イギリス人から見た日本

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usagi


しばらく日本に帰っておりました。

今回はイギリス人の友達も同行して、北は北海道、南は九州とたっぷり日本を楽しんできたのですが、イギリスの友人は、想像をはるかに超えた日本の社会や生活習慣に、かなり衝撃を受けていたようです。

道路工事に従事しておられる方々の人数は、こちらと比較すると3倍以上で、通行人の安全を守るという大義もあるのでしょう、常に案内をする方が2名ほど控えていらっしゃるのには驚きました。丁寧にお辞儀をしながら笑顔でこちらの歩行を見守って下さいます。その上、日本の工事の速さと丁寧さはとんでもありません。そもそもイギリスの工事の仕事の遅さと荒さには以前から呆れておりまして、日本で空調機の取り付けを専門とする友人も、私が撮ってくる写真を見るたびに「日本だったらやり直しもいいところだよ」と大笑いされております。

デパートの受付嬢やスカイタワーで働く人々、お店やレストランの方々、みなさんどれだけ指導を受けられているのだろうと思うほど丁寧で、これはわたくしが日本に住んでいた頃に比べると、かなりエスカレートしているのではないかと思われます。イギリスも最近店員のマナーが見直しされたらしく、随分と気持ちの良い笑顔が見られるようになりましたが、ちょっと前までは日本の母に「あんたは店員相手に何愛想ふりまいてるのよ」とよく怒られたものです。だってイギリスの店員さん怖かったんですもの。

そして電車の中の人々の静かなこと。眠られているか携帯をいじられているかがほとんどで、みなさんほとんど話をされませんし、車内での携帯電話での会話はご遠慮ください、とアナウンスが流れるではありませんか。それにひきかえこちらの地下鉄はえらく騒々しく、車内の騒音も激しいので会話も怒鳴に近いボリュームであります。ロンドンの地下鉄は150年前に始まったので、線路の敷き方も今と比べるとかなりデコボコだったのでしょう。最近線路も随分と敷き直されましたが、20年前の地下鉄の揺れは新聞を読むのすら困難を極めるほど激しい揺れ方でございました。それにひきかえ、日本の電車も車もなんと滑らかに走ること。こちらの二階建てバスはMercedes-BenzとVolvoなのですが、やはり揺れは激しくて走行中は2階から下に降りることはこちらの若者でも容易ではありません。

ヒースローからピカデリーラインの座席に腰を下ろした時に、日本の地下鉄の半分くらいしかない小さい車内と薄汚れた座席を見て、二人で思わず苦笑するとともに、なぜだか大層ホッといたしました。

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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