友達のお嬢さんは一月に4歳になったのですが、彼女は小さい頃から蜘蛛が大嫌いなんだそうです。先日ご主人のご両親の御宅でお風呂に入れようと思ったら、湯船の外に黄色いプラスチックの蛸のおもちゃがあって、お嬢さんはそれをどかしてくれないと怖くて入れないと怯えていたんだそうです。蜘蛛は足が8本ありますが蛸も8本。「蜘蛛が蛸がというよりも、足が8本あるものが怖いのかしら?」と友人は首を傾げていました。
蜘蛛を怖がる人は大変多く、動物園のボランティアの仕事にも蜘蛛の館のお当番があるのですが、蜘蛛恐怖症の人はあらかじめ申し出るように言われています。そういえば2016年の夏、数カ月にわたってスーパーで販売されていたバナナに小さな蜘蛛がうようよと付いていたことがありました。確かブラジルのバナナだったと思います。蜘蛛恐怖症のポルトガル人の友達は、絵に描いたよいうに青ざめて、「どうしよう、どうしよう」と声を裏返しておりました。
小学生の頃、同級生の陽子ちゃんが、どこで捕まえたのか小さい蜘蛛を瓶の中に入れて「クーちゃん」と名付けてペットにしておりました。今思えば餌を入れているわけでもなく、蜘蛛にとっては迷惑極まりないことだったと思います。しかしその時のことを思い出してもそして今も、私は特に蜘蛛に恐怖を覚えることもなく、噛まないのならば大きなタランチュラを手に乗せることも、特に嫌だとは思いません。実は蜘蛛の餌やりとは実はとても面倒なものらしく、動物園では蜘蛛が自分で捕まえたり、蜘蛛の巣に引っかかるまでるまで、餌の蝿を蜘蛛に向かって投げ続けるのです。この蝿はすでに息絶えているからかもしれませんが、投げては床に落ちた蝿を拾い、また投げては拾いと、見ているだけで気が遠くなります。
そういえば蝶恐怖症の方も少なくありません。蝶の館に入るなり顔色を変えて回れ右をしたり、蝶が自分の近辺を飛び回ると金切り声をあげたり、本当に怖いらしいのです。蝶は噛み付きませんよ、毒もありませんよと申し上げるのですが、ダメなものはダメ。蜘蛛とか蛇はなんとなくわかるのですが、蝶はさっぱりわかりません。
あら? 蜘蛛、蛸、蛇、蝶は全て虫偏が付いていますね。基本的に虫というのは恐怖を覚える対象になるものなのでしょうか。
みなさんは何が怖いですか?