人魚姫への疑問

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usagi


ロンドンのペットショップでは、犬猫の餌や寝具などを販売することはあっても、犬猫そのものをを販売することはまずありません。ブリーダーさんから購入したり、救助サービスから身寄りのないものや、リタイヤした競争犬のグレイハウンドを引き取ったりいたします。

その代わりと言ってはなんですが、ハムスター、ギニアピッグ、チンチラ、ウサギなどのげっ歯類や、爬虫類、魚などは、ほとんどのペットショップから購入することができます。

友人は、小型のナマズやコリドラス、小さいエビをひっそり飼っているのですが、彼が出張の時に、餌やりをしていたことがございます。もしかしたら、ナマズが水槽から飛び跳ねて、床で生き絶えていることがあるかもしれないけれど、気にしないでそのまま放置しといてください、などと言われて、部屋に入るのがちょっと怖かった時もありました。地味な魚ばかりで、最初はなんだかさえないなぁと思っていたのだけれども、これはなかなか粋だわいと、最近羨ましくなることすらございます。

さて、魚の尻尾を見ていると、自分は「人魚姫」を思い出す時がありますが、思い出すたびに「人魚姫」の様相は腑に落ちません。手が生えているのは、物をつかんだりするのに便利だろうからまぁいいとして、そもそも水の中で生きるものに、毛が生えているべきではないと思うのであります。ペンギンやアザラシのように、エラ呼吸をしない物もいるので、びらびらのエラがついていなくてもいいけれど、下半身が全く魚では、陸上での活動に差し障りがあるに違いないので、トカゲのような小さな足が生えていてもおかしくないのでは。また、ウェストがくびれている海洋生物を自分は知らないので、形状はくびれのないトックリ型にならざるを得ないと思わずにはいられません。

童話の人魚姫は、王子との恋がかなわず悲しい結末を迎えますが、私の人魚はそのようなドラマを歩むタイプではないと思うのであります。めでたしめでたし。

th_Mermaid

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About Author

トキタアヤ

洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あってThe Timesの挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。足掛け4年、ロンドン動物園で週に一度制服を着てボランティア活動にいそしむ。

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