さよなら、ぷっくり顔のブリジッド

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対応の難しさが露呈するエボラ熱にイスラム国など、相変わらず心を暗くするニュースが多い中で、暗いのか明るいのかの判断はつけられないものの、最も印象に残ったニュースといえば、これしかありません。ご覧になられましたでしょうか? ブリジッド・ジョーンズの、あ、つまりレネー・ゼルウィガーの「新しい顔」を。

10月20日の「Elle Women in Hollywood Awards」の授賞式で、別人となってレッドカーペットに現れた女優に、先週は世界が驚愕。わたしはまず22日にガーディアン紙の記事で見て、やっぱりショックを受けたんですけど、自分が女優でなくてよかったと(なれるはずもないですが)安堵しました。その後、ニューヨーク・タイムズ紙など多くの有力紙も関連記事を掲載し、ショックはまだ尾を引いているようです。

いやいや確かに、目がくぼんでるし、あのぷっくり顔が消えた! 加齢のせいだけでなくメイクのせいもあるだろうし、掲載された写真はとりわけ老けて見えてて、ちょっと意地悪だなあ、とは思うものの、それを差し引いても、しばらく見ないうちにここまで変わってしまうもの? というわけで、(読み出すと半日つぶれてしまうことになるので)いつもは避けてるデイリー・ミラー紙にアクセスして、好奇心を満たすはめに…。

というのも、当然、すぐさま整形疑惑が沸き起こり(ご本人は否定)、美容整形による変身専門家(?)のマーク・ノーフォーク氏のお見立てでは、「あごの脂肪吸引」と「額のしわ取りによって細長い顔になった」。整形手術とボトックスはハリウッドでは常識ですから、たとえそれが事実でも、何の不思議もないんですけどね~。ところが、同専門家の個人的な意見はというと、「新しい顔立ちは彼女に似合ってない」とのこと。

余計なお世話と言わんばかりに、噂を「バカバカしい」と一笑に付したレネーは、「ありもしない邪悪な真実を探り出そうと、私の家のポーチのあたりでうろついてる人たちは、私が玄関まで出て行かないと気が済まない、そんな感じね」と応酬し、「みんなに自分が別人になって見えたのは喜ばしいこと」だし、「以前とは違う、幸せで、もっと充実した人生を送っているの。それが外見に現れていたようでうれしいわ」とコメント

それにしてもいつ顔が変わったのか? googleでレネーの画像を見てみると、急にではなく昨年あたりには別人の顔に近かった、と言っていいようなのです。顔が変わっても女優を続けられない顔になったわけでなし、感じは違うけどそれなりに美人。一方、デビュー時とはまったく違う顔になった松田聖子は、その「別人」の顔で世の中に記憶させることに成功し、52歳の現在もそのまま維持していて、こっちのほうが恐ろしい。

別人になった最たる例なら、マイケル・ジャクソンがすぐに浮かびますが、別人とは言えないまでも、ユマ・サーマンだって数年前から顔が変わって、明らかに昔とは感じが違う。年を取れば女優でも顔つきが違ってくるのは、避けられないことなのです。男優の場合は、それがプラスに働くことも多いみたいで、たとえば『ダウントン・アビー』のダン・スティーヴンスなど、痩せてワイルドに成熟し、別人の感じで売れてます。

ダウント二アンにとっては、いつまでもあの良家のお坊ちゃん、「ぷっくり顔のマシュー」でいて欲しかったのかもしれません(が、わたしは今のほうが断然好き)? それにしても今回のメディアの空騒ぎでは、正負の法則と女優への勝手な期待と、「顔が商売」という方々の影響力を見せつけられました。おそらく大半の人が、あのぷっくり顔のブリジッドを求めるあまり、熟女レネーに慣れるには、少々お時間が必要なようです。

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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