政治週刊紙『シャルリ・エブド』が編集会議の最中にイスラム過激派の襲撃を受け、編集長と風刺漫画家を含む12人(その後も人質などの数名)が亡くなった事件に、いたたまれない気持ちになります。でもたぶん最も嘆いているのは、平和主義イスラム教徒のフランス人に違いありません。
新聞に掲載された風刺漫画がイスラム教の開祖ムハンマドを冒涜したとして、デンマークやスウェーデンで事件に発展したことは記憶に新しく、まやも名誉挽回のテロか、という感じでしたが、信仰の自由と同時に、言論・表現の自由は、洋の東西を問わず民主主義の基本原則中の基本。ところが、まさに民主主義の土台が生まれたフランスで、その二つが同時に守られることが、かなり難しくなってきてるのです。
ただ今回のパリ襲撃事件では、犠牲者を追悼し、表現の自由がテロに屈してはいけないと、「ジュ・スィ・シャルリ」(私はシャルリ)と書かれたプラカードや表現の自由を象徴するペンを掲げた人々が、事件直後から大勢集っていました。世界各地に抗議の輪が広がっているところを見ると、世界中の人々のあいだで、こういった流れをなんとか食い止めなくてはいけないという危機感が、募っていることがわかります。
とはいえ、信仰の違いが事件の背景というより、じつに複雑な社会的な問題が絡み、移民排斥や差別運動を勢いづくのは必至。バランスのとれた世界に戻すには、いまが正念場という感じがします。一方、風刺など存在しないに等しいニッポンでは、爆笑問題(お笑いコンビ)の政治ネタをボツにしたNHKの(なにかと右寄りな物言いが注目される)籾井会長が、「政治家名を挙げるのは品がない」とコメント。
政治家ネタが使えなければお笑い業が成り立たないような英国から見たら、こんなの考えられないですよね~。ますます混迷する時代の新しい年の幕開けですが、どうぞ今年も、あぶそる~とlondon(サイトにテクニカルプロ~ブレム?があったみたいだけど、無事復旧!! ほっ…)を、そしてUK News Hooplaもおひきたてのほど、よろしくお願いいたします!
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