高島まき「正統派イギリス英語発音」習得への道しるべ ♪

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あるティーイベントで、同じテーブルを囲むことになった私たち女性4人。会話が弾むにつれ、皆さま「お茶を点てる」「お香を聞く」などの勉強をしておられ、花や道具、掛け軸と季節感を取り入れられたお作法に、奥深さや麗しさを日々感じていらっしゃるとのこと。これぞまさしく「一生勉強」の精神だなと、感心するばかりであった。

「茶道も香道も何事も、文学と歴史もあわせて知っていると、もっと雅な世界を知ることができていいだろうなあといつも思っているのですよ。」と笑顔で話しかけてくださった方がいらっしゃいました。なんとも心を打つ言葉でしょう。言葉のみならず、その方の声色、言葉と言葉の間が実に心地よく感じられたのです。自分とはかけ離れたその方の世界観に思わず入り込んでみたい、と思わずにはいられませんでした。上品で深みのある日本語を耳にしていたかと思うと、突然元気で力強い英語にチェンジする!私にはこの彼女のギャップがなんともたまらなかったのです。
高島まきさん。イギリス英語発音スクールStellavoce(ステラヴォーチェ)代表日本では数少ない正統派イギリス英語発音の専門家でいらっしゃいます。
発せられた言葉の持つ力。大きさであったり、リズム、そしてその力が感情と一緒になって私に伝わってくる。初めてお会いした時に感じた「言葉」或いは「音」と言ってもいいかもしれません。その心地よさの原因がぼんやりわかったような気がしました。その「音」の魅力を知りたい。そう思った私は、高島まきさんの講座に参加しようと決めたのです。
ひとこと話せばお里が知れる、イギリス英語発音の魅力」というタイトルで登壇された「イギリスを知る会」の定例講座に参加しました。「イギリスを知る会」は1990年4月に活動を開始。イギリスが大好きな方達の会です。英国各地の歴史、文学、教育、生活習慣など様々な分野についての講座が定期的に開催されています。

セミナールーム満席。年代も様々。大人気の高島まき先生の講座です。(こちらの写真はイギリスを知る会様より許可を得てお借りしました)

◆お仕事のきっかけとなったものは?
・言葉の音、音楽の音が大好きな「音」に敏感な子供だったそう。音を極めているうちに、イギリス英語発音の仕事に就かれた。
◆イギリス英語との最初の出会いは?
・中学生でお父様の転勤でドイツへ。イギリス人学校に通われる。土地はドイツだが、学校内は文化も含めすべてイギリス。逆にロンドンよりイギリス人度が圧倒的に高かったかもしれません。
◆3年ドイツで過ごされ帰国。その後は?
・日本の大学でドイツ語専攻。卒業後は再び渡英。ロンドン大学卒業。
◆その後の人生は?
・帰国後就職。本業の傍ら翻訳、通訳も手掛けられる。2004年独立。クラシック音楽通訳、歌の発音指導者としてもご活躍される。
ご紹介の中で印象的だったお話は、指揮者、小澤征爾氏との出逢いが、現在の英語発音スクールのベースになっているということでした。小澤氏の話す英語の、ネイティブのように正確なリズムとイントネーションを耳にしたことが、高島まき先生のキーポイントとなったそうです。より通じやすい英語が話せるようになるためには、発音、リズム、イントネーションが私達のキーポイントです!
タイトルは「ひとこと話せばお里が知れる、イギリス英語発音の魅力」。イギリス英語の発音には「階級の差」が反映されています。母音の発音の仕方によって出身の階級と地方を特定することができます。すなわち「発音=社会属性」。今回は「RP」(=Recieved Pronunciation)一定の階級より上の上品な英語、王族をはじめとする上流階級の話す発音や、いわゆる「BBCイングリッシュ」と言われて私達がイメージする音について学びます。
◆イギリス英語(RP)とアメリカ英語の違い(単語 apartment / flat , リズムなどたくさんありますが、ここでは発音から一つご紹介します。)
・t/dの言い方・・water, better, middle などの弾く音は、アメリカ英語では弱く発音するが、RPでははっきり正しく発音する。

