気まぐれ天気とサギの心

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usagi


イギリスの天気はとても変わりやすく、一日の間に四季が見られるとまで言われています。ここのところ、春に向かうロンドンの天気は山の天気にも似ていて、上空を流れる雲はとてもダイナミックであります。先週は朝7時から、窓に叩きつけるような豪雨の嵐に見舞われたのに、8時には抜けるような青空が広がりました。ところが晴れているのに激しい雨がまた降り始め、みるみるうちに暗くなり大粒の雹が降り注ぎました。でもロンドンは日本と比べると真っ平らで、一番標高が高いのはBromleyのWesterham Heightsで245メートル、Hampstead Heathも6番目に高くて134メートル。London Eyeから眺めた景色はただただ平たく、津波が起こったら何もかもが飲まれてしまうことでしょう。

動物園のペンギンやカワウソ、もしくはペリカンやフラミンゴなどのいる水のあるところには、必ずサギがおります。ペンギンたちが動物園からもらう魚をちょいといただこうというのですが、プールには模型のサギも設置されていて、本物のサギも晴れていようが曇っていようが模型に負けずじっと動くことがありませんので、パッと見るとどれが本物なのかわかりません。サギは肉食なので、画像を検索すると水辺の小さなヒナをくわえている恐ろしげな写真が出てきてびっくりいたしました。でもよく考えてみたら、私たちは巨大な牛やマグロをステーキにしたり酢飯の上に生でのっけていただくわけですから、ちっとも驚くことではございませんでした。

お友達のピーターさんは、70歳のお誕生日を最近迎えましたが、卵もチーズも召し上がらないヴィーガンなのです。彼は一人で地階、一階、二階のある大きな家に住まわれているので、テナントを一人住まわせていることが多いのですが、共同で使うキッチンでは肉魚の料理をして欲しくないのです。「僕は誰が何を食べようと、ちっとも気にしない。みんな自分が食べたいものを食べるのが一番いいんだ。でも僕の家では動物は食べちゃダメなんだよ。」なのでヴェジタリアンのテナントを探すのに、いつも苦労されております。でもわたくしが和食のディナーにご招待いたしますと、「これは例外。」と言って、鰹出汁のお味噌汁を美味しそうに召し上がってくださいます。

th_Heron

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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