サマーカットはいやよ

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usagi


日本はとんでもない暑い日が続いているそうですが、イギリスはここのところ涼しくなりまして、今日のロンドンは最高気温が19℃でございました。ここのところ、毎年7月にとんでもない暑い日が数日続く夏がやってきて、8月になるとすぅっと肌寒くなります。9月になるとインディアン・サマーという、秋にしては暑い日が何日かやってきます。

日本で外国人向けの不動産屋をしている友人がおりまして、日本に暮らすインド人やフィリピン人は、夏に自分の国に帰る人が多いのだそうです。何故なら日本の夏は、インドよりもフィリピンよりも厳しいのだそうです。あまりの暑さに、猫や犬の毛をサマーカットされる方を時折お見かけしますが、あれはかえって暑さが堪える結果になるのでお止めになっていただきたい。暑い毛皮があるからこそ、空気の層を作って体温が上がらなくなっているのでございます。

しかし、こんなに暑い日本の夏を見ておりますと、犬を飼うのも考えものだなと思うことがままございます。犬種にもよりますが、犬に散歩はなによりも大切なもの。でも、この日本の猛暑では、散歩もままならない日が少なくないと思います。イギリスは涼やかな気候のおかげで、頻繁に長時間散歩に連れて行くことがちっとも苦になりません。もう20年も前のことですが、友人のゴールデン・レトリバーは1日に6回も散歩に行くのだと言っておりました。それも友人は郊外に住んでいたので、リードを外したのびのびとした散歩でした。

ハムステッド・ヒースでは、犬の散歩のプロの方が、いろんな犬種を10頭以上従えて、それも半数以上はノーリードで連れて歩いております。ヒースには犬用の池もあって、棒を投げてもらって嬉しそうに飛び込んでいく犬の姿も見られます。その中でも、とんでもなく頑強なボーダー・コリーという犬種がおりまして、この犬は牧羊犬なのですが、だからこそとんでもない運動量を必要とするのであります。大げさな例えだとは思いますが、60分以上の駆け足の散歩を二回、その上ドックランでの運動も必要、と言っているサイトもございましたが、確かに牧羊犬なので計り知れない体力があるのでございましょう。

わたくしが子供の頃は、日本の夏はこんな酷暑ではありませんでした。ボーダー・コリーとは申しませんし、お住まいになる地域にもよりますでしょうが、犬の散歩くらいは楽しくできる夏が戻ってこないものでしょうか。夏を迎えるたびに、日本の酷暑を思い、つい歯をくいしばってしまう気持ちになることが、少なくないのでございます。

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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