イントネーションとリズムは、イギリス英語とアメリカ英語の差をつける大事なところである

◆イギリス国内の地域差による発音
・都会を離れるとその土地固有の癖があり(単語・文法自体が違ったり、昔の言い方が残存)ネイティブでも聞き分けられない発音がある。その為、一言喋ると母音の違いで出身地と階級がわかる。例えば arm / アームの地域とアルムと発音する地域等。イギリスのテレビ番組、Britain’s Got Talent に登場したスーザン・ボイルといえばおわかりでしょうか。彼女は完全なスコティッシュ訛り。BBCインタビューではみんなにわかるように標準語に寄せようとしていたそうですよ。
◆イギリスの階級
・日本語で「上流、中級」が指し示すものとイギリスの「Upper class/ Middle class」は全く違う。
・RPは、メディアで聞く王族(中でも世代が上の方々)が話す発音を参照。
・イギリスは階級社会なので、職種によって立場上 RPが必要になってくる場合がある。すなわち発音を変えるということである。必要に迫られてという例を挙げれば、「鉄の女」サッチャー元首相、「サッカー界の貴公子」デイヴィッド・ベッカム、結婚記念日を迎えられたばかりのキャサリン妃など。
◆Upper class の発音
・inspire、empire など辞書的には「アイア」と繋がる音が、「インスパー」「エンパー」と「アーでのばすような音に聞こえる。
高島まき先生からの耳より情報 ➡︎ 発音練習されるなら、例えばハリー・ポッターのエマ・ワトソン。とてもきれいな発音だそうです ♪

階級が上に行けば行くほど、音の抑揚が少なくなるのも特徴のひとつ

◆以上を踏まえ、日本人がどんな英語を目指せば良いか
・初心者・・たどたどしくても気にしない ٩(^‿^)۶ が、もし発音を習いたいなら初心者の時からやっていた方が良い。
・上級者・・イギリスのどういう立場の人と話すのか、そこに合わせた発音を是非してみてほしい。

◆旅行者は地名に注意!
・(日本語で言うアクセントは「強く言うところ」なので)タクシーやホテルのコンシェルジュにここに行きたいと言う時、単語の中でどこにアクセントを置くかををおさえておくだけでぐっと通じやすくなります。

Borough Market

Borough Market・・日本ではボローという表記もあるが、この市場の名前は「バラ」。しかし同じスペルでボローと読む名前もある。

Piccadilly

日本語で言う時のようにピカデリーの「カ」を高くすると通じない。正しくはピカデリーの「ディ」を強く発音する

◆英語全般において上達するための道しるべとは!
大きくゆっくりハッキリと!これだけですごく通じやすくなります。
・「なりきる!」(俳優みたいに♡)ということ。日本語は高低差のない言語であります。英語を英語らしく言うためには、感情の起伏、テンションを上げてなりきってください。そうすることにより声も大きく出てきます。ハッキリとした声で伝えることを大切にしてくださいね。
◆最後に質問コーナー
・英語と日本語の息の吸い方について教えてください!・・息の吸い方というよりは「吐き方」ですね。日本語は細い息でずっと話すことができます。しかし英語は単語メインのアクセント、文中の強いところでバッと息を出さなければならない。息の太さとスピードがコントロールできるようになると、英語っぽい音が出せるようになります。
・「You was」という言葉を聞くが北の方のWorking classの使い方なのでしょうか?・・参加者の方に演劇をされている方が回答くださいました。戯曲で北の方は(労働者階級のマンチェスター、リバプール辺り)「You was」という台詞があり、いまだに新作戯曲でも出てきます。北のワーキングクラスを示す特徴として、そのような台詞になっているのだろうということです。
「イギリスを知る会」実に盛り沢山で深いところまで追求する内容でした。文化を知ることで、見えなかった背景が見えてくる。そして見えたものが、だからこうだったのか、などと気づくことになる。気づきが面白ければまた知りたくなる。「一生勉強」の分身って楽しさや面白味なのかもしれません。
しかし!この講座はリアルでないと伝わりません。私がお伝えしたいのは「発音」です。ありとあらゆる発音を先生は言葉と音で表現してくださいます。息の吐き方、音の強弱、口の筋肉の動き、表情、全てを自分の目におさめて真似る。先生が目の前でされた同じことを、その場で真似る。繰り返し、繰り返し、それが「正統派イギリス英語発音」習得への早道です。
大きく、ゆっくり、ハッキリと!
“ Better English, better communication ”

先生の母校 Royal Holloway, University of London

掲載は許可を得ております。
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【高島まき】Stellavoce イギリス英語発音スクール 代表
・イギリス英語発音指導(グループ・個人)
・ディクション(歌の発音)指導
・英語通訳、翻訳(主にクラシック音楽)
・イギリス英語ナレーション
アメブロ:https://ameblo.jp/reginacecilia/
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兵庫県伊丹市出身。東京都在住。主婦時々パートタイムジョブをこなす。子育て期をニューヨーク、ロンドンにて駐在生活を送る。思いつきのその日決めで行動する一匹オオカミ派。『成るように成る』をモットーに今世を生きる。水泳・ジョギング・登山・ウクレレ・映画・ライヴ鑑賞・奉仕活動と未知なる自分を今後も探求し続ける。Instagram: @n_amihey

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