春の嵐は神の意志? or 人為的な温暖化のせい?

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すっかり、ごぶさたしてしまいました。ここ数か月、新聞をじっくり読む余裕がなかったのですが、新しい翻訳本の入稿をようやく終え、くしゃみと鼻水に悩まされながら(まだまだ日本は花粉の季節!)、オンライン記事を読み漁る日々に戻りつつあります。

じつは「あぶLON」を欠席中、編集長からの宿題がありました。「気象データの改ざん」が発覚したという記事、どう思う?と…。気候変動の話題はいまや日常的。どの新聞にも関連記事の掲載がない日はないほどです。その半面、異常気象にも慣れっこになって関心が薄れつつあるいま、春は嵐の(多い)季節ですから、百花繚乱に喜びつつも自然災害に目を向ける意味で、タイムリーな話題かもしれません。

米元副大統領アル・ゴアが出演したドキュメンタリー映画「不都合な真実」に対し、科学的根拠に乏しいという専門家のあいだでの認識や、英高等法院が科学的な間違いを指摘したという話は、当時、メディアのかっこうのネタになりました。というわけで、この「気候変動懐疑論」に目新しさはないのですが、記事によると、気候変動を裏づけるデータを改ざんしたのはアメリカの公的機関。ふ~む、興味深い。

というのも、忘れもしません、2001年にアメリカが京都議定書から離脱したとき、当時の米大統領ジョージ・W・ブッシュが「われわれの経済を損ない、米国の労働者を傷つける」といったあの言葉。米国人はなんて正直な人なんだろう~と驚きました。環境問題は少なからず、どっちに転べばお得か?という各国の損得勘定で決定されているわけで、データを改ざんすれば、世論はいくらでも操れるような気がします。

そもそも科学的データをいうものを、わたし的には、鵜呑みにしないことにしてるんです。たとえば、「チョコレートに痩せる効果」などという分析結果は、仮説を裏づけるために、膨大なデータのうちのどれをとりあげるか、ということのようなので、全体を客観的に見ているわけではない、と。わたしの住んでる町の気温にしたって、ウェブサイトを見るとまちまちです。どこでどう計ってるかで、微妙にちがう?

というわけで、データをちょっと無視して、単純に自分の記憶をたよりにしてみた場合、日本の夏の気温は、子どものころと比べて疑いもなく高くなってます。ただ、温暖化といっても日本の冬が暖かくなってるわけではなく、夏は死ぬほど暑くて冬は寒い。地球規模では、海水温の上昇によって、スーパー台風にハリケーン、そして洪水と干ばつが多発してるというように、気候はますます極端になってきてます。

環境問題は、さまざまな側面にそれぞれ真実があるため、BBCなどは、(アンチEU&気候変動懐疑主義コラムニストのいる)テレグラフ紙やメール紙とはまったく別の見解を展開しているし、結局、どのメディアも完璧な正当性は示せないような気がします。それに、政権によって地球温暖化問題への取り組みは大きく変わりますしね(ちなみに、地球温暖化を信じるアメリカ人の割合は下がる傾向にあるそうな)。

でももし、地球の温暖化が人為的でないとしたら、ひょっとして神のご意志? 人類はなす術がないのか~。じゃ、努力しても無駄だからしたい放題に生きてみますか?てなことになっては大変ですぞ。各国の利害が対立し、わがままな人間ばかりで地球は可哀そうです。とまれ、メディアの影響は大きいけど、なにを信じるかは自分次第。冷静な目を!

ablon sakura4

 

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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1件のコメント

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    ウェルカムバック!! つい先日、御ブログを拝見して、「おお!」と思っていたところなの。脱稿、おめでとうございます♪ そして、またまた面白い記事をありがとう!! やっぱりメディアってフィルターかかってるというか、かけてるからね〜 ^^;

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